本日の開館時間は10:00~18:00(入場17:30迄)。特別展開催中(ご予約不要)。次回コレクション展は4/25より開催します。

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最新情報

重要なお知らせ

兵庫県立美術館所蔵≪羽衣天女(はごろもてんにょ)≫の今後の展示予定等について

国の文化審議会(会長 佐藤(さとう)信(まこと))は、2024年3月15日(金)開催の同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、当館所蔵の本(ほん)多(だ)錦(きん)吉郎(きちろう)(1851-1921)の作品≪羽衣天女≫(1999年度 公益財団法人伊藤文化財団 寄贈)を重要文化財(美術工芸品)に登録することについて文部科学大臣に答申し、指定されることとなりました。

 当館が自主的に収集してきたコレクションの中から重要文化財に指定されるのは、今回が初となります。
(参考:2019年度に旧公益財団法人頴川美術館から県に寄贈があり2020年度に県から管理換えにより当館所蔵となった頴川コレクションにおいて、重要文化財4件(≪阿弥陀曼荼羅図≫、≪山王霊験記≫、伝能阿弥≪三保松原図≫、長次郎≪赤楽茶碗 銘 無一物≫中興名物)、ならびに重要美術品4件(長沢蘆雪≪月夜山水図≫、≪芦屋松林図釜≫大名物、≪肩衝茶入 銘 勢高≫大名物、≪胭脂紅龍文瓶≫)を所蔵しています。)

本作は、1890年制作で、羽衣伝説のある三保の松原(静岡県静岡市)上空、富士山と駿河湾を見下ろしながら羽衣天女が飛翔する姿を画面いっぱいに描いたもので、2024年4月22 日(月)から5月12 日(日)まで東京国立博物館本館(東京都台東区上野公園13-9)にて、特集「令和5年新指定国宝・重要文化財」展で公開される予定です。
また、2024年8月20日(火)から12月8日(日)まで、当館の「コレクション展Ⅱ コレクションから「女性」特集!-女性作家と描かれた女性と(仮題)」において、重要文化財に指定後初のお披露目特別展示を予定しております。
なお、本作のポストカードは、当館ミュージアムショップで現在販売しておりますので、ぜひご利用ください。

本多錦吉郎≪羽衣天女≫1890年
油彩・布 127.2×89.8cm

≪羽衣天女≫ について

明治23(1890)年の第3 回内国(ないこく)勧業(かんぎょう)博覧会(はくらんかい)の出品作。作者の本多錦吉郎(1850~1921)は、広島藩士として洋学を学び、明治時代初のヨ-ロッパ留学生であった国沢(くにさわ)新九郎(しんくろう)(1848~77)から油絵を学んだ早期の洋画家である。技法書の翻訳をはじめとして、日本における油絵の普及に大きく貢献した。本作は油絵が逆境におかれるなかで発表された意欲作で、西洋美術をふまえて日本の伝説を描いた作品として話題を集めた。日本の油絵の先駆的指導者である本多の代表作であり、技法や表現、題材など、明治時代の絵画の歴史を考えるうえで欠かせない作品である。

≪羽衣天女≫の解説
○ 羽衣天女(はごろもてんにょ)

本多錦吉郎 筆
明治23(1890)年作 油彩・布(縦127.2cm×横89.8cm)
明治23(1890)年の第3回内国勧業博覧会に出品され褒状を受けた本多の代表作である。羽衣伝説を題材に、富士山と駿河湾を背に昇天する天女を描く。

○ 本多錦吉郎(ほんだきんきちろう)(嘉永3(1850)年-大正10(1921)年)
本多錦吉郎は広島藩士の子で、江戸の藩邸に生まれた。広島で洋学を修め、明治4(1871)年に東京に移り、国沢新九郎に師事して画技を習得した。本多が油画を学んだ国沢は、明治初の渡欧画家であり、帰国後画塾彰技堂を構えていた。彰技堂の果たした役割は大きく、本多はその塾頭として後進の指導にあたり、明治7(1874)年に国沢が没してからは経営を継いで多くの後進を育成した。洋画界においても、明治美術会の結成に参加し、経営に携わったほか、同会や陸軍士官学校などでの教育、技法書の翻訳、教科書や講義録の刊行などに努めた。油画を学ぼうとする者が西洋の知識を習得できる環境を整備した先駆者であり、油画の普及と発展に尽力した功労者である。

○ 来歴
明治23(1890)年、第3回内国勧業博覧会へ出品後、明治37(1904)年頃アメリカに渡ったとされ、長らく所在不明となっていた。平成元(1989)年アメリカ、ニューヨークで発見され、日本の画商に買い取られ国内に戻った。翌平成2(1990)年に当館の前身、兵庫県立近代美術館での「日本美術の19世紀展」で展示され、その後、平成11(1999)年に公益財団法人伊藤文化財団からの寄贈により兵庫県立美術館所蔵となった。

○ 作品の資料的価値
「羽衣天女」は古来描かれてきた主題だが、注目すべきは、油彩画の技法で、西洋絵画の明暗法や遠近法を駆使して写実的に描かれていることである。いわば伝統的図像の「実写版」とでもいうべき迫力とインパクトをもつ作品である。日本の伝統図像と西洋絵画技術との融合を図ったものであり、いわば美術における「和魂洋才」を示すものである。本作は明治期において日本が西洋絵画を摂取する過程を物語る貴重な作例と評価される。

<お問い合わせ>
県立美術館 企画・広報担当:政岡、早栗
電話:078-262-0905 FAX:078-262-0903 Mail:press@artm.pref.hyogo.jp