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兵庫ゆかりの作家

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やまざき とよこ山崎 豊子

  • 大正13~ (1924~)
  • ジャンル: 小説家
  • 出身:大阪

PROFILE

兵庫県が舞台の作品に『女の勲章』『華麗なる一族』がある。 大正13年(1924)11月3日、大阪生まれ。昭和19年(1944)京都女専国文学科卒業後、毎日新聞社に入社。学芸部の上司に井上靖がおり、彼のすすめで、10年間推敲を重ねてきた長編小説『暖簾』を刊行。その後は女大阪商人のど根性を描く『花のれん』で直木賞受賞。その後も大阪船場の風俗を洗練された船場言葉で描いた『ぼんち』を発表し、小説家としての地位を確立。新聞連載小説第一作目の『女の勲章』、『仮装集団』からは社会的視点に立った長編小説を発表。『華麗なる一族』では都市銀行の暗部にメスを入れ、また、『白い巨塔』では大学病院を舞台に、その美名に隠された人間の権力欲を描くなど、鋭い問題意識で社会の底を流れる人間ドラマを抉り出し、多くの読者を獲得してきた。『不毛地帯』では商社の内幕を、『大地の子』では中国残留孤児をテーマに据えるなど、幅広いテーマへに対する行き届いた目配りには定評がある。

《 略年譜 》

年齢 事項
1924 0 1月3日、大阪市南区横堀に老舗の昆布商「小倉屋昆布」を営む父・菊蔵、母・ますの長女として生まれる。
1936 12 大阪市立芦池小学校卒業。
1941 17 相愛高女学校卒業。同窓生には随筆家、岡部伊都子、バイロオリニストの辻久子がいた。
1944 20 京都女子専門学校国文学科卒業。毎日新聞社大阪本社に入社。調査部に配属される。
1945 21 毎日新聞学芸部に転属。当時の学芸部長は井上靖で、強い影響を受けた。休日を利用して小説を書き続ける。
1957 33 10年掛かりで書き上げた『暖簾』を刊行。
1958 34 7月、『花のれん』により直木賞受賞。『船場狂い』『死亡記事』など、大阪が舞台の小説を続々発表。12月、本格的に作家生活にはいるべく、毎日新聞社を退社する。
1959 35 1月、「ぼんち」の連載開始。11月、大阪府芸術賞受賞。
1961 37 3月、「女の勲章」の舞台を訪ねてフランスを始めヨーロッパの各国を回る。7月、毎日新聞学芸部記者・杉本亀久雄と結婚。
1962 38 インフルエンザ肺炎で倒れ、半年間病気療養しながら執筆活動を続ける。
1964 40 オスローで開催された国際ペンクラブ大会に川端康成、平林たい子と共に出席。
1966 42 『白い巨塔』が映画化される。
1969 45 「華麗なる一族」執筆取材のため、都市銀行や大蔵省、金融専門家に取材。
1973 49 「不毛地帯」執筆取材のため、シベリア、ハバロフスク、イルクーツクの日本人捕虜収容所、さらにテヘランの油田地帯に取材。
1978 54 11月、ハワイ州立大学へ客員教授として招聘され、1年間『ぼんち』をテキストに「上方文化」を講義。
1979 55 「二つの祖国」執筆のため、ハワイ大学図書館、カリフォルニア大学図書館に出向き、資料収集。
1984 60 10月、「大地の子」執筆取材のため中国に渡り、胡耀邦総書記と対面。
1991 67 12月、菊池寛賞受賞。
1995 71 1月、「沈まぬ太陽」連載開始。『大地の子』がNHKでテレビドラマ化される。
1997 73 6月、北京日本人学校で創立20周年記念講演を行う。
兵庫県との関係
舞台  神戸

受賞歴

受賞年 受賞内容 受賞作品
1959 大阪府芸術賞 「ぼんち」
1963 第2回婦人公論読者賞 「花紋」
1968 第6回婦人公論読者賞 「花宴」
1991 第52回文藝春秋読者賞 「大地の子」
1991 第39回菊池寛賞 「大地の子」
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