「具体」と略される「具体美術協会」は、1954年、兵庫県芦屋市で発足した前衛美術グループです。吉原治良と阪神間の若い作家たちによって結成され、リーダーの吉原が1972年に亡くなるまで、「人の真似をするな」を合言葉に制作を続けました。戦後の日本美術を語る上で欠かせない“GUTAI”として、国際的にも高い評価を受けています。この展覧会では、兵庫県立近代美術館から現在にいたる50年間の収集を視野に入れながら、ひとつのイメージに収斂しない多角的な「具体」像に迫ります。
令和元年度の新収蔵品を、既存のコレクションとともにテーマに沿ってご紹介します。
吉田博(1876-1950 福岡県出身)は、明治、大正、昭和にわたって活躍した版画家、洋画家です。彼がアジア・太平洋戦争時に旧・播磨造船所(相生市)の作業風景を描いた絵をまとめて展覧します。
会場:当館アトリエ1 現在活躍している作家を紹介するシリーズの第11回として、愛知県を拠点に活動している徳重道朗(1971-)にスポットをあてます。今回、アトリエ1を使って、神戸ないし兵庫の水にまつわるインスタレーションを発表します。
デザイナーの皆川明(1967- )が設立したブランド、ミナペルホネン。流行に左右されず、長年着用できる普遍的な価値を持つ「特別な日常服」をコンセプトとし、オリジナルの生地からプロダクトを生み出す独自のものづくりを続けてきました。ミナ ペルホネンと皆川明のものづくりとその思考をこれまでにない規模でご紹介します。
(7月6日(月)~7月10日(金)は展示替えのため休室) 本展では美術の中の「動き」に着目します。動き回る人や動物、多様性に満ちた自然の営み―これらは、本質的に「静的」なものである美術においてどのように作品化されているのでしょうか。絵画や立体作品の中にとらえられた様々な動きの表現を考えます。
会場:原田の森ギャラリー 2階 大展示室
当館は1970年10月に兵庫県立近代美術館として開館しました(2002年当地への移転後、兵庫県立美術館に改称)。本年(2020年)、開館から50年を迎えるにあたり、開館以来、節目の年に開催してきた名作展、秀作展等の続編として開催します。時間の経過とともに変化する評価のあり方、私たちと名品との関係などに目を向けながら、当館所蔵品もまじえて、各地の主要美術館から借用した作品約100点を展示します。