オランダ絵画の黄金時代−アムステルダム国立美術館展
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宗教と寛容:レンブラントとハルス
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Amsterdam

第5章宗教と寛容:レンブラントとハルス
 他のヨーロッパの国々と較べて、オランダでは宗教的寛容の程度がかなり高く、これは実利的、政治的考慮の結果でした。公的文書ではカルヴァン派が唯一の正当なキリスト教と見なされていた一方、オランダ人の少なくとも3人に1人が他宗派に属していました。1672年の時点で共和国人口の3分の1がカトリック信者、3分の1がカルヴァン派、後はユダヤ教信者かあるいは主義の異なるプロテスタントでした。この章では宗教をめぐる当時の状況を示す作品を展示します。レンブラントの手になる《ユダヤ人医師エフライム・ブエノの肖像画》や、フランス・ハルスの《聖職者の肖像》は、共和国内に様々な宗教、国籍、文化的背景が共存していたことを示す作例といえます。

ピーテル・ヤンスゾーン・サーンレダム 《北東から望むユトレヒト、 マリア教会の袖廊》1

ピーテル・ヤンスゾーン・サーンレダム
《北東から望むユトレヒト、
マリア教会の袖廊》1637年
アムステルダム国立美術館蔵

  17世紀オランダでは、建築画とよばれる、建物の外観や内部を描いた絵画が描かれました。教会の内部を描いた絵も多く描かれ、ピーテル・ヤンスゾーン・サーンレダムはこの分野で優れた作品を残しています。描かれているのはユトレヒトのマリア教会の内部で、もともとカトリックの教会として建てられましたが、16世紀後半からプロテスタントの教会として使用されました。簡素で装飾のない建築がプロテスタントの教会の特徴を示しています。サーンレダムは実測に基づいてこの絵を制作したとされています。視点を低くとることによって教会内部の空間の大きさが表現され、また窓から差し込む光によって教会内部のさまざまな要素が明るく照らし出されています。

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