新印象主義に熱心に取り組んだピサロですが、やがてその限界に気づき、晩年にはふたたび自由な筆づかいの作風に戻ります。そして同じ景色を異なる光のもと描く連作という形式で、印象主義の探求を深めていきました。
そもそもピサロが新印象主義に取り組んだのも、印象主義の発展型と考えてのこと。そう、彼は生涯を懸けて印象主義を追求したのです。そんなピサロこそ、唯一、真の印象派と呼ぶに値する画家でしょう。