兵庫文学史年表 − 1913~1926

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1913
【主な作品】
  • 泉 鏡花
    『夜叉ヶ池』
  • 宇野 浩二
    『清次郎 夢見る子』
  • 和辻 哲郎
    『ニイチェ研究』
  • 足立 巻一 0歳 父・清一(二六新報同人・菰川)と母・マサヨの長男として東京神田区紺屋町に誕生。10月2日父急死。ほどなく母も再婚し、祖父・清三(漢詩人・敬亭)・祖母ヒデに育てられる。
  • 宇野 浩二 22歳 処女著作集『清二郎 夢見る子』刊行。
  • 梶井 基次郎 12歳 三重県立第四中学校に入学、宇治山田市に下宿。父、大阪安田鉄工所に転勤。
  • 島崎 藤村 41歳 創作・実生活上の昏迷のためフランスへ脱出。
  • 白鳥 省吾 23歳 早稲田大学卒業、卒業論文は「エドガー・アラン・ポーの研究」。福島県の旅行で民謡に興味を持つ。
  • 富田 砕花 23歳 小田原で肺患を得、かつて渋谷で寄宿した斎田家が伝道のため芦屋へ移ったのを機に同家へ身を寄せ療養した。中川一政が芦屋の砕花を訪ね一政の画業の出発点となる。
  • 三好 達治 13歳 3月、靱尋常小学枝卒業。3月27日、2才になる妹(五女)照死去。失意の母親を助けるため、1年ほど家業の印刷業を手伝うかたわら図書館に通い読書を続けた。
  • 湯川 秀樹 6歳 京極尋常小学校に入学。
  • 横光 利一 15歳 1月、父が仕事のため兵庫県姫路に移住。利一は単身下宿生活を始める。
  • 吉屋 信子 17歳 鹿沼から程近い日光小学校の代用教員となって一時家を離れた。
  • 和辻 哲郎 24歳 10月、帝国劇場の廊下で夏目漱石に紹介され、11月頃より漱石山房を訪ねるようになる。
  • 有本 芳水 27歳 1月、「日本少年」主筆となる。4月、岡山の井尻清子と結婚。
  • 青山 光二 0歳 兵庫県神戸市に生まれる。
  • 賀川 豊彦 25歳 芝ハルと結婚。
  • 稲垣 足穂 14歳 5月、武石浩玻の京阪神都市連絡飛行に感動。
  • 阿波野 青畝 14歳 畝傍中学入学。
  • 富士 正晴 0歳 徳島県三好郡に父・憲夫、母・晴子の長男として生まれる。本名・正明。
  • 中村 憲吉 24歳 7月、島木赤彦との合著『馬鈴薯の花』(東雲堂)刊行。伊藤左千夫急逝。
  • 吉井 勇 27歳 6月、歌集『昨日まで』(籾山書店)刊行。10月、中澤臨川、小山内薫とともに雑誌「文藝復興」を発刊。
  • 神西 清 10歳 台湾から父の郷里の山口に移ったのち、母の実家の東京に戻り、下六番町小学校に転入。
  • 森田 たま 19歳 5月、森田草平に入門。小宮豊隆の推薦で「片瀬まで」が「新世紀」9月号に掲載される。
  • 河井 酔茗 39歳 女子文壇社を退社し、婦人之友社に入社。翌年、「子供之友」編集にあたった。
  • 三木 露風 24歳 9月、『白き手の猟人』(東雲堂書店)刊。
  • 白洲 正子 3歳 学習院女子部幼稚園に入園。

時代背景

  • 神電兵庫線開通
  • 孫文神戸を去る
  • 新開地聚楽館竣工
1914
【主な作品】
  • 白鳥 省吾
    『世界の一人』
  • 河東 碧梧桐
    『続三千里(上)』
  • 石川 達三 9歳 11月、母うん死去。
  • 井上 靖 7歳 湯ケ島尋常高等小学校に入学。
  • 梶井 基次郎 13歳 大阪転居、府立北野中学に転入。
  • 白鳥 省吾 24歳 処女詩集『世界の一人』を自費出版。
  • 富田 砕花 24歳 11月、白鳥省吾らと「作と評論」を作り、評論『芸術の庶民化』を発表。同誌は1号で解散。
  • 三木 清 17歳 上京、第一高等学校入学。
  • 三好 達治 14歳 4月、大阪府立市岡中学に入学。俳句を作るようになる。
  • 山口 誓子 13歳 大泊中学に入学。
  • 横光 利一 16歳 中学では野球,柔道,水泳,陸上,演劇部等で活躍。
  • 吉川 英治 22歳 講談社が募集した懸賞小説に応募、「江の島物語」が一等に当選。
  • 和辻 哲郎 25歳 2月、長女京子誕生。秋の末ごろ、キルケゴールに関心を深める。
  • 有本 芳水 28歳 3月、『芳水詩集』刊行。たちまち増刷。以来、300版を超えるロングセラーになる。
  • 木下 利玄 28歳 3月、二男二郎誕生。第一歌集『銀』刊行。
  • 浅見 淵 15歳 神戸第二中学校に入学。
  • 西東 三鬼 14歳 心身ともに虚弱だったため、中学校受験を断念。4月、津山男子尋常高等小学校高等科に入学。
  • 上司 小剣 40歳 代表作「鱧の皮」発表。田山花袋、正宗白鳥らに激賞された。
  • 賀川 豊彦 26歳 プリンストン神学校に留学。
  • 稲垣 足穂 15歳 4月、関西学院普通部に入学。最初の創作「ある少年の話」を書く。
  • 吉井 勇 28歳 7月、「文藝復興」第2号をもって廃刊。
  • 森田 たま 20歳 自分の才能に対する絶望や、人生問題に苦悩。精神的に不安定な状態に陥る。
  • 永田 耕衣 14歳 尾上尋常高等小学校高等科卒業。兵庫県立工業学校(現:工業高等学校機械科)入学。俳句に関心を持ち始める。
  • 三木 露風 25歳 栗山なかと結婚。
  • 内田 百? 25歳 東京帝大文科大学独文科卒業。
  • 堀尾 青史 0歳 兵庫県高砂市に生まれる。

時代背景

  • 第1次世界大戦おこる
1915
【主な作品】
  • 高浜 虚子
    『柿二つ』
  • 高浜 虚子
    『虚子句集』
  • 富田 砕花
    『末日領』
  • 和辻 哲郎
    『ゼエレン・キェルケゴオル』
  • 河東 碧梧桐
    『日本の山水』
  • 河東 碧梧桐
    『新傾向句の研究』
  • 河東 碧梧桐
    『新傾向句集』
  • 石川 達三 10歳 東京の叔父石川六郎の家にあずけられるが、父再婚で再び高粱町へ。
  • 宇野 浩二 24歳 早稲田大学中退。初めての童話『揺籃の唄の思ひ出』発表。
  • 大佛 次郎 18歳 第一中学校卒業。第一高等学校第一部丁類(仏法科)入学。
  • 今 東光 17歳 春、1学期に諭旨退学になる。学校関係者の娘と恋愛事件をおこしたため。秋、城崎郡豊岡町の県立豊岡中学3年に編入されるが放校処分になる。暮れ、上京。
  • 佐多 稲子 11歳 10月、叔父・佐田秀美をたより一家をあげて上京。本所向島小梅町に住む。貧窮に陥ったため5年生の途中で通学をやめて、12月より和泉橋のキャラメル工場に通う。
  • 白鳥 省吾 25歳 新少年社の編輯主任となる。
  • 三好 達治 15歳 4月24日、三田の祖母の元でいっしょに育った妹・常が13歳で死去。9月、父の希望で中学を2年で中退、学費が官費の大阪陸軍地方幼年学校に入学。大阪からの受験者は50名、うち合格は2名だった。
  • 吉屋 信子 19歳 父が郡長を退職し、日本赤十字支部主事として宇都宮に転じたので一家も移転した。夏、宿願の上京を果たす。母の尽力で毛利邸内林氏方に下宿。自由に勉強を始めた。
  • 和辻 哲郎 26歳 6月、神奈川県藤沢町鵠沼に転居。
  • 直井 潔 0歳 4月1日、広島県広島市に生まれる。父・槌松、母・タマノ。
  • 有本 芳水 29歳 長男速雄誕生。
  • 木山 捷平 11歳 4月、新山小学校尋常科卒業。高等科に進む。
  • 木下 利玄 29歳 10月、「白樺」に掲載した作品が「アララギ」誌上で島木赤彦の賞賛を受ける。12月、二郎が逗子で死没。
  • 西東 三鬼 15歳 健康を回復し、4月、津山中学校を受験。2番の成績で合格する。文学書を濫読。
  • 上司 小剣 41歳 「読売新聞」編集局長となり、文芸部長、婦人部長を兼任。
  • 十一谷 義三郎 18歳 神戸第一中学校卒業。マッチ原料染料薬品商川西某家の小僧となる。家庭の状態は暗澹を極めた。
  • 五十嵐 播水 16歳 3月、姫路中学校卒業。9月、旧制第三高等学校入学。賀川豊彦、有島武郎、谷崎潤一郎などの本を濫読する。
  • 喜志 邦三 17歳 大阪府立堺中学卒業、早稲田大学高等予科入学。翌年英文学科第二部に入学。
  • 阿波野 青畝 16歳 「ホトトギス」を知り、大和郡山の中学教師原田浜人に師事する。
  • 野間 宏 0歳 2月23日、神戸市長田区に生まれる。父・野間卯一、母・まつゑ。父の転勤で横浜市、岡山県津山市、西宮市に移り住む。
  • 中村 憲吉 26歳 7月、東京帝国大学法科大学経済科を卒業。11月、帰郷して倉田静子と結婚。
  • 谷崎 潤一郎 29歳 石川千代と結婚。
  • 吉井 勇 29歳 3月、歌集『片恋』(籾山書店)刊行。4月、歌集『初恋』(籾山書店)刊行。11月、歌集『祇園歌集』(新潮社)刊行。
  • 三木 露風 26歳 7月、『幻の田園』(東雲堂書店)刊。
  • 河東 碧梧桐 42歳 「海紅」創刊。
  • 丸山 義二 12歳 誉田尋常高等小学校尋常科卒業。4月、兵庫県立龍野中学校入学。

時代背景

1916
【主な作品】
  • 白鳥 省吾
    『天葉詩集(白鳥天葉)』
  • 富田 砕花
    『民主主義の方へ』
  • 薄田 泣菫
    『茶話』
  • 阿部 知二 13歳 姫路中学に入学。
  • 一色 次郎 0歳 5月1日、沖永良部島で生まれる。父・元翠、母・ムメ。すぐに鹿児島市へ。
  • 宇野 浩二 25歳 『苦の世界』のモデルとなる伊沢きみ子と同棲。
  • 大佛 次郎 19歳 習作「一高ロマンス」を発表。
  • 梶井 基次郎 15歳 北野中学退学、メリヤス問屋の丁稚に。
  • 今 東光 18歳 母の義兄の家に下宿し画塾に通う。家は小石川茗荷谷の津軽伯爵邸内にあったが、小間使いと恋愛関係になり、家を出され下宿生活に入る。
  • 佐多 稲子 12歳 浅草の中華そば屋に目見得にでたあと、上野の料亭・清凌亭に奉公する。8月、叔父秀実心臓脚気で死去。
  • 白鳥 省吾 26歳 新少年社を辞す。
  • 富田 砕花 26歳 8月、北海道を放浪後函館のトラピスト修院に滞在。帰途秋田市に伯父・富田治助を見舞う。歌人・阿部辰雄の家に1ヶ月滞在。
  • 林 芙美子 13歳 広島県尾道市に移り住む。
  • 宮本 百合子 17歳 「中央公論」9月号に「貧しき人々の群」を発表。この年お茶の水高等女学校を卒業し、日本女子大学英文科予科に入学したが、一学期で中退。
  • 森 はな 7歳 養父郡大蔵小学校に入学。
  • 横光 利一 18歳 3月、三重県立第三中学校卒業。校友会の「会報」に、「夜の翅」「第五学年修学旅行記」が掲載される。4月、早稲田大学高等予科英文学科入学。友人との諍いにより神経衰弱を患い、父母の住む京都山科に。
  • 吉屋 信子 20歳 「少女画報」に『花物語』第1話「鈴蘭」を送ったところ採用され、7月号に掲載された。これがまた当時の女学生のうけるところとなり、それからは少女画報社の依頼で次々と回を重ね、大正14年(1925)ごろまでに52編を連載。
  • 石上 玄一郎 6歳 盛岡市に移る。
  • 坂本 遼 12歳 上東条小学校高等科入学。
  • 薄田 泣菫 39歳 大阪毎日夕刊に無署名のコラム『茶話』を連載開始。
  • 直井 潔 1歳 父が神戸の川崎造船所に就職したため、神戸市長田区へ転住。
  • 木山 捷平 12歳 4月、岡山県立矢掛中学校に入学。
  • 木下 利玄 30歳 夫人の健康と慰謝のため、旅行を計画し目白中学の教師を辞職。6月から西日本大旅行の旅に出る。城崎温泉には夏の三ヶ月間滞在した。12月から別府に仮寓する。
  • 津村 信夫 7歳 雲中尋常高等小学校に入学。テニス、相撲を好んだという。
  • 上司 小剣 42歳 名目のみの文芸部長となり、自宅で創作に専念する。
  • 十一谷 義三郎 19歳 神宮皇学館を受験するが、左肺運動不足のため落第。京都第三高等学校に入学。宗教への疑惑を深め、志を文学に転ずる。
  • 今 日出海 13歳 3月、諏訪山尋常高等小学校卒業。4月、神戸県立第一中学校に入学
  • 賀川 豊彦 28歳 プリンストン大学及びプリンストン神学校卒業。神学士の学位を受ける。翌年帰国。
  • 野溝 七生子 19歳 京都に出て、同志社女子校英文科に学ぶ。
  • 中村 憲吉 27歳 1月、上京して新居を構えるが、10月に帰郷して家務に就く。11月、第二歌集『林泉集』(アララギ発行所)刊行。
  • 谷崎 潤一郎 30歳 千代の妹・せい子を引き取り同居。
  • 山本 周五郎 13歳 西前小学校卒業。山本周五郎商店に徒弟として住み込む。
  • 吉井 勇 30歳 4月、歌集『黒髪集』(千章館)刊行。5月、歌集『未練』(阿蘭陀書房)、歌集『東京紅燈集』(新潮社)刊行。10月、歌物語集『明眸行』(天弦堂)、『俳諧亭句楽の死』(通一舎)刊行。
  • 神西 清 13歳 3月、下六番町小学校卒業。4月、府立第四中学校に入学。竹山道雄を知る。永井荷風や萩原朔太郎、シェキェヴィチなどを読んで文学に親しむ。
  • 森田 たま 22歳 精神的苦悩から立ち直り、慶應義塾学生森田七郎(実家は大阪の庄屋)と結婚。夫の家族の反対で文筆を断つ。
  • 田山 花袋 45歳 『時は過ぎゆく』を新潮社から刊行。
  • 白洲 正子 6歳 学習院女子部初等科入学。この年、梅若流(現在の観世流梅若派)の2代目梅若実に入門し、能を習い始める。
  • 丸山 義二 13歳 父熊太郎が急逝したため龍野中学を中退。母と二人で農業に従事する。
  • 藤井 重夫 0歳 2月10日、兵庫県豊岡市で生まれる。

時代背景

  • 尼崎市制施行
  • 明石海峡地震
1917
【主な作品】
  • 大佛 次郎
    『一高ロマンス』
  • 志賀 直哉
    『城の崎にて』
  • 宮本 百合子
    『貧しき人々の群』
  • 河東 碧梧桐
    『日本アルプス縦断記』
  • 河東 碧梧桐
    『碧梧桐は斯う云ふ』
  • 井伏 鱒二 19歳 上京、早稲田大学高等予科1年に編入学。
  • 宇野 浩二 26歳 蜻蛉館書店から文芸誌「処女文壇」創刊5号で廃刊。芥川龍之介と知り合う。きみ子と別れる。
  • 梶井 基次郎 16歳 北野中学4年生に再入学、肺結核の兆候現れる。
  • 今 東光 19歳 友人の画家・関根正二の紹介で東郷青児と交わる。又、生田長江の紹介で佐藤春夫を知り、さらに生涯の師となる谷崎潤一郎と出会う。
  • 島尾 敏雄 0歳 4月8日、横浜に生まれる。父・四郎、母・トシ。
  • 島崎 藤村 45歳 帰国、芝西久保桜川町の高等下宿風柳館に移る。こま子との関係が復活。
  • 白鳥 省吾 27歳 同人誌「詩と評論」主宰。萩原朔太郎と民衆詩等に関して論争。「詩話会」創設。
  • 竹中 郁 13歳 兵庫県立第二神戸中学校入学。小磯良平と出会う。
  • 富田 砕花 27歳 1月、芦屋を訪れ六甲山に登る。
  • 三木 清 20歳 京都帝国大学文学部哲学科に入学。
  • 宮本 百合子 18歳 「日は輝けり」「禰宜様宮田」を発表。『貧しき人々の群』刊行。
  • 三好 達治 17歳 末の妹・千代が2歳で死去。
  • 山口 誓子 16歳 京都に戻る。京都府立第一中学校に転校。
  • 横光 利一 19歳 1月、長期欠席により早稲田大学高等予科を除籍。7月、「文章世界」投稿欄に応募した「神馬」が佳作に。11月、「萬朝報」懸賞小説に応募した「犯罪」が当選。このときの筆名は横光白歩。
  • 吉川 英治 25歳 川柳仲間とともに関西旅行。京都では歓迎句会に出席。滋賀,京都,大阪,神戸,奈良,宇治に遊ぶ。
  • 吉屋 信子 21歳 兄・忠明が会社員となり、一人になった信子は四谷のバプテスト女子学寮に入舎し、玉成保母養成所に通学。
  • 石上 玄一郎 7歳 桜城小学校入学。
  • 有本 芳水 31歳 1月、『旅人』刊行。
  • 木下 利玄 31歳 4月から5月にかけ、北九州、南九州を旅した。6月、長女夏子誕生するが、12月に死没。夏子が死んでからは兵庫県武庫郡住吉村に移る。
  • 今 日出海 14歳 4月から病気のため一年間中学校を休学。神戸衛生病院に入院した。
  • 喜志 邦三 19歳 三木露風主宰第三次「未来」、「リズム」同人となる。
  • 富士 正晴 4歳 一家で朝鮮の平壌に移住。
  • 吉井 勇 31歳 1月、歌集『吉井勇集』(新潮社)刊行。4月、小説戯曲集『麻の葉書』(平和出版社)刊行。5月、『新譯伊勢物語』(阿蘭陀書房)刊行。7月、歌集『祇園双紙』(新潮社)刊行。
  • 永田 耕衣 17歳 兵庫県立工業高校卒業。三菱製紙所(現:三菱製紙高砂工場)入社。
  • 阪本 勝 18歳 3月、大阪府立北野中学校卒業。4月、仙台第二高等学校一部法文科英法に入学。
  • 田山 花袋 46歳 『一兵卒の銃殺』を春陽堂から刊行、文壇回想記『東京の三十年』を博文館から刊行。
  • 丸山 義二 14歳 龍野物産醤油会社に給仕としてつとめる。文学に関心を抱き、百姓をやめる決心をする。
  • 三宅 周太郎 25歳 在学中「三田文学」に「新聞劇評家に質す」を発表、評判となる。

時代背景

  • 神戸港第1突堤完成
1918
【主な作品】
  • 宮本 百合子
    『一つの芽生(新進作家叢書11)』
  • 和辻 哲郎
    『偶像再興』
  • 薄田 泣菫
    『後の茶話』
  • 河東 碧梧桐
    『新日本見物』
  • 河東 碧梧桐
    『いろは帖』
  • 円地 文子 13歳 日本女子付属高等女学校に入学。
  • 大佛 次郎 21歳 第一高等学校卒業。東京帝国大学法科大学政治学科入学。
  • 今 東光 20歳 文学活動の中で川端康成と出会う。モグリ学生として一高の講議を受けていたのもこの頃。
  • 佐多 稲子 14歳 兵庫県相生市の播磨造船所に再就職した父のもとに引き取られる。相生滞在中、「少女の友」や「女学世界」に田島イネ子の名で短文や短歌を投書、掲載されたこともある。
  • 椎名 麟三 7歳 大阪府立中大江尋常小学校入学。
  • 島崎 藤村 46歳 麻布飯倉片町に転居。姪との近親相姦を題材にした『新生』連載。
  • 富田 砕花 28歳 5月、飛騨に旅行。7月、高知新聞主催の講演会へ、四国山脈を縦断。横浜の鶴見に移っていた斎田家に病中の母を預けていた。
  • 林 芙美子 15歳 尾道市立高等女学校に入学。学費を得るため夜は帆布工場、夏は神戸で働く。
  • 宮本 百合子 19歳 5月、北海道にゆき父の知人の英国人バチェラー博士の家に滞在。8月までアイヌ村を歩き「風に乗って来るコロポックル」を執筆。9月、父とともにアメリカヘゆき、ニューヨークで第一次世界大戦終結をむかえる。
  • 三好 達治 18歳 7月、大阪陸軍地方幼年学校を卒業。9月、東京陸軍中央幼年学校本科に進学。
  • 横光 利一 20歳 3月、除籍となっていた早稲田大学高等予科に取消願を提出。4月、元級第一学年に入学。市外戸塚村松葉館に下宿する。「文章世界」に応募した作品3作が準佳作、4作が佳作となった。
  • 吉川 英治 26歳 父・直広、死去。
  • 吉屋 信子 22歳 バプテスト女子学寮を退寮し、神田の基督教女子青年会(YWCA)の寄宿舎に入った。
  • 和辻 哲郎 29歳 6月、東京市芝区三田綱町に転居。
  • 坂本 遼 14歳 兵庫県立小野中学校入学。
  • 有本 芳水 32歳 3月、『ふる郷』刊行。長女鈴子誕生。
  • 西東 三鬼 18歳 母登勢、スペイン風邪がもとで死去し、三鬼は東京の兄のもとに引き取られる。青山学院中学部に編入。
  • 今 日出海 15歳 4月、東京暁星中学校一年に入学。
  • 五十嵐 播水 19歳 京都帝国大学医学部に入学。
  • 賀川 豊彦 30歳 日本基督教会牧師となる。
  • 阿波野 青畝 19歳 スペイン風邪により長兄と末兄死去。八木銀行に勤務する。
  • 吉井 勇 32歳 3月、小品集『河霧』(春陽堂)刊行。5月、歌集『毒うつぎ』(南光書院)刊行。10月、歌集『鸚鵡石』(玄文社)刊行。12月、『西鶴一代女』(春陽堂)刊行。
  • 森田 たま 24歳 長女麗子誕生。
  • 田山 花袋 47歳 『花袋歌集』を春陽堂から刊行。
  • 頴田島 一二郎 17歳 京城中卒業。
  • 三宅 周太郎 26歳 慶応義塾大学卒業。

時代背景

  • 但馬大出水
  • 淡路風水害
  • 摂津紡績と尼崎紡績合併し大日本紡績となる
  • 米騒動おこり,県下各地にも波及
  • 友愛会神戸連合会設立
1919
【主な作品】
  • 宇野 浩二
    『蔵の中』
  • 白鳥 省吾
    『大地の愛』
  • 白鳥 省吾
    『民主的文芸の先駆』
  • 富田 砕花
    『地の子』
  • 富田 砕花
    『草の葉 ?』
  • 和辻 哲郎
    『古寺巡礼』
  • 薄田 泣菫
    『新茶話』
  • 河東 碧梧桐
    『我等の句境(共著)』
  • 河東 碧梧桐
    『支那に遊びて』
  • 石川 達三 14歳 高粱中学に入学。
  • 一色 次郎 3歳 父・元翠死去。
  • 井伏 鱒二 21歳 早稲田大学文学科仏文学専攻科1年に進級。
  • 宇野 浩二 28歳 『蔵の中』『苦の世界』で文壇デビュー。伊沢きみ子自殺。
  • 大佛 次郎 22歳 新劇運動に参加。
  • 梶井 基次郎 18歳 北野中学卒業、第三高等学校理科甲類入学。
  • 佐多 稲子 15歳 料亭で芥川龍之介、菊池寛、久米正雄らと顔見知りになる。
  • 佐多 稲子 15歳 東京に残った祖母を助けるため、父のもとを離れて上京。上野の料亭・清凌亭の座敷女中となる。
  • 椎名 麟三 8歳 曾佐村に戻り、母子家庭で育つ。村立曾佐尋常高等小学校入学。
  • 島崎 藤村 47歳 告白小説『新生』を発表し、作家的危機を乗り越える。
  • 白鳥 省吾 29歳 ホイットマンの翻訳詩集刊行。
  • 富田 砕花 29歳 東京芦屋田島家間の往復が多くなる。4月、鎌倉に有島武郎を訪問。6月、大鐙閣に勤務。9月1日、母・せき死去。9月21日、大鐙閣を辞任。上州に旅行。京都の等持院にこもる。
  • 宮本 百合子 20歳 コロンビア大学聴講生となる。10月、ニューヨークで荒木茂(古代東洋語研究家)と結婚。「美しき月夜」「渋谷家の始祖」を執筆。12月単身帰国。
  • 三好 達治 19歳 幼年学校本科の課程を終え、士官候補生として北朝鮮会寧の工兵第19大隊に赴任。8月暑中休暇の際、国府津から出発して西にむかい、途中富士登山、ついに彦根まで歩きとおした。
  • 山口 誓子 18歳 第三高等学校文科乙類に入学。
  • 湯川 秀樹 12歳 京極尋常小学校を卒業、京都府立第一中学校に入学。
  • 横光 利一 21歳 「文章世界」に応募した「火」が佳作。佐藤一英を通じ菊池寛を知る。級友の妹・小島キミを知る。
  • 吉屋 信子 23歳 YWCAの寄宿舎で同室の友菊池ゆきえが大阪朝日新聞の長編懸賞小説の応募を勧める。療養のため札幌に帰る菊池ゆきえに同行して北海道に渡り、3ヶ月かけて『地の果まで』を制作。7月脱稿直後、宇都宮の父危篤の報せに兄と急行したが31日死去。
  • 有本 芳水 33歳 1月、長男速雄死去。6月、詩歌集『悲しき笛』を速雄への手向けに出版する。8月号を以て「日本少年」を退き、「実業之日本」に移る。
  • 木山 捷平 15歳 この頃から文学に目覚め、両親に隠れて文芸雑誌などを読み始める。
  • 木下 利玄 33歳 1月、鎌倉に移転。7月、第二歌集『紅玉』刊行。11月、夫人を伴い関西旅行。
  • 浅見 淵 20歳 早稲田大学高等予科に入学。
  • 十一谷 義三郎 22歳 東京帝国大学英文科に入学。在学中、三宅幾太郎らと同人雑誌「行路」を創刊。
  • 喜志 邦三 21歳 早稲田大学卒業。9月に大阪時事新報社入社。
  • 稲垣 足穂 20歳 関西学院普通部卒業。羽田にあった日本自動車学校で甲種免許証を取得後、神戸で複葉機を制作した。
  • 阿波野 青畝 20歳 高浜虚子が写生に傾斜し過ぎているとの抗議文を送る。虚子からの返書に感激し、写生の練磨に努める。
  • 富士 正晴 6歳 4月、平壌・山手小学校に入学。
  • 吉井 勇 33歳 1月、小村欣一、長崎英造、大島直通、小山内薫、久保田万太郎、里見?、久米正雄、長田秀雄らとともに、演劇革新を目的とする国民文藝会を創立。自歌自釈『草珊瑚』(東雲堂)刊行。7月、歌集『旅情』(新潮社)刊行。11月、里見?、久米正雄、田中純らとともに雑誌「人間」
  • 武田 繁太郎 0歳 兵庫県神戸市に生まれる。
  • 金子 兜太 0歳 9月23日、埼玉県小川町に生まれる。父元春(俳人、俳号は伊昔紅)、母はる。
  • 阪本 勝 20歳 北海道トラピスト修道院に客員として1ヶ月間滞留。
  • 河東 碧梧桐 46歳 芦屋に転居。大正日日新聞社会部長となる。
  • 丸山 義二 16歳 鶏籠(けいろう)詩社を結成。10月に雑誌「鶏籠」創刊。
1920
【主な作品】
  • 宇野 浩二
    『苦の世界』
  • 白鳥 省吾
    『幻の日に』
  • 富田 砕花
    『カアペンタア詩集』
  • 富田 砕花
    『草の葉 ?』
  • 和辻 哲郎
    『日本古代文化』
  • 賀川 豊彦
    『死線を越えて』
  • 足立 巻一 7歳 祖母・ヒデ死亡。以後祖父と東京、長崎を放浪。
  • 阿部 知二 17歳 名古屋の第八高等学校文科甲類に入学。兄公平や今中楓渓の指導のもと、短歌に熱中する。
  • 井上 靖 13歳 祖母・かの死去。浜松師範付属小学校高等科に入学。
  • 宇野 浩二 29歳 下諏訪で知り合った芸妓村田キヌと結婚。
  • 梶井 基次郎 19歳 三重県北牟婁郡の姉夫婦の許へ転地療養。肺尖カタルの診断。
  • 梶井 基次郎 19歳 帰阪後復学して寄宿舎へ。
  • 今 東光 22歳 谷崎潤一郎が「大正活動写真会社」の顧問となり、その名目上の秘書として出入りする。
  • 佐多 稲子 16歳 日本橋丸善書店洋品部の女店員となる。
  • 獅子 文六 27歳 8月、母が死去。弟がすでに商大を卒業し就職していたため、文学で身を立てる決心を固める。
  • 白鳥 省吾 30歳 『露西亜評論』の編集委員となる。長谷秀子と結婚。
  • 富田 砕花 30歳 7月、山口昇と北アルプス縦走。8月、盛岡へ。「詩話会」委員に公選。9月、「大阪朝日」ほかに田島マチと結婚の短信が出た。12月、日光菅沼へ嘉治隆一等と山行。
  • 深尾 須磨子 32歳 鉄道省技師として勤務中の夫と死別。夫の遺稿、詩集「天の鍵」の出版について与謝野晶子の知遇を得、第2期「明星」を経て詩の道に専念、精進する。
  • 三木 清 23歳 京都帝大卒業.教育召集を受ける。
  • 宮本 百合子 21歳 4月、荒木茂帰国し、百合子の実家に同居す。9月、駒込片町に家をもつ。
  • 三好 達治 20歳 4月、北朝鮮会寧に赴任。9月、帰国後、士官学校入学前に大分県出身の学友渡辺重治と阿蘇山に登る。10月、陸軍士官学校(第34期)に入学。休暇外出中は図書館に通った。
  • 山口 誓子 19歳 「京大三高俳句会」出席、誓子の号を使う。
  • 横光 利一 22歳 佐藤一英宛書簡にキミの名が頻出。9月、小石川区初音町の初音館に下宿を移る。
  • 吉川 英治 28歳 秋、大連に渡る。
  • 吉屋 信子 24歳 父の一周忌をすませて母や弟と共に上京、巣鴨にいた長兄貞一の家に合流。元旦から大阪朝日に『地の果て迄』が連載された。
  • 和辻 哲郎 31歳 5月、東洋大学教授就任。
  • 菊田 一夫 12歳 神戸元町に移り住む。
  • 有本 芳水 34歳 二男実誕生。
  • 木山 捷平 16歳 3月、矢掛中学校卒業。早稲田大学文科に入学を希望したが、父の反対にあい、その命じるままに姫路師範学校第二部に入学した。主に詩作を続ける。
  • 西東 三鬼 20歳 青山学院中学部卒業。同高等部に進学。9月に同校を中退。
  • 上司 小剣 46歳 読売新聞社を退社。
  • 五十嵐 播水 21歳 2月、高浜虚子歓迎京大三高俳句会に出席。それを機会に高浜虚子に師事して句作を始める。この頃、山口誓子を知る。この年の終わりに句誌「京鹿子」が創刊され、2号から同人となる。
  • 菊池 幽芳 50歳 大阪毎日新聞編集顧問となる。
  • 喜志 邦三 22歳 大阪基督教青年会附設外国語学校独逸文科入学。
  • 賀川 豊彦 32歳 『死線を越えて』刊行。
  • 中村 憲吉 31歳 4月、兵庫県西宮市に居を定める。
  • 谷崎 潤一郎 34歳 新設立の映画会社「大正活映」の脚本部顧問となる。
  • 吉井 勇 34歳 8月、歌集『河原蓬』(春陽堂)刊行。
  • 神西 清 17歳 3月、府立第四中学校修了。9月、第一高等学校理科甲類に入学。寮生活で堀辰雄を知る。入学当時は建築家を志望するが、理科の勉強に興味を失い、フランス象徴詩派の作品を読み、フランス語の独習を始める。
  • 永田 耕衣 20歳 赤坂ユキヱと結婚。毎日新聞兵庫県付録の俳句欄(岩木躑躅選)に投句を始める。
  • 三木 露風 31歳 5月、講師としてトラピスト修道院に赴任。11月、『蘆間の幻影』(新潮社)刊。
  • 阪本 勝 21歳 3月、第二高等学校卒業後、東京へ。4月、東京帝国大学経済学部に入学。
  • 田山 花袋 49歳 徳田秋声とともに生誕五十年祝賀会が開かれた。
  • 河東 碧梧桐 47歳 大正日日新聞社解散。欧州旅行出発。
  • 伊藤 貴麿 27歳 早稲田大学英文学科卒業。

時代背景

  • 東洋一の神戸海洋気象台完成
  • 阪急電鉄(1907年設立)梅田―神戸間開業
1921
【主な作品】
  • 白鳥 省吾
    『楽園の途上』
  • 白鳥 省吾
    『詩に徹する道』
  • 白鳥 省吾
    『憧憬の丘』
  • 富田 砕花
    『富田砕花詩集』
  • 賀川 豊彦
    『太陽を射るもの』
  • 足立 巻一 8歳 祖父・清三死亡。長崎の遠縁に転々として養われる。
  • 足立 巻一 9歳 神戸の母の兄の家で養われることになる。伯父は生田神社の東門を出た道に面す「とらや」という薬局を営んでいた。諏訪山小学校2年に編入。再婚の母も戻り同居。
  • 井上 靖 14歳 4月、静岡県立浜松第一中学校に首席で入学。
  • 井伏 鱒二 23歳 日本美術学校入学。
  • 大岡 昇平 12歳 青山学院中等部入学。
  • 大佛 次郎 24歳 原田登里と結婚。東大卒業.鎌倉に転居。女学校の教師になる。同人誌「潜在」創刊。
  • 梶井 基次郎 20歳 京都市に下宿、「頽廃的生活」を送る。
  • 今 東光 23歳 川端康成らと第六次「新思潮」を創刊。
  • 白鳥 省吾 31歳 第2次「種蒔く人」に参加。
  • 竹中 郁 17歳 落第し、2回目の第4学年を繰り返す。4月より詩を書き始める。
  • 富田 砕花 31歳 10月、中国に行く。11月、芦屋に定住。
  • 林 芙美子 18歳 秋沼洋子のペンネームで「山陽日日新聞」や「備後時事新報」に投稿。『土の香』『廃園の夕』『カナリヤの歌』『命の酒』が掲載される。
  • 三好 達治 21歳 8月暑中休暇で大阪に帰省した際、実家の苦しい生活を見て9月、中退を決意。出張を機に北海道の学友の実家に逗留、学友に連れ戻され、2ヶ月間営倉に入れられた後、11月、陸軍士官学枚を中途退学処分に(当時自発退学をするにはこの方法しかなかった)。家業の再建を図る。
  • 山口 誓子 20歳 「ホトトギス」初当選、「京鹿子」同人。
  • 横光 利一 23歳 1月、「時事新報」の懸賞短篇小説に応募した「踊見」(のち「父」と改題)が選外2等に。筆名は兼光左馬。4月、早稲田大学専門部政治経済科に転入。6月、同人雑誌「街」を創刊。「街」は第2号で廃刊。11月、菊池寛宅で川端康成を知り、親交を深める。12月、長期欠席等の理由で早稲田大学を除籍となる。
  • 吉川 英治 29歳 母急病の報に急ぎ帰国。母・いく、死去。懸賞小説3作が入選。その年の暮れ、東京毎夕新聞社に入社。
  • 吉屋 信子 25歳 4月、兄・忠明が北海道から東京の本社に移り、大森西沼に居を構えて母や信子らを迎えた。この夏、岡本かの子に再開。かの子が信子の家を訪れたりして交際が始まった。
  • 和辻 哲郎 32歳 3月、東京市外千駄ヶ谷町に転居。6月、長男・夏彦誕生。このころより岩波書店の雑誌「思想」の編集に参加。また、数年間、露伴から俳諧の指導を受けた。
  • 小峰 元 0歳 3月4日神戸市に生まれる。
  • 直井 潔 6歳 東須磨小学校入学。
  • 有本 芳水 35歳 5月、『海の国』刊行。
  • 西東 三鬼 21歳 4月、日本歯科医学専門学校入学。乗馬部に入部。
  • 庄野 潤三 0歳 2月9日、大阪府東成郡住吉村(現:大阪市住吉区帝塚山)に父貞一、母春慧の三男として生まれる。父は教育者で帝塚山学院の創立者。
  • 菊池 幽芳 51歳 毎日新聞勤続三十年の表彰を受ける。
  • 賀川 豊彦 33歳 川崎、三菱造船所労働争議の指揮をとる。7月、川崎争議団本部が警官隊に襲われ、検束される。
  • 稲垣 足穂 22歳 「一千一秒物語」の前身となる作品を佐藤春夫に送り、認められる。佐藤春夫の勧めで上京。
  • 野溝 七生子 24歳 上京し、東洋大学に新設の専門学部文化学科(西洋哲学)に入学。
  • 野間 宏 6歳 4月、西宮市今津小学校に入学。
  • 富士 正晴 8歳 帰国後、神戸に住む。東須磨小学校3年に編入。
  • 中村 憲吉 32歳 11月、大阪毎日新聞社に入社、経済部記者となる。
  • 吉井 勇 35歳 4月、戯曲集『生霊』(日本評論社)刊行。5月、柳原義光の次女・徳子と結婚。6月、雑誌「人間」が廃刊。8月、戯曲集『髑髏舞』(新潮社)刊行。
  • 森田 たま 27歳 長男信誕生。
  • 三木 露風 32歳 12月、童話集『真珠島』(アルス)刊。
  • 頴田島 一二郎 20歳 小泉苳三に師事。
  • 丸山 義二 18歳 3月、「鶏籠」が13号で終刊。12月に上京し、海軍大佐の家に住み込み書生として働く。

時代背景

  • 日本最初のメーデー
  • 但馬水害
  • 川崎・三菱両造船所で大争議おこる
1922
【主な作品】
  • 宇野 浩二
    『山恋ひ』
  • 志賀 直哉
    『暗夜行路 前篇』
  • 獅子 文六
    『南の風』
  • 白鳥 省吾
    『若き郷愁』
  • 白鳥 省吾
    『愛慕』
  • 白鳥 省吾
    『共生の旗』
  • 富田 砕花
    『「時代」の手』
  • 富田 砕花
    『開放の藝術』
  • 深尾 須磨子
    『真紅の溜息』
  • 石川 達三 17歳 岡山市に転居、関西中学4年に編入。
  • 井上 靖 15歳 静岡県立沼津中学校に転校。親戚の家に下宿する。
  • 井伏 鱒二 24歳 早稲田退学。
  • 円地 文子 17歳 4年修了とともに中退し、個人教授を受ける。
  • 大佛 次郎 25歳 外務省条約局嘱託となる。
  • 梶井 基次郎 21歳 第三高等学校演劇研究会に入る。放蕩を両親に告白し、謹慎生活に入る。
  • 佐多 稲子 18歳 生田春月主宰の「詩と人生」の準同人となり、夜思美という筆名で詩を書く。
  • 獅子 文六 29歳 3月、父の遺産を留学費にあて、フランスに渡る。パリに滞在し演劇に関心を寄せる。
  • 白鳥 省吾 32歳 共編『日本社会詩人詩集』発売禁止になる。「森林帯」をきっかけに北原白秋と散文詩等に関して論争。
  • 富田 砕花 32歳 9月、声楽家照井栄三と組み詩と音楽、朗読の会を大阪で開く。12月、関西学院大学でアイルランド文学を講義。
  • 林 芙美子 19歳 『放浪記』のモデルとなる岡野軍一を頼り上京。岡野の卒業を待つが破局。
  • 三木 清 25歳 ドイツ・ハイデルベルク留学。
  • 宮本 百合子 23歳 3月、野上弥生子をはじめて訪問。7月、ロシア飢饉救済婦人有志会の発起人となる。
  • 三好 達治 22歳 4月、第三高等学枝(京都)文科丙類に入学。家業の再建ができず、父親との意見も合わなかったので学資は卒業まで神戸在住の叔母・藤井サト(祖母・タミの娘)に頼った。同級の桑原武夫,丸山薫,貝塚茂樹等と親交を結ぶ。上級に梶井基次郎,外村繁,河盛好蔵,吉州幸次郎ら。
  • 山口 誓子 21歳 3月、初めて虚子に会う。東京帝国大学法学部法律学科に入学。
  • 山田 風太郎 0歳 1月4日、兵庫県養父郡関宮町関宮に生れる。父系母系いずれも医家。本名は誠也。
  • 横光 利一 24歳 同人雑誌「塔」を創刊。8月第2号で廃刊。8月29日、父・梅次郎、仕事先の朝鮮京城府黄金町で死去。9月、兵庫県神戸市西灘村鍛冶屋中村嘉市方に滞在。
  • 吉川 英治 30歳 4月、社命により、「親鸞記」を連載する。
  • 吉屋 信子 26歳 夏、本郷林町の家に移り、兄・忠明夫妻,母,弟等と住んだ。前年の『海の極みまで』が初めて映画化され、舞台に上演され。このころ国民新聞社の婦人記者だった山高しげりと出会い親しく交わる。
  • 和辻 哲郎 33歳 4月より、法政大学,慶応義塾大学,女子英学塾(現:津田塾大学)でも教鞭をとる。
  • 木下 利玄 36歳 三男、利福誕生。春、肺結核を発病し、病臥の日々が続く。
  • 津村 信夫 13歳 神戸第一中学校に入学。陸上競技部の選手をつとめた。
  • 十一谷 義三郎 25歳 東京帝国大学卒業。東京府立第一中学校に英語教師として赴任。
  • 今 日出海 19歳 浦和高等学校文科丙類に入学。
  • 喜志 邦三 24歳 大阪基督教青年会附設外国語学校独逸文科修了。
  • 賀川 豊彦 34歳 1月、「雲の柱」創刊。
  • 永田 耕衣 22歳 長男正誕生。岩木躑躅を訪問するようになる。
  • 河東 碧梧桐 49歳 ヨーロッパからアメリカを経て帰国。上京。中央新聞社編集顧問・社会部長となる。
  • 水木 しげる 0歳 3月8日、父亮一、母琴江の二男として鳥取県境港に生まれる。
  • 三浦 綾子 0歳 4月25日、北海道旭川市に生まれる。父・堀田鉄治、母・キサ。
  • 元永 定正 0歳 三重県上野市に生まれる。
  • 内田 百? 33歳 短編集「冥途」を刊行。
  • 丸山 義二 19歳 同窓の長谷川規矩雄、山崎剛平を頼って高田馬場に移る。神田の外語学校に通ってドイツ語を学ぶ。
  • 藤井 重夫 6歳 4月、豊岡尋常小学校に入学。
  • 三宅 周太郎 30歳 『演劇往来』を刊行。

時代背景

  • 県議会議事堂竣工式
  • 皇太子殿下(昭和天皇)淡路御訪問
1923
【主な作品】
  • 白鳥 省吾
    『青春の地へ』
  • 白鳥 省吾
    『日時計』
  • 横光 利一
    『蠅』
  • 十一谷 義三郎
    『静物』
  • 稲垣 足穂
    『一千一秒物語』
  • 河東 碧梧桐
    『八年間』
  • 泉 鏡花 50歳 9月、関東大震災に遭い露宿二昼夜にわたる。
  • 遠藤 周作 0歳 3月27日、東京市巣鴨で父・常久、母・郁(郁子)の次男として出生。2歳年上の兄正介との2人兄弟。
  • 今 東光 25歳 菊池寛、川端康成らと「文藝春秋」を創刊。
  • 獅子 文六 30歳 純演劇の研究を始める。マリー・ショウミイと恋愛。
  • 竹中 郁 19歳 「詩と音楽」新年号にて“新進11人集”のひとりに推薦され、詩4篇が掲載される。関西学院文学部英文科に入学。
  • 富田 砕花 33歳 信州福島自由大学でアイルランド文学を講義。7月、嘉治隆一、松本重治と剣岳へ山行途中松本が負傷し介抱をする。9月、関東大震災直後「大阪朝日」の特派員となり海路横浜に直行、震災の惨事を紙面に載せる。加藤一夫が東京から砕花を頼って来芦、現在の竹園町の借家を世話をする。
  • 林 芙美子 20歳 尾道に帰り、「歌日記」と題する日記を書き始める。(後の『放浪記』)
  • 湯川 秀樹 16歳 京都第一中学校四年修了、第三高等学校に入学。
  • 横光 利一 25歳 2月、川端康成らと共に「文藝春秋」の編集同人に。5月、「日輪」「蠅」を発表、文壇に登場する。9月1日、関東大震災、小石川区餌差町野村初太郎方に転居。小島キミと同棲する。
  • 吉川 英治 31歳 最初の妻・赤沢やすと結婚。9月、関東大震災遭遇を機に文学に専念する決意を固める。
  • 吉屋 信子 27歳 1月、山高しげりに門馬千代を紹介される。
  • 石上 玄一郎 13歳 盛岡中学入学。
  • 大谷 晃一 0歳 11月25日、大阪市に生まれる。
  • 坂本 遼 19歳 関西学院英文科入学。
  • 木山 捷平 19歳 4月、出石小学校に勤務。詩作に専念。
  • 木下 利玄 37歳 9月、関東大震災のため、「白樺」8月号をもって廃刊した。
  • 十一谷 義三郎 26歳 短編集『静物』刊行。
  • 五十嵐 播水 24歳 京都帝国大学医学部卒業。内科を専門に選ぶ。松尾内科に入り、京都病院に勤務。
  • 賀川 豊彦 35歳 9月、関東大震災救援のため東京へ向かう。
  • 稲垣 足穂 24歳 『一千一秒物語』刊行。
  • 阿波野 青畝 24歳 阿波野貞と結婚、改姓する。大阪市西区に居を構える。
  • 中村 憲吉 34歳 9月、関東大震災。11月、京都へ行き桂離宮、修学院離宮を拝観。
  • 谷崎 潤一郎 37歳 関東大震災。京都、兵庫に避難転居。
  • 若杉 慧  20歳 広島師範学校本科卒業。
  • 山本 周五郎 20歳 神戸市須磨区に住み、「夜の神戸社」へ編集記者として就職。
  • 山本 周五郎 20歳 9月、関東大震災により山本商店は被災し、一旦解散となる。神戸市須磨区に住み、「夜の神戸社」へ編集記者として就職。
  • 吉井 勇 37歳 7月、戯曲集『杯』(玄文社)刊行。
  • 森田 たま 29歳 関東大震災で大阪に疎開。
  • 岡部 伊都子 0歳 3月6日、大阪市西区に生まれる。父・岡部次三郎、母・ヨネ。
  • 三木 露風 34歳 関東大震災で親戚・友人を見舞に上京。
  • 阪本 勝 24歳 3月、東京帝国大学経済学部卒業。後藤那緒と結婚。4月、福島中学校の英語教師に赴任。
  • 田山 花袋 52歳 4月から6月まで満州、朝鮮に旅行。
  • 河東 碧梧桐 50歳 個人雑誌「碧」創刊(~1925)。
  • 伊藤 貴麿 30歳 「赤い鳥」に「水面亭の仙人」を発表。
  • 丸山 義二 20歳 9月1日、関東大震災を体験する。実家から東京に戻った日の出来事だった。
  • 三宅 周太郎 31歳 大阪毎日新聞に入社。
  • 上田 三四二 0歳 7月21日兵庫県加東郡市場村字樫山(現小野市樫山町)に生まれる。

時代背景

  • 白木屋神戸店開業
  • 明姫線電車開業
1924
【主な作品】
  • 宇野 浩二
    『子を貸し屋』
  • 白鳥 省吾
    『現代詩の研究』
  • 富田 砕花
    『登高行』
  • 賀川 豊彦
    『壁の声きく時』
  • 阿部 知二 21歳 東京帝国大学英文科に入学。主にイギリス19世紀浪漫主義の詩人(バイロンなど)に興味を持つ。
  • 大佛 次郎 27歳 大佛次郎の筆名を初めて用い『隼の源次』を執筆。 鞍馬天狗第1作『鬼面の老女』発表。
  • 梶井 基次郎 23歳 上京。東京帝大文学部英文科入学。
  • 黒岩 重吾 0歳 2月25日、大阪市此花区安治川六軒町に生まれる。父・大助、母・友。
  • 今 東光 26歳 川端康成、横光利一らと「文芸時代」を創刊。これにより新感覚派を起こす。又、ドストエフスキー著「流人の家」を翻訳、春陽堂より刊行。
  • 佐多 稲子 20歳 4月、慶応大学の学生で資産家であった小堀槐三と結婚。蒲田に住む。
  • 椎名 麟三 13歳 県立姫路中学校入学。
  • 島尾 敏雄 7歳 横浜尋常小学校入学。
  • 陳 舜臣 0歳 神戸市に生まれる。本籍、兵庫県。
  • 富田 砕花 34歳 8月、中国東北地区旅行。
  • 宮本 百合子 25歳 春、湯浅芳子を知る。「伸子」をかきはじめる。秋、荒木と離婚。
  • 森 はな 15歳 明石女子師範学校に入学。
  • 横光 利一 26歳 5月、初作品集『日輪』(春陽堂)、『御身』(金星堂)が刊行。7月、「われわれは既成文壇を如何に見るか―絶望を与へたる者」を発表。本籍地(九州)へ兵役点呼に赴く。のち一時大津市鹿関町田村方へ移住。10月、川端康成・今東光・中河与一らと共に同人となり「文藝時代」(金星堂)を創刊。「頭ならびに腹」を発表、これを評した千葉亀雄により<新感覚派>と称されるように。11月、「文藝春秋」に掲載の「文壇諸家価値調査表」に憤り、一時菊池寛と疎遠になる。
  • 吉川 英治 32歳 講談社の諸雑誌に19ものペンネームを使用して作品を発表。
  • 吉屋 信子 28歳 1月、千代がしばらく下関高女で教えることになり、信子も下関に同行、壇ノ浦のあたりなど見物。やがて信子は1人帰京。大森不入斗に母と家を持った。この頃同じ大森の馬込に尾崎士郎と住んでいた宇野千代と親しくなり往来した。
  • 和辻 哲郎 35歳 3月、東京市外中野町桐ヶ谷に転居。4月、法政大学文学部主任教授就任。
  • 木下 利玄 38歳 4月、雑誌「日光」が創刊され、北原白秋、釈迢空、前田夕暮、土岐善麿、川田順らと同人として参加。12月、第三歌集『一路』を刊行。
  • 内海 信之 40歳 『高人犬養木堂』刊行。
  • 浅見 淵 25歳 大石みさ於と結婚。
  • 十一谷 義三郎 27歳 文化学院英語英文学主任となる。横光利一、川端康成、今東光らと「文藝時代」の同人となる。
  • 五十嵐 播水 25歳 12月、後藤八重子と結婚。
  • 菊池 幽芳 54歳 大阪毎日新聞取締役に就任。
  • 阿波野 青畝 25歳 「ホトトギス」の課題句選者になる。
  • 野溝 七生子 27歳 3月、東洋大学文化学科を卒業。引き続き研究生としてドイツ文学を専攻。9月9日より「福岡日日新聞」文芸欄に『山梔』が連載され、好評を博す。
  • 中村 憲吉 35歳 5月、はじめて震災後の東京を見る。7月、第三歌集『しがらみ』(岩波書店)刊行。
  • 山本 周五郎 21歳 神戸生活を切り上げて再上京。
  • 三木 露風 35歳 6月、トラピスト修道院を辞して上京。
  • 阪本 勝 25歳 3月、福島中学校を退職、尼崎へ帰来。4月、大阪毎日新聞社入社、学芸部記者となる。
  • 田山 花袋 53歳 『源義朝』を金星堂から刊行。
  • 白洲 正子 14歳 女人禁制の能の舞台に、史上初めて女性として立ち、「土蜘蛛」を舞う。学習院女子部初等科(中期)を修了。9月渡米、ニュージャージー州ハートリッジスクールに入学。この頃、 『平家物語』『枕草子』などの古典文学に親しむ。
  • 河合 雅雄 0歳 1月2日に生まれる。
  • 伊藤 貴麿 31歳 短編集「カステラ」を発表。
  • 三宅 周太郎 32歳 東京へ転任。

時代背景

  • 宝塚大歌劇場竣工開演
  • 甲子園球場開場
  • 孫文「大アジア主義」講演
  • 第2次護憲運動おこる(政党政治時代となる)
1925
【主な作品】
  • 大佛 次郎
    『幕末秘史 鞍馬天狗』
  • 白鳥 省吾
    『蒼空を見る』
  • 白鳥 省吾
    『春の扉』
  • 深尾 須磨子
    『班猫』
  • 深尾 須磨子
    『呪詛』
  • 十一谷 義三郎
    『青草』
  • 稲垣 足穂
    『鼻眼鏡』
  • 谷崎 潤一郎
    『痴人の愛』
  • 河東 碧梧桐
    『子規之第一歩』
  • 阿部 知二 22歳 東京帝大文芸部の機関紙「朱門」創刊号に、処女作「化生」を発表。
  • 石川 達三 20歳 上京、早稲田大学第二高等学院に入学。同人誌「薔薇盗人」発行。
  • 大岡 昇平 16歳 成城第二中学に編入。
  • 梶井 基次郎 24歳 演劇研究会の仲間らと同人誌「青空」創刊。
  • 今 東光 27歳 『痩せた花嫁』(創作集)を刊行。新聞・文芸誌等で積極的に作品を発表する。
  • 佐多 稲子 21歳 2月、陰惨な結婚生活に疲れ、夫とともに自殺を計るが、一命をとりとめる。兵庫県相生町の父のもとにつれ戻され、6月長女葉子を出産。以後、小堀家には帰らず事実上離婚となる。
  • 獅子 文六 32歳 6月、マリー・ショウミイと帰国。8月、長女・巴絵が生まれた。翌年、演劇関係の仕事をもち、印税を得るが家計の大半はマリーのフランス語教師の報酬だった。
  • 島尾 敏雄 8歳 兵庫県武庫郡西灘村に転居。西灘第二尋常小学校転入。
  • 竹中 郁 21歳 「羅針」「射手」を創刊。
  • 富田 砕花 35歳 信州八海自由大学でアイルランド文学を講義。8月、藤木九三と共に北穂高、滝谷初登攀に挑戦、負傷する。
  • 深尾 須磨子 37歳 渡欧。(~1928)
  • 宮本 百合子 26歳 3月、小石川区高田老松町に湯浅とともに暮し「伸子」をかきつづける。
  • 三好 達治 25歳 3月、第三高等学校卒業。4月、東京帝国大学文学部仏文科に入学。同級に、小林秀推,中島健蔵,今日出海,淀野隆三等がいた。国文科在籍の堀辰雄も知る。三高出身の東大生、梶井基次郎,中谷孝雄らにより同人雑誌「青空」創刊。
  • 森 はな 16歳 父が死去。
  • 山口 誓子 24歳 この頃芦屋で病気療養。
  • 横光 利一 27歳 1月27日、母・こぎく死去。10月、キミの病状が悪化。療養のため神奈川県葉山町森戸鈴木三蔵方に移住。『日輪』の映画化、上映。後、「国体を誤解させる」として上映禁止(昭和2年改題、一部カットして再上映)。
  • 吉川 英治 33歳 講談社「キング」創刊に場を与えられ、「剣難女難」を連載、好評を博す。筆名“吉川英治”を初めて使用。
  • 吉屋 信子 29歳 1月、前年『花物語』を出版した交蘭社のすすめで個人雑誌「黒薔薇」を創刊。8月、8号まで続く。3月、千代帰京。「少女世界」以来旧知の沼田笠峰が校長をしていた頌栄高女に就職。
  • 和辻 哲郎 36歳 3月、京都帝国大学文学部講師となる。京都市左京区鹿ヶ谷に転居、8月若王子に移る。7月、京都帝国大学助教授に就任、倫理学担当。
  • 坂本 遼 21歳 「銅鑼」同人参加。
  • 有本 芳水 39歳 三男忠誕生。
  • 木山 捷平 21歳 4月、上京して東洋大学文化学科に入学。赤松月船主宰の同人誌「朝」の同人となる。月船の紹介で「万朝報」に詩を発表し、初めて原稿料を得た。
  • 木下 利玄 39歳 病床で作歌と自選作業の仕事を続けていたため全身が衰弱し、2月15日死去。没後の5月、自選歌集『立春』、7月、改訂版『紅玉』、12月、『李青集』がそれぞれ刊行された。
  • 浅見 淵 26歳 同人雑誌「朝」に参加。六甲山を舞台とする短編「山」を発表。
  • 赤尾 兜子 0歳 2月28日、兵庫県揖保郡網干町に父常治、母とよの二男として生まれる。本名赤尾俊郎。家業は材木問屋。
  • 西東 三鬼 25歳 3月、日本歯科医学専門学校卒業。上原重子と結婚。歯科医を開業するべく妻を伴いシンガポールに渡る。昼はゴルフ、夜は友人と交遊という生活を送り、歯科医院は開店休業状態だった。日本から古典文学書を取り寄せて読み耽る。
  • 今 日出海 22歳 浦和高等学校卒業、東京帝国大学文学部仏文科に入学。
  • 五十嵐 播水 26歳 神戸市立診療所(昭和)に内科副医長として赴任。
  • 喜志 邦三 27歳 大阪時事新報社退社。4月、神戸女学院大学部専任講師に就任。
  • 富士 正晴 12歳 兵庫県立神戸第三中学校(現・長田高校)に入学。
  • 吉井 勇 39歳 4月、小説『暁鐘』(四紅社)刊行。12月、ラジオドラマ集『最後の接吻』(春陽堂)刊行。
  • 神西 清 22歳 2月、第一高等学校を中退。4月、東京外国語学校露語文科に入学。
  • 阪本 勝 26歳 5月、同人雑誌「クラルテ」創刊(~第3号)。小説「元文げざひ騒動秘録」(「クラルテ」第3号)を発表。
  • 河東 碧梧桐 52歳 「碧」終刊し、同人雑誌「三昧」創刊。

時代背景

  • 摩耶ケーブル開通
  • 北但大震災
  • 淡路鉄道開通
1926
【主な作品】
  • 白鳥 省吾
    『野茨の道』
  • 竹中 郁
    『黄蜂と花粉』
  • 富田 砕花
    『手招く人』
  • 和辻 哲郎
    『日本精神史研究』
  • 薄田 泣菫
    『太陽は草の香がする』
  • 十一谷 義三郎
    『東西文學評論(翻訳)』
  • 稲垣 足穂
    『星を売る店』
  • 河東 碧梧桐
    『碧梧桐青鸞俳画集』
  • 河東 碧梧桐
    『画人蕪村』
  • 石川 達三 21歳 「山陽新聞」(岡山市)に『寂しかったイエスの死』を発表。
  • 円地 文子 21歳 戯曲『ふるさと』が認められ、劇作家として『晩春騒夜』などを発表。
  • 遠藤 周作 3歳 父の転勤に従い満州関東州大連に移る。
  • 梶井 基次郎 25歳 転地療養のため伊豆湯ケ島へ。
  • 今 東光 28歳 「小泉八雲随筆集」を翻訳、人文会出版部より刊行。
  • 佐多 稲子 22歳 1月、一家で上京。3月、本郷動坂のカフェ「紅縁」の女給となる。4月、「驢馬」創刊。「紅縁」に集まる同人の中野重治、堀辰雄、窪川鶴次郎、西沢隆二、宮本喜久雄等と邂逅。やがて鶴次郎と恋愛、7月頃事実上結婚。
  • 椎名 麟三 15歳 大阪の父のもとに行くが、家出。飲食店などの職を転々とする。
  • 白鳥 省吾 36歳 大地舎創設。地上楽園創刊。
  • 竹中 郁 22歳 第一詩集『黄蜂と花粉』を刊行。小磯良平の卒業制作に竹中郁モデル「彼の休息」が描かれる。
  • 富田 砕花 36歳 4月、中国東北地区旅行。
  • 林 芙美子 23歳 手塚緑敏と同棲。
  • 三木 清 29歳 帰国、第三高等学校講師となる。
  • 三好 達治 26歳 4月、「青空」の同人となる。10月、百田宗治主宰「椎の木」創刊。丸山薫とともに参加。東京麻布飯倉片町の島崎藤村の隣家堀口方に梶井と同宿。12月末、しばしば喀血する梶井に伊豆湯ヶ島への転地療養をすすめる。
  • 山口 誓子 25歳 東京帝国大学を卒業、住友合資会社に入社。
  • 湯川 秀樹 19歳 第三高等学校を卒業、京都大学理学部に入学。
  • 横光 利一 28歳 4月、衣笠貞之助らと共に新感覚派映画聯盟を結成。『狂った一頁』(川端脚本)の製作に協力。6月24日、神奈川県三浦郡逗子町小坪の湘南サナトリウムで小島キミ死去(享年23歳)。7月8日キミとの戸籍面での婚姻届提出。11月、岸田国士らと共に新劇協会の上演目録の選定・舞台指揮を委嘱される。
  • 吉川 英治 34歳 「大阪毎日新聞」に「鳴門秘帖」を連載、大変な評判をよび、一躍大衆文壇のスターダムにのし上がった。
  • 吉屋 信子 30歳 春、バンガロー風の小さい家が下落合に完成。千代と共に住む。近所に住む片岡鉄兵,中河興一夫妻,林芙美子らと交際が始まる。
  • 上坂 高生 0歳 12月20日、兵庫県城崎町に生まれる。
  • 菊田 一夫 18歳 上京し印刷工となる。
  • 津村 信夫 17歳 夏、避暑先の軽井沢で、生涯の師となる室生犀星を見知る。
  • 浅見 淵 27歳 早稲田大学文学部国文科を卒業。10月、「新潮」新人号に「アルバム」を発表。11月、井葉野篤三、逸美広、岡沢秀虎らとともに「文芸城」を創刊。この年、梶井基次郎との交流が始まる。
  • 庄野 潤三 5歳 4月、帝塚山学院幼稚園に入園。
  • 今 日出海 23歳 新劇グループ「心座」に第2回公演から参加する。
  • 菊池 幽芳 56歳 大阪毎日新聞取締役を辞任。相談役となる。
  • 賀川 豊彦 38歳 11月、「神の国運動」を始める。
  • 野溝 七生子 29歳 『山梔』(春秋社)刊行。「近代風景」寄稿メンバーとなる。
  • 野間 宏 11歳 10月、父・卯一死去。
  • 中村 憲吉 37歳 4月、大阪毎日新聞社を退社。6月、帰郷して再び家務に就く。
  • 山本 周五郎 23歳 『須磨寺附近』が「文藝春秋」4月号に掲載され、文壇出世作となる。
  • 吉井 勇 40歳 8月、自歌自釈『恋ぐさ』(交蘭社)刊行。9月、小説集『墨水十二夜』(聚芳閣)刊行。
  • 神西 清 23歳 竹山道雄、堀辰雄らと同人雑誌「虹」を創刊。
  • 北条 秀司 24歳 上京し、箱根登山鉄道に入社。
  • 阪本 勝 27歳 3月、毎日新聞社退社。4月、関西学院専門学校講師となり新聞学を講義、のち政治学・社会学講義担当。
  • 水木 しげる 4歳 この頃、お手伝いの「のんのんばあ」から不思議な話を聞き、妖怪など、不思議な世界について大きな影響を受ける。
  • 丸山 義二 23歳 萬朝報の入社試験を受け、4月に入社。新聞記者として学芸部に配属される。このころ、野村愛正を介して大宅壮一を知る。また、富士辰馬の紹介で貴司山治、早坂二郎を知る。

時代背景

  • 阪神国道開通

【兵庫の時代背景と見る】兵庫文学史年表

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