20世紀のはじめから現代へといたる日本の芸術表現について、「ヒーロー」という特別な存在と、そうではないふつうの「ひとびと」という対照的な人間のありかたに注目しながら、紙芝居、漫画やアニメ、特撮などの大衆的表現とともにご紹介します。
J·J·グランヴィル(1803-1847)は、19世紀フランスを代表する挿絵画家のひとり。本展は、国内有数のコレクター・M氏の協力を得て、『ラ・カリカチュール』、『ル・シャリヴァリ』といった紙誌に掲載の諷刺画や、『もうひとつの世界』、『生きている花々』などの挿絵本を一堂に展示、シュルレアリスムを先駆する特異なイマジネーションを紹介します。
コレクションの紹介には様々な枠組みが設けられます。一般的なものでは、ジャンルや、時代、地域でまとめる場合があります。本展では、作品の外の基準によるのではなく、たとえば、描線の特徴であるとか、二つの世界を対比する仕方であるとか、作品内の要素や構成の原理に着目します。共通項の中では個々の独自性も浮かび上がるでしょう。
20世紀フランスを代表するポスター作家レイモン・サヴィニャック(1907-2002)。鮮やかな色使いと大胆な造形、そしてユーモアとエスプリに満ちたその表現は「ビジュアル・スキャンダル」と呼ばれ、それまでのポスターの様式を一新しました。本展では、ポスター約90点とともに写真や原画、関連書籍などもあわせて展示することでサヴィニャックの仕事を総合的にご紹介します。
会場:アトリエ1 現在活躍中の作家を紹介するシリーズの第9回として、和田淳(1980- )の個展を開催します。アニメーション作家として国内外で注目を集める和田氏の独創的な映像世界をご紹介します。
会場:ギャラリー棟3階
見える人も、見えない人も、見えにくい人も、作品に触れるという方法で鑑賞していただける、当館恒例のシリーズ展。29回目となる今年は、近年、粘土による「塑造」制作に力を注ぐ美術家の中ハシ克シゲ(1955- )氏が、誰もが身近に触れあう機会の多い動物である犬を題材に、「触りがいのある彫刻」の制作に挑みます。
県政150年を記念し、兵庫の風土・人々・生活、そして明治以後から今日までの兵庫の歩みを収蔵品で振り返ります。もちろん兵庫ならではの美術の動きも紹介。昨年度新しく収蔵した作品もお披露目します。
歴代スペイン国王の収集品を核として1819年に開設されたプラド美術館。 本展は同館が誇る巨匠ディエゴ・ベラスケスの本邦初公開の作品を含む7点を軸とし、ティツィアーノやルーベンスなど王室コレクションの数々の傑作で構成します。絵画の黄金時代といわれる17世紀を中心とするヨーロッパ絵画の粋をご覧いただく貴重な機会となります。
会場:ギャラリー棟3階 絵を見た瞬間、何ともいえないあたたかい気持ちに包まれる、いもとようこの絵本。ぎざぎざした独特のタッチは、和紙をちぎって貼りその上に水彩絵の具やパステルで着彩して、繊細な陰影や表情が作られています。繊細な手仕事でつくられた絵から、言葉にならない気持ちや心象風景が伝わってくるような貴重な原画約300点を紹介します。
会場:原田の森ギャラリー 本館2階大展示室 兵庫県内で美術制作にはげむ方々の発表の場として続いてきた公募展です。出品規定は4月中に県内各所で配布予定です。たくさんのご応募とご来場をお待ちしています。
会場:ギャラリー棟 ジブリ作品がどのように生み出され、世に出て行ったのか... ポスター・広告・グッズ等の宣伝物を中心に、企画書など未公開のものを含む多数の資料を展示、スタジオジブリの30年間の歩みが体感できます。
「10年ひとむかし」といわれるように、10年という時間の幅はひとつのまとまりとして自然に意識されるもののようです。そこで今回の県美プレミアムでは2008年、1998年と10年ごとに時間をさかのぼり、その年に生まれた作品やその年の出来事に関連のある作品をご紹介します。当館のコレクションとともに10年ごとの時間旅行をお楽しみください。
日本における具象絵画の巨匠小磯良平(1903-1988)と、日本の抽象絵画のパイオニア吉原治良(1905-1972)は、ともに戦前から戦後にわたって神戸・阪神間を中心に活動してきました。本展では、画風やキャリアは対照的な彼らの代表作を中心に約160点の作品と資料を展示し、その画業の対照性や類似性、同時代性、さらには地域性にも迫ります。