これは集団肖像画とよばれる作品のひとつで、聖ルカ組合という画家の組合のメンバーを描いた作品です。聖母マリアを描いたとされる聖ルカは画家の守護聖人であり、画家の組合の名称にこの聖人の名が使われました。ヤン・デ・ブライは著名な肖像画家であり、画面左から2番目に描かれている人物です。中央に座ってこちらを見ている堂々とした人物は真鍮鋳物師で銅細工師でもあるヘリット・ムルラートであり、彼はこの画家組合の庇護者の像が浮き彫りで施された飾り板を私達の方へ示しています。テーブルを囲むように配置されたそれぞれの人物は、表情やしぐさが巧みに描き分けられながらも統一感が保たれており、ブライの肖像画家としてのすぐれた技量が伺えます。 |
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ヤン・デ・ブライ
《ハールレム、聖ルカ組合の理事たち》1675年
アムステルダム国立美術館蔵
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