谷崎　潤一郎写真

たにざき　じゅんいちろう谷崎　潤一郎

明治19～昭和40
ジャンル：小説家
出身：東京市日本橋区

PROFILE

兵庫県神戸市、西宮市に居住。兵庫県が舞台の作品に『蓼喰ふ虫』『細雪』『乱菊物語』がある。明治19年（1886）、東京市日本橋区に生まれる。父・谷崎倉五郎、母・関。16歳のとき、父の事業が苦境に陥り、潤一郎は築地精養軒の主人北村宅の書生となる。第一高等学校英法科入学後、小間使へ送った手紙が発見され、北村家を追われる。明治41年（1908）、東京帝国大学国文科へ入学するも強度の神経衰弱に陥る。24歳のときに、小山内薫、和辻哲郎らと第二次「新思潮」を創刊する。29歳で石川千代と結婚し、のちに千代の妹・せい子を引き取り同居。関東大震災により京都、兵庫に避難転居。以後関西各地に居住する。44歳で妻千代と離婚し、以後二度の結婚。54歳で『細雪』の執筆を開始し、昭和23年（1948）、62歳で脱稿。72歳のときに右手に麻痺が起こり、後遺症により執筆はすべて口述筆記となる。昭和40年（1965）、前立腺肥大により入院、手術。春に最後の上洛後、7月30日湯河原の自宅にて死去。79歳であった。

《略年譜》

年	年齢	事項
1886	0	7月24日、東京市日本橋区に生まれる。父・倉五郎、母・関。
1892	6	阪本尋常高等小学校入学。
1901	15	東京府立第一中学校入学。
1905	19	第一高等学校英法科入学。
1908	22	東京帝国大学国文科入学。放浪生活、強度の神経衰弱。
1910	24	小山内薫、和辻哲郎らと第二次「新思潮」を創刊。
1912	26	神経衰弱再発、放浪生活再開。
1915	29	石川千代と結婚。
1916	30	千代の妹・せい子を引き取り同居。
1920	34	新設立の映画会社「大正活映」の脚本部顧問となる。
1923	37	関東大震災。京都、兵庫に避難転居。
1930	44	千代と離婚。
1931	45	古川丁未子と結婚。
1933	47	丁未子と離婚。
1935	49	森田松子と結婚。
1942	56	熱海に購入した別荘で『細雪』の執筆に専念。
1948	62	『細雪』脱稿。
1958	72	右手に麻痺。以後執筆はすべて口述筆記となる。
1960	74	狭心症の発作で2ヶ月間入院。
1964	78	米文学芸術アカデミー名誉会員に。
1965	79	前立腺肥大により入院、手術。7月30日、湯河原の自宅にて死去。

逝去地: 東京

兵庫県との関係: 居住　　阪神

代表作品

作品名	刊行年	版元
刺青	1911	籾山書店
痴人の愛	1925	改造社
蓼喰ふ蟲	1929	改造社
卍	1931	改造社
盲目物語	1932	中央公論社
春琴抄	1933	創元社
陰翳礼讃	1935	中央公論社
猫と庄造と二人のをんな	1940	創元社
細雪（上・中・下）	1948	中央公論社
乱菊物語	1949	創芸社
鍵	1956	中央公論社
瘋癲老人日記	1962	中央公論社

場所	説明	内容
芦屋市東芦屋町芦屋川河畔	詩碑	「細雪」と一節を刻む
神戸市東灘区住吉駅西阿弥陀寺	歌碑	故里の花にこころを残しつゝ　たつやかすみの菟原住吉
神戸市東灘区住吉本町１甲南学園南小学校	詩碑	「細雪」とのみ刻む
神戸市東灘区本山第二小学校	詩碑	「細雪」より　ちようど本山第二小学校の建物の水に漬かっているが、眞北に見え…