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兵庫ゆかりの作家

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かわかみ てつたろう河上 徹太郎

  • 明治35~昭和55
  • ジャンル: 文芸評論家
  • 出身:長崎県長崎市

PROFILE

兵庫県神戸市に居住する。 明治35年(1902)1月8日長崎県長崎市生まれ(本籍は山口県岩国市岩国)。神戸市立諏訪山小学校を経て、兵庫県立第一中学校(現:兵庫県立神戸高校)に入学。のち東京府立第一中学校に転入。同級に富永太郎、村井康男、一級下には小林秀雄がおり、親交を結んだ。東京府立第一高等学校を経て、大正12年(1923)東京帝国大学経済学部に入学。富永太郎、小林秀雄らの同人誌、「山繭」に評論を発表。東大卒業後の昭和4年(1928)中原中也、大岡昇平らと同人雑誌「白痴群」を創刊し、文芸評論を開始する。その後、『自然と純粋』『日本のアウトサイダー』『吉田松陰』などのほか、エッセイ『有愁日記』『西欧暮色』『近代史幻想』など、戦前戦後を通じて幅広い評論活動を展開。終戦直後の昭和20年(1945)には、日本人の得た自由を「配給された自由」と痛烈に批判した。昭和12年(1937)文学界賞、昭和28年(1953)第5回読売文学賞文芸評論賞、昭和32年(1957)「私の詩と真実」でサンケイ児童出版文化賞、また昭和34年(1959)には『日本のアウトサイダー』で第6回新潮社文学賞、昭和35年(1960)第17回日本芸術院賞文芸部門を受賞。昭和37年(1962)には芸術院会員に推された。その後も昭和43年(1968)『吉田松陰』で第21回野間文芸賞、昭和46年(1971)『有愁日記』で第3回日本文学賞を受賞。昭和47年(1972)第24回文化功労者、岩国市名誉市民にも選出されるなど、受賞多数。近代批評の先駆者として小林秀雄と並び称され、日本を代表する評論家として活躍した。昭和55年(1980)9月22日逝去。平成2年(1990)岩国市で顕彰会が発足した。 明治41年(1908)から大正5年(1916)にかけ、神戸市奥平野に居住していた。

《 略年譜 》

年齢事項
190201月8日長崎県長崎市生まれ。
19086日本郵船に勤務していた父の転任で、神戸奥平野に移る。 4月、市立諏訪山小学校に入学。
1914124月、兵庫県立神戸第一中学校(現:神戸高校)に入学。
191614父の転任で上京。 4月、東京府立第一中学校に転入学。同級に富永太郎、蔵原惟人、一級下に小林秀雄がいた。野球、ヨット、登山などを趣味とした。
1919179月、第一高等学校文化甲類に入学。
1923214月、東京帝国大学経済学部に入学。
1929274月、中原中也、大岡昇平らと同人雑誌「白痴群」を創刊。「ヴェルレーヌの愛国詩」を発表。文芸評論を開始する。
1936341月、「文学界」同人に参加。編集責任者となる。
193735文学界賞を受賞。
1939371月、日本文芸家協会評議員となる。
194543終戦直後、日本人の得た自由を「配給された自由」と批判。物議をかもす。
195351第5回読売文学賞文芸評論賞を受賞する。
195755『私の詩と真実』でサンケイ児童出版文化賞を受賞する。
195957『日本のアウトサイダー』で第6回新潮社文学賞を受賞する。
196058第17回日本芸術院賞文芸部門を受賞する。
196260芸術院会員に推薦される。
196866「吉田松陰」で第21回野間文芸賞する。
197169「有愁日記」で第3回日本文学賞を受賞する。
197270第24回文化功労者、岩国市名誉市民にも選出される。
1980789月21日、東京都内の病院で死去。
逝去地
東京都
兵庫県との関係
居住(神戸市)

代表作品

作品名刊行年版元備考
自然と純粋1932芝書店
思想の秋1934芝書店
現実再建1936作品社
音楽と文化1938創元社
事実の世紀1939創元社
道徳と教養1940実業之日本社
文学的人生論1941実業之日本社
河上徹太郎全集1969勁草書房
西欧暮色1971河出書房新社文学手帖
吉田松陰1972講談社
わが象徴派的人生1972文藝春秋
吉田松陰の手紙1973潮出版社
わが中原中也1974昭和出版
旅酒猟1975番町書房ユーモアエッセイ集
愁ひ顔のさむらひたち1975文藝春秋
歴史の跫音1977新潮社
わが小林秀雄1978昭和出版
日本のアウトサイダー1978中央公論社
音楽の招待状1978文化開発社
史伝と文芸批評1980作品社
戦後の虚実1990日本図書センター
都築ヶ岡から1990講談社
幕末維新随想2002河出書房新社松陰周辺のアウトサイダー
私の詩と真実2007講談社
河上徹太郎2010日本ブックエース

受賞歴

受賞年受賞内容受賞作品
1937文学界賞
1953第5回読売文学賞文芸評論賞
1957サンケイ児童出版文化賞私の詩と真実
1959第6回新潮社文学賞日本のアウトサイダー
1960第17回日本芸術院賞文芸部門
1968第21回野間文芸賞吉田松陰
1971第3回日本文学賞有愁日記
1972第24回文化功労者
1972岩国市名誉市民
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