

ヤーコプ・ファン・ライスダール
《ベントハイム城》1670-75年頃
アムステルダム国立美術館蔵
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ヤーコプ・ファン・ライスダールは17世紀オランダの風景画家の中で最も多彩な画家です。この作品はドイツ国境付近のベントハイム城を描いたものですが、スケッチを元に少なくとも12点の作品を描いています。低い視点から城を見上げるように描くことにより城の堂々としたさまが表現されています。実際の城はなだらかな丘に建っていますが、ライスダールは城の位置を高く描くことで壮大さを強調しようとしました。前景から後景へと至るところで日陰と日なたを交互に並べた表現や滝のふもとに描かれた小さな人物、ドラマティックな雲の表情など風景画家としての力量が余すところなく発揮されています。
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