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兵庫ゆかりの作家

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しまお としお島尾 敏雄

  • 大正6~昭和61
  • ジャンル: 小説家
  • 出身:横浜市

PROFILE

兵庫県神戸市に居住。兵庫県が舞台の作品に『贋学生』がある。 大正6年(1917)横浜市に誕生。その後神戸市に転居し、兵庫県立第一神戸商業学校、長崎高等商業学校と進学。昭和15年(1940)九州帝国大学法文学部経済科に入学するが、翌年、文科に再入学する。一級下に庄野潤三がいた。昭和18年(1943)、旅順海軍に入り、翌年、特別攻撃隊第十八震洋隊隊長として奄美群で待機中に終戦を迎える。著書『死の棘』や『夢の中での日常』は、シュルレアリスムの実験小説と私小説に“純文学の極北”とも評される絶後の文学世界を切り開き、ヤポネシアの概念をはじめ現代日本の思想に大きな影響を与えた。 昭和61年(1986)、11月10日の朝、新築の書庫に資料を運んでいる途中で倒れ、12日、出血性脳梗塞のため死去した。

《 略年譜 》

年齢事項
191704月8日、横浜に生まれる。父・四郎、母・トシ。
19247横浜尋常小学校入学。
19258兵庫県武庫郡西灘村に転居。西灘第二尋常小学校転入。
192912神戸市葺合区八幡通に転居。神戸尋常小学校に移る。
193013兵庫県立第一神戸商業学校に入学。山岳部に入る。
193114「少年研究」を編集発行。
193316「峠」同人、「文芸タイムス」準同人となる。
193417「紫草」同人参加。
193518兵庫県立第一神戸商業学校卒業。「駑馬」同人参加。
193619長崎高等商業学校入学。柔道部に入る。大浦天主堂近くに下宿。「LUNA」同人参加。
193720第2次「峠」発行。
193821「十四世紀」同人となる。内務省から発禁処分を受ける。
193922長崎高等商業学校卒業。海外貿易科に残る。「こおろ」同人となる。
194023九州帝国大学法文学部経済学科入学。
194124経済学科を退学し、文科に再入学。東洋史専攻。満州旅行。
194326大学繰り上げ卒業。『幼年期』自費出版。海軍予備学生を志願。
194427特攻艇震洋隊長に任ぜられ、奄美群島加計呂麻島呑之浦基地赴任。大平ミホと知り合う。
194528出撃用意のまま終戦、佐世保で解員、召集解除。神戸に戻る。
194629大平ミホと結婚。庄野潤三、三島由紀夫らと「光耀」創刊。
194730神戸山手女子専門学校非常勤講師および神戸市立外事専門学校教授となる。「VIKING」同人。
194831「近代文学」「序曲」同人参加。
195033『出孤島記』、第1回戦後文学賞受賞。神戸市外国語大学助教授となる。
195235神戸市外国語大学を退職。東京都江戸川区小岩町に転居。都立向丘高等学校定時制非常勤講師となる。現在の会、新日本文学会、一二会に参加。
195336「構想の会」参加。
195437「現代評論」参加。妻・ミホ、心因性反応発病。
195538向丘孝行退職。奄美大島名瀬市転居。
195639鹿児島県立大島高等学校、大島実業高等学校定時制の非常勤講師となる。名瀬市の聖心教会で、カトリックの洗礼を受ける。
195740鹿児島県職員となり、奄美日米文化会館館長に就任。
195841大島高等学校を退職。鹿児島県立図書館奄美分館長に就任。
196144『死の棘』、第11回芸術選奨受賞。
196447第15回南日本文化賞受賞。
196548モスクワでの日ソ文学シンポジウム参加。
196649第25回西日本文化賞受賞。
196952自転車事故で長期入院。頭部の後遺症が続き、数年苦しむ。
197053鹿児島純心女子短期大学非常勤講師就任。ニューデリーでのアジア・アフリカ作家会議に出席。
197154『硝子障子のシルエット』、第26回毎日出版文化賞受賞。第1回文化賞受賞。「カンナ」同人参加。
197558指宿市転居。鹿児島純心女子短期大学教授兼図書館館長就任。
197659多摩美術大学の非常勤講師となる。
197760神奈川県茅ヶ崎市東海岸に転居。『日の移ろい』、第13回谷崎潤一郎賞受賞。
197861『死の棘』、第29回読売文学賞。第10回日本文学大賞などを受賞。
198164日本芸術院賞受賞。日本芸術院会員になる。
198366『湾内の入江で』、第10回川端康成文学賞受賞。鹿児島県姶良郡加治木町に転居。
198568『魚雷艇学生』、第38回野間文芸賞受賞。
19866911月12日午後10時39分、出血性脳梗塞のため死去。
逝去地
鹿児島市
兵庫県との関係
居住 舞台

代表作品

作品名刊行年版元備考
幼年期1943こおろ発行所
単独旅行者1948真善美社
贋学生1950河出書房
われ深きふちより1955河出書房
帰巣者の憂鬱1955みすず書房
夢の中での日常1956現代社
島の果て1957書肆パトリア
死の棘1960講談社
島へ1962新潮社
出発はついに訪れず1964新潮社
島にて1966冬樹社
琉球弧の視点から1969講談社
硝子障子のシルエット1972創樹社
出孤島記1974冬樹社
日の移ろい1976中央公論社
ヤポネシア考1977葦書房
魚雷艇学生1985新潮社
夢屑1985講談社
震洋発進1987潮出版社
はまべのうた/ロング・ロング・アゴウ1992講談社
夢日記1992河出書房新社
新編・琉球弧の視点から1992朝日新聞社
記夢志1993沖積舎
春の日のかげり2003勉誠出版
「死の棘」日記2005新潮社
島尾敏雄集2007影書房

受賞歴

受賞年受賞内容受賞作品
1950第1回戦後文学賞「出孤島記」
1960第11回芸術選奨文部大臣賞 文学、評論部門「死の棘」
1977第13回谷崎潤一郎賞「日の移ろい」
1977第29回読売文学賞「死の棘」
1978第10回日本文学大賞「死の棘」
1980第37回日本芸術院賞文芸部門
1983第10回川端康成文学賞「湾内の入江で」
1985第38回野間文芸賞「魚雷艇学生」
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