オランダ絵画の黄金時代−アムステルダム国立美術館展
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Amsterdam

第2章画家とその世:静物画と工芸
 17世紀オランダの画家たちは作品を売り出すために、市場での需要に合わせて自分達の専門領域を特化しました。静物画は、17世紀オランダ絵画においてとりわけ人気のある専門領域でした。花の絵、喫煙の道具を描いた絵、食卓のさまざまな食べ物を描いた絵などいろいろなタイプの静物画が描かれましたが、いわゆるヴァニタス静物画においては、頭蓋骨や砂時計が、しばしば高価な品々と組み合わせて描かれ、この世の物のはかなさが象徴的に表現されました。意味内容だけでなく、描かれた物の質感や驚くほど緻密に描かれた細部、巧みな光の表現などが当時の人々にも大いに賞賛されました。この章では、こうした静物画のほかに絵画に描かれた当時の工芸品も合わせて展示しています。

アールベルト・ヤンスゾーン・ファン・デル・スホール 《ヴァニタス(テーブルの上の頭蓋骨)》

アールベルト・ヤンスゾーン・ファン・デル・スホール
《ヴァニタス(テーブルの上の頭蓋骨)》1660年頃 
アムステルダム国立美術館蔵

  机の上にころがった多くの頭蓋骨、花、砂時計、まもなく燃え尽きそうなろうそく、ここに描かれたものは、全てのものははかない、というメッセージを伝えています。画面上に描かれた書物や赤い封蝋は世界のあらゆる知識や学問もこの事実をくつがえすことはできない、ということを示しています。「生のはかなさ」つまりヴァニタスという概念を目に見えるかたちで表しているのです。17世紀のオランダではこのテーマは非常に人気があり、いろいろなヴァリエーションで表現されました。 ここに描かれた頭蓋骨はひとつの頭蓋骨を異なる視点から見たものを一画面に描いたものでこの画家の技量の高さが示されています。

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