兵庫文学史年表 − 1868〜1912

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1868

時代背景

  • 神戸事件おこる
  • 兵庫鎮台設置(1月)(翌月兵庫裁判所と改称)
  • 兵庫県(第1次)設置(5月)
1869
  • 小泉 八雲 19歳 渡米。シンシナティで図書館に通って勉強を続ける。
1870
  • 菊池 幽芳 0歳 10月27日、水戸市に父庸、母きくの長男として生まれる。

時代背景

  • 洲本で稲田騒動(庚午事変)おこる
1871
  • 田山 花袋 0歳 12月13日、栃木県邑楽郡館林町(現・群馬県館林市)に父?十郎、母てつの二男として生まれる。

時代背景

  • 旧姫路藩領中心に播・但農民の一揆おこる
  • 廃藩置県,豊岡県・姫路県・兵庫県(第2次)・名東県(淡路)設置される
1872
  • 島崎 藤村 1歳 筑摩県馬籠村(現在の長野県西筑摩郡山口村)で島崎正樹の四男として生まれる。
1873
  • 泉 鏡花 0歳 金沢市下新町で彫金師の父・清次、母・鈴の長男として出生。母は江戸の葛野流大鼓師の家の出身で、兄は能楽師。
  • 河東 碧梧桐 0歳 2月26日、松山市千船長に生まれる。
1874
  • 小泉 八雲 24歳 「シンシナティ・エンクワイャラ」の記者となる。
  • 高浜 虚子 0歳 愛媛県松山市長町生まれ。池内家の5人兄弟の末子に生まれる。
  • 上司 小剣 0歳 12月15日、奈良市水門町に父延美(のぶよし)、母幸生(こふ)の一人息子として生まれる。父が川辺郡多田村(現:川西市多田院)にある多田神社の宮司になり、多田村に転居。
  • 河井 酔茗 0歳 5月7日、大阪府堺市に父・又平、母・せいの子として生まれる。幼名は幸三郎。

時代背景

  • 大阪―神戸間に官営鉄道開業
1875
1876
  • 小泉 八雲 26歳 シンンナティ・コマーシャル社に入社。
  • 田山 花袋 5歳 警視庁の巡査をしていた父のもとに、(祖父母を残し)母・姉・弟と上京。

時代背景

  • 豊岡県など4県を統合して兵庫県(第3次)が生まれる
1877
  • 泉 鏡花 4歳 母から草双紙の絵解きを聞きながら育つ。8月、妹の他賀誕生。
  • 小泉 八雲 27歳 ニューオリンズに移る。
  • 薄田 泣菫 0歳 5月19日、岡山県浅口郡(現・倉敷市)に生まれる。父・篤太郎、母・里津の長男。
  • 田山 花袋 6歳 父が西南戦争で戦死。母・姉・弟と共に館林の祖父母のもとに移る。8月13日、館林東校初等八級に入学。

時代背景

  • 神戸でマッチの製造はじまる
1878
  • 小泉 八雲 28歳 「デイリー・アイテム」の記者となる。
  • 河東 碧梧桐 5歳 勝山小学校入学。
1879
  • 河東 碧梧桐 6歳 父から子規を紹介される。
  • 永井 荷風 0歳 東京市小石川区金富町(現・東京都文京区) に生まれる。
1880
  • 泉 鏡花 7歳 1月、弟の豊春(後の作家斜汀)誕生。4月、東馬場、養成小学校に入学。一年上級に徳田秋声がいた。
1881
  • 小泉 八雲 31歳 タイムスデモクラット社の文芸部長となる。
  • 島崎 藤村 9歳 学問のため上京、同郷の吉村家に寄宿しながら日本橋の泰明小学校に通う。
  • 河井 酔茗 7歳 錦西小学校に入学。
  • 田山 花袋 10歳 この年の初め頃、足利の薬種屋の丁稚に出る。2月頃、上京して京橋南伝馬町の書店有隣堂の丁稚となる。
1882
  • 泉 鏡花 9歳 12月、妹やゑ誕生。妹の誕生まもなくに母が産後の悪化のため死去。やゑはすぐに金沢郊外に養女に出る。
  • 島崎 藤村 10歳 姉の家が木曾へ戻ったため、同郷の芳村忠道の書生となり、以後彼の援助で学業を続ける。
  • 高浜 虚子 8歳 祖母の家を継いで高浜を姓とする。
  • 田山 花袋 11歳 有隣堂を解雇になり、館林東学校中等小学校四級に復学。
  • 河東 碧梧桐 9歳 虚子と知り合う。
1883
  • 泉 鏡花 10歳 12月、父、後妻を迎える。
  • 菊池 幽芳 13歳 水戸中学校(現:県立水戸第一高等学校)入学。
1884
  • 泉 鏡花 11歳 4月、金沢区高等小学校に入学するが、すぐに一致教会派の真愛学校(後の北陸英和学校)に転校する。12月、義母と父は離縁する。
  • 小泉 八雲 34歳 博覧会で日本の工芸品に惹かれる。
  • 内海 信之 0歳 8月30日、兵庫県揖西郡桑原村に内海藤三郎忠義の長男として生まれる。
1885
1886
  • 泉 鏡花 13歳 3月、妹の他賀離籍し養女に出る。
  • 島崎 藤村 14歳 三田英学校(錦城中学校)を経て共立学校(改正中学)に転校。
  • 島崎 藤村 14歳 郷里で父が亡くなる。
  • 有本 芳水 0歳 3月3日、飾東郡飾磨津田町(現:姫路市飾磨区)に父・有本嘉七郎、母・いくの四男として生まれる。8人兄弟の7番目。生家は造り酒屋で廻船業も営んでいた。
  • 木下 利玄 0歳 1月1日、岡山県賀陽郡足守町に父利永、母やすの二男として生まれる。木下家は豊臣秀吉の夫人北政所の一族で、備中国足守付近を領する小大名であった。
  • 谷崎 潤一郎 0歳 7月24日、東京市日本橋区に生まれる。父・倉五郎、母・関。
  • 吉井 勇 0歳 10月8日、東京市芝区に生まれる。父・幸蔵、母・静子。
  • 田山 花袋 15歳 一家で上京。軍人を志し、速成学館に通う。この頃から西欧文学に接し始める。
  • 河東 碧梧桐 13歳 松山高等小学校入学。

時代背景

  • 官営の兵庫造船所が払い下げられ,川崎兵庫造船所となる(1896年株式会社となり操業開始)
1887
  • 泉 鏡花 14歳 5月、北陸英和学校を退学。第四高等中学校を受験するが、不合格。
  • 小泉 八雲 37歳 ニューヨークへ移る。ハーバー社と契約し、西インド諸島で執筆活動。
  • 島崎 藤村 15歳 明治学院普通部本科に入学。
  • 上司 小剣 13歳 小学校卒業。母の実家を頼って大阪に出る。
  • 河東 碧梧桐 14歳 伊予尋常中学校入学。。
1888
  • 島崎 藤村 16歳 芝高輪の台町教会(現在の高輪教会)で木村熊二により受洗。
  • 深尾 須磨子 0歳 11月18日、兵庫県氷上郡春日町に生まれる。
  • 菊池 幽芳 18歳 水戸中学卒業。取手高等小学校の雇い教師となる。
  • 賀川 豊彦 0歳 7月10日、神戸市兵庫区島上町に父・賀川純一、母・菅生かめの次男として生まれる。
  • 田山 花袋 17歳 神田の日本英学館で英語を学ぶ。
  • 河東 碧梧桐 15歳 虚子らの回覧誌「同窓学誌」参加。
  • 里見 ? 0歳 7月14日生まれ。

時代背景

  • 私営山陽鉄道,神戸―姫路間開通
1889
  • 泉 鏡花 16歳 4月、尾崎紅葉の『二人比丘尼色懺悔』を読み感激する。
  • 和辻 哲郎 0歳 3月1日、兵庫県神崎郡砥堀村仁豊野(現在の姫路市仁豊野)の医家の次男として生まれる。祖父・見竜、父・瑞太郎、母・政、家業を継いだ兄・竜太郎、弟(夭折)、妹3人(1人は夭折)の家族。
  • 上司 小剣 15歳 大阪予備学校入学。
  • 中村 憲吉 0歳 1月25日、広島県双三郡に生まれる。父・修一、母・アキ。
  • 三木 露風 0歳 兵庫県揖西郡龍野町(現・龍野市龍野町)に父・節次郎、母・かたの長男として生まれる。
  • 田山 花袋 18歳 この頃から桂園派の歌人、松浦辰男に和歌を学び、かたわら小説の習作を始める。
  • 河東 碧梧桐 16歳 帰省した正岡子規にベースボールを教わる。
  • 内田 百? 0歳 造酒屋を営む父久吉、母峰の長男として生まれる。

時代背景

  • 大日本帝国憲法発布
  • 東海道線全通 尼崎紡績会社設立
1890
  • 泉 鏡花 17歳 小説家を志し、11月に上京する。
  • 小泉 八雲 40歳 ハーバー社の依頼で日本へ。契約のもつれでハーバー社と絶縁。知り合いの斡旋で松江中学の英語教師となる。
  • 白鳥 省吾 0歳 宮城県築館町に生まれる。小学校教師の父・林作、母・きねよ(甲子代)。
  • 富田 砕花 0歳 11月15日、岩手県盛岡市に生まれた。本名、戒治郎。母・せき、入夫の父は誕生前に死去。
  • 木下 利玄 4歳 3月、伯父の子爵木下利恭が東京で死去。一族会議の結果、利玄が養嗣子になることに決定し、11月上京して神田神保町の本邸に移る。
  • 河井 酔茗 16歳 文学に理解を示した母が急逝。京都に出奔して連れ戻される。幸田露伴、尾崎紅葉などの小説に親しんだ。
  • 田山 花袋 19歳 日本法律学校(現:日本大学)に入学したが数ヶ月で退学。この頃、松岡国男(のちの柳田国男)を知る。
  • 河東 碧梧桐 17歳 子規に俳句を学ぶ。青桐、女月、桐山、海紅堂等の雅号を用いる。
1891
  • 泉 鏡花 18歳 10月19日、牛込の尾崎紅葉を訪ね入門。翌日から尾崎家の玄関番として住み込む。
  • 宇野 浩二 0歳 7月26日、福岡市南湊町に生まれる。父・六三郎、母・京。
  • 小泉 八雲 41歳 2月、小泉セツ(23歳)と結婚。11月、熊本第五高等学校に転任。
  • 島崎 藤村 19歳 明治学院卒業。吉村が横浜に開いた舶来雑貨店を手伝う。
  • 木下 利玄 5歳 麹町区(現・千代田区)富士見町小学校幼稚園に入園。
  • 菊池 幽芳 21歳 8月、大阪毎日新聞社に入社。この年、宇田川文海、丸岡九華らと大阪文芸会を組織。
  • 吉井 勇 5歳 4月、鎌倉師範学校附属小学校に入学。約半年後に御田小学校に転学。
  • 河井 酔茗 17歳 このころから「少年文庫」や「いらつめ」などの雑誌に積極的に詩歌、小説を投稿し始める。
  • 田山 花袋 20歳 尾崎紅葉を訪問。江見水蔭に紹介されて「成春社」社員になる。
  • 河東 碧梧桐 18歳 一高受験のため上京。失敗して伊予尋常中学復学。
1892
  • 泉 鏡花 19歳 10月から11月にかけ、紅葉の指導のもと処女作『冠彌左衞門』を発表。11月、金沢の大火のため生家が焼失。
  • 島崎 藤村 20歳 明治女学校高等科英文科の教師となる。
  • 高浜 虚子 18歳 京都第3高等中学入学。後、仙台第2高校に編入。この頃より正岡子規に師事。この年以降、俳句革新を援け新聞「日本」の俳句覧で活躍。
  • 吉川 英治 0歳 8月、神奈川県久良岐郡中村根岸(現・横浜市)に生まれる。本名・英次。父・直広、母・いく。
  • 有本 芳水 6歳 4月、飾磨尋常小学校に入学。
  • 木下 利玄 6歳 9月、学習院初等科に入学。武者小路実篤と同級だった。この年、母が郷里で死去。上京以来、逢うことがなかった。
  • 賀川 豊彦 4歳 父・純一死去。
  • 谷崎 潤一郎 6歳 阪本尋常高等小学校入学。
  • 河井 酔茗 18歳 1月、岡山、神戸を回って上京。やがて説得され、帰郷する。
  • 三宅 周太郎 0歳 兵庫県加古川市に生まれる。
1893
  • 泉 鏡花 20歳 脚気を患い、一時帰郷。
  • 獅子 文六 0歳 横浜市で、父・岩田茂穂、母・アサジの長男として生まれる。姉は米子。父は大分県中津藩の武士の出。同郷の福沢諭吉の門下で、その感化を受け、横浜に絹物貿易商の岩田商店を営む。翌年、居留地に店舗を出店する。弟・彦二郎が誕生。
  • 島崎 藤村 21歳 北村透谷らと「文学界」を創刊。明治女学校高等科英文科の教師を辞職。関西を10ヶ月余り旅する。その後吉村家に戻り、明治女学校に復職。
  • 内海 信之 9歳 兵庫県揖西郡伊水高等小学校入学。
  • 上司 小剣 19歳 父延美死去。奈良の本家から受けていた経済援助を断り、小学校の代用教員をつとめる。西村天囚の指導を受け、堺利彦を知る。
  • 賀川 豊彦 5歳 母・かめ死去。徳島県板野郡堀江村の父・純一の正妻みちに姉栄とともに引き取られる。
  • 河東 碧梧桐 20歳 京都第三高等中学予科入学。虚子とともに下宿し、「虚桐庵」と号す。
  • 伊藤 貴麿 0歳 兵庫県神戸市に生まれる。

時代背景

  • 阪鶴鉄道株式会社設立
1894
  • 泉 鏡花 21歳 1月、父病没。帰郷するが、一家は貧窮し自殺を考える。祖母・弟を残し上京。
  • 宇野 浩二 3歳 父の急死で一家は神戸市転居。
  • 小泉 八雲 44歳 神戸クロニクル社に入社し、神戸に移る。
  • 薄田 泣菫 17歳 上京。漢学塾に寄宿しながら上野の図書館で独学。
  • 賀川 豊彦 6歳 徳島県第二堀江尋常小学校入学。
  • 中村 憲吉 5歳 布野尋常小学校に入学。
  • 森田 たま 0歳 12月19日、北海道札幌に父村岡治右衛門(のち札樽共同運送株式会社社長)、母よしの子として生まれる。
  • 河東 碧梧桐 21歳 学制改革のため、虚子とともに仙台第二高等学校に転校。退学して上京、子規庵に入る。

時代背景

  • 日清戦争はじまる
1895
【主な作品】
  • 泉 鏡花
    『外科室』
  • 泉 鏡花 22歳 評論『愛と婚姻』、『外科室』を発表。田岡嶺雲に絶賛されるとともに,島村抱月らによって観念小説と呼ばれ一躍新進作家に。
  • 宇野 浩二 4歳 大阪市に転居。
  • 和辻 哲郎 6歳 兵庫県神崎町砥堀尋常小学校に入学。神戸ではじめて歌舞伎をみる。この時見た「恋女房染分手綱」の印象は、晩年の「歌舞伎と操浄瑠璃」執筆のきっかけとなった。
  • 有本 芳水 9歳 6月、父と死別。家運が傾き、親戚の世話になるなど初めて生活の苦労を味わう。
  • 菊池 幽芳 25歳 杉浦たまと結婚。
  • 河井 酔茗 21歳 1月、伊良子清白来訪。雑誌「文庫」の記者に推薦され、8月、京阪神、奈良を旅行して上京。「文庫」の詩の選評を始めるが、12月に祖母に堺に連れ戻される。
  • 三木 露風 6歳 龍野尋常小学校入学。祖父の家に引き取られる。
  • 田山 花袋 24歳 6月から9月まで江見水蔭の世話で中央新聞社に勤める。
  • 河東 碧梧桐 22歳 虚子とともに下宿し、遊蕩生活。神戸病院に子規を見舞う。日本新聞社入社。
1896
  • 泉 鏡花 23歳 小石川区大塚に居を構え、郷里から祖母・弟を迎える。
  • 小泉 八雲 46歳 帰化、日本名「小泉八雲」。8月、帝国大学文科大学の講師として上京。
  • 島崎 藤村 24歳 母がコレラのため死去。仙台の東北学院に赴任。
  • 白鳥 省吾 6歳 築館小学校に入学。
  • 吉屋 信子 0歳 1月12日、父・雄一、母・マサの長女として新潟県庁官舎で生まれた。両親は長洲萩の藩士の出身。当時父は新潟県警務課長をしており、信子の上には4人の兄がいた。
  • 有本 芳水 10歳 3月、飾磨尋常高等小学校卒業。4月、飾磨郡第二高等小学校に入学。
  • 森田 たま 2歳 母の療養のため、札幌近くの軽川に転居。数え年5歳まで過ごした。
  • 田山 花袋 25歳 雑誌「文学界」新年会で島崎藤村を知る。
  • 河東 碧梧桐 23歳 日本新聞社退社。

時代背景

  • 生野鉱山,三菱合資会社に払い下げられる
  • 鐘紡兵庫工場,操業開始
1897
【主な作品】
  • 島崎 藤村
    『若菜集』
  • 宇野 浩二 6歳 陸軍偕行社尋常高等小学校入学。
  • 大佛 次郎 0歳 10月9日、横浜市英町に野尻政助・ギンの三男として生まれた。
  • 小泉 八雲 47歳 富士登山。
  • 島崎 藤村 25歳 『若菜集』刊行。
  • 高浜 虚子 23歳 松山にて「ホトトギス」を発刊。大畠いとと結婚。
  • 三木 清 0歳 1月5日、兵庫県揖保郡平井村に生まれる。父・栄吉、母・しん。
  • 薄田 泣菫 20歳 「新著月刊」に「花密蔵難見」13篇掲載。
  • 木下 利玄 11歳 7月、学習院初等科卒業。9月、中等科に進学。12月、学習院の塾主一館に入り、以来6年間寄宿生活を送る。
  • 上司 小剣 23歳 堺利彦に勧められ、上京。堺利彦の兄の斡旋で「読売新聞」に入社。
  • 十一谷 義三郎 0歳 10月14日、神戸市元町に父・春吉の三男として生まれる。
  • 菊池 幽芳 27歳 大阪毎日新聞社文学部主事となる。
  • 賀川 豊彦 9歳 徳島県板野郡堀江牛屋島高等小学校入学。
  • 野溝 七生子 0歳 1月2日、父・野溝甚四郎、母・正尾の次女として生まれる。本名・ナオ。
  • 田山 花袋 26歳 国木田独歩、太田玉茗、柳田国男らと共編詩集『抒情詩』を刊行。
  • 河東 碧梧桐 24歳 「ほとゝぎす」発刊され、選句担当。

時代背景

  • 姫路に第10師団がおかれる
1898
  • 井伏 鱒二 0歳 2月15日、備後加茂村(広島県福山市)に生まれる。
  • 今 東光 0歳 父・武平(当時満30歳)、母・綾(満29歳)の長男として横浜市伊勢町に生まれる。父は日本郵船の船長だったため、幼いころから各地を転々とした。
  • 島崎 藤村 26歳 『一葉舟』『夏草』刊行。
  • 高浜 虚子 24歳 新生「ホトトギス」を継承し東京に移した。写生文にも力を注ぎ、子規と共に新しい文章体を創り出す。
  • 富田 砕花 8歳 城南小学校に在学。
  • 横光 利一 0歳 3月17日、父・梅次郎の赴任先である福島県北会津郡東山村大字湯本川向(現・会津若松市東山町)東山温泉にて一女一男の長男として出生。こののち、父の鉄道敷設工事の仕事の関係で千葉県佐倉に移住。
  • 吉屋 信子 2歳 春、父が行政畑に転じて佐渡郡長になり、佐渡相川町に移る。
  • 喜志 邦三 0歳 大阪府堺市に父・笠野重吉、母・ヒサの次男として生まれる。
  • 中村 憲吉 9歳 布野尋常小学校卒業、同高等科に入学。
  • 河東 碧梧桐 25歳 子規の蕪村句集講義参加、子規庵歌会参加。京華日報社入社。「ホトトギス」発行が東京に移る。
  • 永井 荷風 19歳 広津柳浪に師事。
1899
【主な作品】
  • 薄田 泣菫
    『暮笛集』
  • 泉 鏡花 26歳 牛込に転居。
  • 獅子 文六 6歳 横浜市立老松小学校に入学。
  • 島崎 藤村 27歳 小緒義塾の教師となり、明治女学院の教え子、秦冬子と結婚。
  • 宮本 百合子 0歳 2月13日、父中條精一郎、母葭江の長女として東京市小石川区小石川原町に生れた。本名ユリ。10月、父が札幌農学校の講師嘱託となったので両親と札幌にゆき、二年半暮した。
  • 吉屋 信子 3歳 秋、父が新潟群北蒲原郡の郡長になり、新発田に移る。
  • 和辻 哲郎 10歳 兵庫県加古郡鳩里村北在家刀田山鶴林寺内宝生院の加古高等小学校入学。預けられた親戚の家から1年あまり通学。
  • 薄田 泣菫 22歳 11月、第一詩集『暮笛集』刊行。
  • 木下 利玄 13歳 佐々木信綱の竹柏園に入門、短歌の指導を受ける。
  • 内海 信之 15歳 伊水高等小学校を卒業するが、虚弱のため進学できず、前田桃渓に漢詩を学んだ。
  • 浅見 淵 0歳 6月24日、神戸市生田区に生まれる。
  • 五十嵐 播水 0歳 1月10日、医師だった父辰馬の二男として姫路市鍛冶町に生まれる。
  • 菊池 幽芳 29歳 「大阪毎日新聞」に小説「己が罪」前編を連載。読者から熱狂的な歓迎を受けた。
  • 喜志 邦三 1歳 7月7日、父・重吉の弟、喜志房吉の養子となる。
  • 稲垣 足穂 0歳 12月26日、大阪船場の歯科医忠蔵の次男として生まれる。
1900
【主な作品】
  • 河東 碧梧桐
    『続俳句評釈』
  • 河東 碧梧桐
    『俳句評釈』
  • 泉 鏡花 27歳 春陽堂で「新小説」編集に携わり、『高野聖』発表。
  • 寿岳 文章 0歳 3月21日、真言宗住職の末子として生まれる。
  • 三好 達治 0歳 8月23日、雷鳴の午後、大阪市西区西横堀町(該当の町名はない)戸籍では大阪市東区南久宝寺(現中央区南久宝寺町)に父・政吉,母・タツの長男として生まれる。姉・愛。後に10人兄弟となったが、5人は夭折。当時の家業は印刷業。
  • 和辻 哲郎 11歳 姫路市城東尋常高等小学校へ転校。以後中学を通じて6年間、1里半余り(約6キロ)の道を徒歩通学。
  • 薄田 泣菫 23歳 大阪金尾文淵堂の文芸誌「小天地」の編集をまかされる。与謝野鉄幹と出会う。
  • 有本 芳水 14歳 3月、飾磨郡第二高等小学校卒業。4月、岡山に住む叔母(母の妹)が学費の面倒をみてくれることになり、単身叔母の住む森安家に移る。なお、森安家は二兄孝次郎(11才年上)の養子先であった。同月、私立関西中学に入学。
  • 内海 信之 16歳 一年間小学校の代用教員となる。「神戸新聞」の記者、斉藤弔花の名文に感動し、新聞記者になろうとしたが現実と本人の志向との隔たりを知り、断念。
  • 西東 三鬼 0歳 5月15日、岡山県苫田郡津山町に父敬止、母登勢の四男として生まれる。
  • 菊池 幽芳 30歳 「大阪毎日新聞」に「己が罪」後編を連載。大評判となり、家庭小説の代表作となった。
  • 賀川 豊彦 12歳 県立徳島中学校入学。
  • 中村 憲吉 11歳 祖母の異父妹・香川八重の養子となる。9月、三次小学校高等科に転校。
  • 吉井 勇 14歳 4月、東京府立第一中学校に入学。
  • 河井 酔茗 26歳 上京。「文庫」詩人たちのアンソロジーを編集しつつ、自身の詩集「無弦弓」出版を準備。
  • 永田 耕衣 0歳 2月21日、兵庫県加古郡尾上村(現:加古川市)に父岩崎林蔵、母りゅうの二男として生まれる。
  • 河東 碧梧桐 27歳 ホトトギス社入社。子規庵山会参加。青木月斗の妹繁と結婚。京華日報社復社。
1901
【主な作品】
  • 島崎 藤村
    『落梅集』
  • 薄田 泣菫
    『ゆく春』
  • 河井 酔茗
    『無弦弓』
  • 宇野 浩二 10歳 育英高等小学校に転校。
  • 梶井 基次郎 0歳 2月17日、大阪市西区土佐堀通に、父・宗太郎、母・ひさの次男として生まれる。
  • 島崎 藤村 29歳 『落梅集」』発表後、散文への転身を試みる.。
  • 山口 誓子 0歳 11月3日、京都市上京区岡崎町字福の川に生まれる。父・新助、母・岑子。
  • 横光 利一 3歳 父の仕事に従って東京赤坂,拓植,広島と移住。
  • 吉屋 信子 5歳 父が栃木県芳賀郡の郡長になり、真岡に移る。この頃からカタカナの絵本を読む。
  • 和辻 哲郎 12歳 兵庫県立姫路中学校に入学。
  • 薄田 泣菫 24歳 10月、第二詩集『ゆく春』刊行。
  • 木下 利玄 15歳 佐々木信綱門下の歌文集『竹柏園集』や、学習院の『輔仁会雑誌』に短歌を発表する。
  • 内海 信之 17歳 新体詩に関心を持つ。
  • 上司 小剣 27歳 岡本ゆきと結婚。
  • 菊池 幽芳 31歳 大阪毎日新聞社社会部長となる。
  • 中村 憲吉 12歳 県立三次中学校に入学。
  • 谷崎 潤一郎 15歳 東京府立第一中学校入学。
  • 森田 たま 7歳 札幌女子高等尋常小学校入学。
  • 河井 酔茗 27歳 1月、第一歌集『無弦弓』刊行。東京専門学校(後の早稲田大学)に聴講生として通い、坪内逍遥、島村抱月などの教えを受けた。
  • 田山 花袋 30歳 この頃、モーパッサンの『ベラミ』や英訳短編小説集を読んで強い衝撃を受ける。『続南船北馬』を博文館から刊行。
  • 河東 碧梧桐 28歳 自宅で俳句例会始める。
  • 頴田島 一二郎 0歳 東京神田に生まれる。
1902
【主な作品】
  • 河東 碧梧桐
    『俳句初歩』
  • 獅子 文六 9歳 7月、父死去。
  • 白鳥 省吾 12歳 築館中学校に2回生として入学。
  • 高浜 虚子 28歳 子規の死去を境に碧梧桐との間に、すこしづつ対立の構図があらわれはじめる。
  • 富田 砕花 12歳 上京後、12月より会計検査院に勤める。(写学生)勤続10年6ヶ月。
  • 山口 誓子 1歳 父の大阪ホテル勤務のため、外祖父脇田嘉一に預けられる。
  • 吉屋 信子 6歳 真岡小学校に入学。
  • 和辻 哲郎 13歳 蘆花の『思出の記』を読み、以後小説、詩を読みふける。
  • 有本 芳水 16歳 この頃から文学熱が高まり、短歌、俳句、詩などを作る。
  • 木下 利玄 16歳 9月、学習院中等科6年に進級の際、志賀直哉が落第して利玄と同級となった。
  • 内海 信之 18歳 与謝野鉄幹の「新詩社」に参加。「明星」に本名の「信之」、他の雑誌に「うたかた」「泡沫」のペンネームで詩を発表する。
  • 上司 小剣 28歳 「読売新聞」にエッセイを発表し始める。
  • 北条 秀司 0歳 大阪府大阪市堀江で生まれる。
  • 三木 露風 13歳 「小国民」「中学文壇」「秀才文壇」等に詩文を投稿。
  • 田山 花袋 31歳 『重右衛門の最後』を新声社から刊行。
  • 河東 碧梧桐 29歳 子規死去、「日本俳句」の選者を継ぐ。
1903
【主な作品】
  • 河東 碧梧桐
    『俳諧漫話』
  • 河東 碧梧桐
    『続俳句初歩』
  • 阿部 知二 0歳 6月26日、岡山県勝田郡湯郷村(現、英田郡美作町)で中学校教師の父阿部良平・母もりよの次男として生まれ、まもなく父の任地・米子へ移る。
  • 泉 鏡花 30歳 神楽坂の芸妓桃太郎(伊藤すゞ)を落籍し同棲するが、病中の紅葉に同棲を批判され、いったん離別する。紅葉没後に結婚。
  • 小泉 八雲 53歳 帝大講師解雇。
  • 獅子 文六 10歳 9月、慶応義塾幼稚舎5年に転学。寄宿舎に入る。
  • 林 芙美子 0歳 福岡県門司市に生まれる。
  • 三木 清 6歳 平井尋常小学校入学。
  • 横光 利一 5歳 滋賀県大津に移住。
  • 吉川 英治 11歳 10月、小学校を中退。以降各種の職を転々とする。
  • 薄田 泣菫 26歳 「小天地」休刊。8月、京都に移る。
  • 有本 芳水 17歳 5月、与謝野鉄幹、高村光太郎らによる新詩社関西清和会が大阪で開かれ、芳水も出席し、このとき内海信之を知る。
  • 有本 芳水 17歳 「鷺城新聞」に「鷺城文壇」登場。芳水の短編小説「染分手綱」が掲載される。この頃から「文庫」、「新声」に小説、詩を投稿し始める。2月、同級の入沢涼月を中心に血汐会を結成し、翌月雑誌「血汐」を創刊。同人は三木露風、美土路昌一ら。
  • 木下 利玄 17歳 学習院中等科を卒業し、高等科に進む。『輔仁会雑誌』の編集委員となり、以降卒業まで殆ど毎号に散文、短歌を発表。ペンネームは「はるさむ」「利杲」を用いた。この年初めて帰省する。
  • 内海 信之 19歳 この頃からトルストイに傾倒。大阪で開かれた「新詩社関西清和会」に出席。有本芳水を知る。
  • 上司 小剣 29歳 正宗白鳥が「読売新聞」に入社。白鳥とは生涯親交を結んだ。
  • 今 日出海 0歳 11月6日、北海道函館で父武平、母綾の三男として生まれる。長兄は今東光。
  • 菊池 幽芳 33歳 「大阪毎日新聞」に「家庭小説乳姉妹」を連載。
  • 若杉 慧  0歳 広島県安佐郡戸山村に生まれる。
  • 山本 周五郎 0歳 6月22日、山梨県北都留郡(現・大月市)に父・清水逸太郎、母・とくの長男として生まれる。
  • 吉井 勇 17歳 4月、攻玉舎中学校4年に編入。
  • 神西 清 0歳 11月15日、東京市牛込区袋町に父由太郎、母止(しずか)の長男として生まれる。父が内務省の官吏だったため、幼少期は香川、長野、島根などを転々として育った。
  • 河井 酔茗 29歳 「電報新聞」入社。社会面を担当。
  • 三木 露風 14歳 県立龍野中学校に首席で入学。
  • 河東 碧梧桐 30歳 日本新聞社再入社。「温泉百句」を発表し、虚子との論争始まる。
  • 丸山 義二 0歳 2月26日、兵庫県揖保郡誉田村(現:龍野市誉田町)に父熊太郎、母くりの長男として生まれる。実家は自作農家。
  • 永井 荷風 24歳 アメリカ、フランスに外遊。

時代背景

  • 山陽鉄道列車を運転
1904
【主な作品】
  • 河東 碧梧桐
    『其角俳句評釈』
  • 阿部 知二 1歳 父の転勤に伴い、現在の島根県簸川郡大社町に移る。
  • 宇野 浩二 13歳 天王寺中学校に入学。
  • 大佛 次郎 7歳 横浜市太田尋常小学校入学。東京に転居。
  • 小泉 八雲 54歳 早稲田大学文学部に出講。9月26日、狭心症のため逝去。享年54歳。
  • 佐多 稲子 0歳 6月1日、長崎市、祖母の弟田中梅太郎方で生まれる。本名イネ。実の父・田島正文(18歳)は旧制中学生。母・高柳ユキ(15歳)も女学生だった為、梅太郎方に行儀見習いにきていた山本マサの私生児として届けられる。
  • 白鳥 省吾 14歳 この頃から詩作を始める。
  • 竹中 郁 0歳 神戸市兵庫区永沢町生まれ。
  • 横光 利一 6歳 4月、大津市大津尋常高等小学校入学。5月、大津市西尋常小学校に転校。6月、父が軍事鉄道敷設工事のため朝鮮へ。そのため母とともに母の故郷、三重県阿山郡東柘植村(現・伊賀町)へ移り、東柘植尋常高等小学校へ転校。
  • 吉屋 信子 8歳 自分のために雑誌を初めて取ってもらう。
  • 坂本 遼 0歳 9月1日、兵庫県加東郡東条村に生まれる。父・芳太郎、母・みつの長男。
  • 薄田 泣菫 27歳 2月、帰郷。
  • 有本 芳水 18歳 1月「血汐」が5号をもって廃刊。11月に発展的継承誌として入沢涼月の文芸雑誌「白虹」が創刊され、三木露風と共に同人として参加。
  • 木山 捷平 0歳 3月26日岡山県小田郡新山村に父静太、母為の長男として生まれる。
  • 内海 信之 20歳 「雛鳥」、「雛鶏守」など、雛鶏に関する詩で横瀬夜雨と並び称され、新進詩人として注目される。
  • 十一谷 義三郎 7歳 神戸市立尋常小学校に入学。
  • 菊池 幽芳 34歳 6月、海軍省の捕獲船満州丸による観戦旅行団に参加。
  • 賀川 豊彦 16歳 徳島教会で洗礼を受ける。
  • 三木 露風 15歳 岡山県和気郡の私立中学に転学。寄宿舎に入る。
  • 田山 花袋 33歳 第二軍写真班の記者として、遼東半島に渡る。現地で病を得て森鴎外の世話を受ける。

時代背景

  • 神戸大黒座開館
  • 日露戦争はじまる
1905
【主な作品】
  • 薄田 泣菫
    『白玉姫』
  • 薄田 泣菫
    『二十五絃』
  • 河井 酔茗
    『塔影』
  • 石川 達三 0歳 7月2日、秋田県平鹿郡横手町(現横手市)で生まれる。
  • 泉 鏡花 32歳 祖母死去。夏に胃腸病悪化、逗子に転地療養を始め3年半滞在する。
  • 円地 文子 0歳 東京市浅草区に、東京帝国大学教授で言語学者の上田万年と母・鶴子の次女として誕生。兄1人・姉1人の末っ子。
  • 佐多 稲子 1歳 2月、梅太郎とマサの結婚によって、戸籍上では同夫婦の長女となる。
  • 獅子 文六 12歳 4月、慶応義塾普通部に進学。居留地の店舗を閉店。店の規模も小さくなり、家も引越しを重ねる。
  • 島崎 藤村 33歳 『破戒』完成。小緒義塾退職。小説で身を立てようと上京、西大久保に居をかまえる。
  • 薄田 泣菫 28歳 5月、第三詩集『二十五絃』刊行。
  • 有本 芳水 19歳 3月、関西中学校卒業。進学のため上京。神田の英語学校に通う。8月、露風が上京し、芳水の部屋にしばらく同居する。回覧雑誌「聚雲」の会に参加。新進歌人として尾上柴舟に有望視され、車前草社の同人に選ばれる。
  • 内海 信之 21歳 前田ひさのと結婚。
  • 上司 小剣 31歳 「読売新聞」に発表したエッセイを集めた『小剣随筆 その日その日』刊行。
  • 五十嵐 播水 6歳 野里尋常高等小学校に入学。
  • 賀川 豊彦 17歳 県立徳島中学校卒業。4月、明治学院高等学部予科入学。
  • 阿波野 青畝 6歳 土佐小学校入学。片耳が聞こえず、後、中学以降の進学をあきらめるもととなる。
  • 谷崎 潤一郎 19歳 第一高等学校英法科入学。
  • 吉井 勇 19歳 3月、攻玉舎中学校を卒業。東京新詩社に入社、「明星」5月号にはじめて短歌を発表。
  • 河井 酔茗 31歳 広津柳浪の紹介で「女子文壇」編集に携わる。
  • 三木 露風 16歳 詩歌集『夏姫』を自費出版後、上京。北原白秋、若山牧水、前田夕暮と知り合う。
  • 阪本 勝 6歳 4月、阪神電車開通。父・準平は以来阪神電鉄会社嘱託医となる。
  • 河東 碧梧桐 32歳 小説「げんげん花」発表、漱石に賞賛される。

時代背景

  • 阪神電鉄開業
  • 神戸三菱造船所開業(1906年操業開始)
  • 鈴木商店,神戸製鋼所を経営
1906
【主な作品】
  • 島崎 藤村
    『破戒』
  • 薄田 泣菫
    『白羊宮』
  • 河東 碧梧桐
    『蚊帳釣草』
  • 佐多 稲子 2歳 11月、弟・正人誕生。これを機に両親が婚姻届を提出。
  • 島崎 藤村 34歳 『破壊』を自費出版。
  • 高浜 虚子 32歳 夏目漱石との交友の中で小説を試みた成果『風流懺法』を発表。
  • 三好 達治 6歳 京都府舞鶴の知人、家具商佐谷彦蔵、はつ夫妻のもとに養子に出たが、長男であるため籍を移すことはできなかったのと、病弱のため1年を経ずして佐谷家を去った。その後病気のためいったん実家にもどり、兵庫県三田町妙三寺の祖父母の家に移る。
  • 横光 利一 8歳 母・こぎく、手術のため三重県の病院に入院。母方の親戚である滋賀県竜王町の吉祥寺に預けられる。
  • 和辻 哲郎 17歳 3月末、上京。魚住影雄(折蘆)を知る。9月、第一高等学校に入学。
  • 薄田 泣菫 29歳 12月、市川修と結婚。京都に新居を構える。計のために散文に活路を求める。
  • 有本 芳水 20歳 4月、早稲田大学高等予科に入学。同窓の北原白秋、若山牧水、飯田蛇笏、土岐哀果らと親交を深め、そのほかにも多くの文学上の知遇を得る。在学中は専ら創作三昧であった。この年の秋、若山牧水とともに島崎藤村を訪ね、激励を受けた。
  • 木下 利玄 20歳 2月、実父の病気看護のため帰省するが、実父は死没する。7月、学習院高等科を卒業。9月、東京帝国大学国文科に入学。
  • 内海 信之 22歳 「明星」の競争詩作で石川啄木と共に入選する。反戦詩を作る素因の一つとなった詩友大西伯寒の戦病死を悼み「断鴻哀歌」を「新声」に発表。
  • 上司 小剣 32歳 自ら中心となり、小冊子『簡易生活』を発行。この『簡易生活』と「読売新聞」を媒介として正宗白鳥、堺利彦をはじめ、幸徳秋水、白柳秀湖などの作家と交わるようになった。
  • 十一谷 義三郎 9歳 兵庫県立御影師範学校附属小学校に転校。父が肺を病み、一家で武庫郡御影町東明に転居。
  • 中村 憲吉 17歳 県立三次中学校卒業。4月、上京し正則英語学校に通学。9月、鹿児島の第七高等学校造士館第一部甲類に入学。
  • 吉井 勇 20歳 新詩社歌会に出席。高村光太郎、木下杢太郎、北原白秋らと知り合う。8月、与謝野寛、北原白秋らとともに伊勢、紀伊、奈良、京都に旅行。
  • 永田 耕衣 6歳 尾上村立尾上尋常高等小学校尋常科に入学。
  • 阪本 勝 7歳 4月、尼崎第一尋常小学校(現・城内小学校)に入学。
  • 田山 花袋 35歳 博文館から雑誌「文章世界」が創刊され、主筆として編集に従事。自然主義運動推進の中心的役割を担った。
  • 河東 碧梧桐 33歳 第1次全国旅行(~M40)、六朝書体流行。

時代背景

  • 山陽鉄道国有となる。
1907
【主な作品】
  • 島崎 藤村
    『緑葉集』
  • 河東 碧梧桐
    『新俳句研究談』
  • 石川 達三 2歳 父が県立秋田中学校(現秋田高校)教頭に転じ、秋田市楢山裏町に移る。
  • 井上 靖 0歳 北海道上川郡旭川町に、父・隼雄、母・やゑの長男として生まれる。
  • 梶井 基次郎 6歳 江戸堀尋常小学校入学。
  • 今 東光 9歳 函館、小樽、横浜と転々としたあと、神戸市中山手通に転居。大阪に住む叔父・木村一方に寄宿。陸軍軍人だった叔父の厳格な教育に反抗した。
  • 白鳥 省吾 17歳 第二高等中学校を受験するが失敗。
  • 高浜 虚子 33歳 『俳諧師』発表。
  • 富田 砕花 17歳 短歌を「文章世界」「中学世界」「ハガキ文学」に投稿、掲載される。
  • 深尾 須磨子 18歳 菊花高等女学校を卒業。
  • 三好 達治 7歳 4月、三田町の尋常小学校に入学。
  • 湯川 秀樹 0歳 東京都麻布市兵衛街で、父・小川琢治、母・小雪の三男として生まれる。
  • 和辻 哲郎 18歳 一高の「校友会雑誌」に創作「炎の柱」、論説「霊的本能主義」を発表。
  • 木下 利玄 21歳 4月14日、志賀直哉、武者小路実篤、正親町公和と「十四日会」を始め、小説を持ち寄って批評したり、講演をしたりする集まりができた。利玄はこの日、短編小説「お京」を発表して賞賛を受け、「心の花」6月号に発表。
  • 賀川 豊彦 19歳 明治学院神学部卒業。9月、新設された神戸神学校に転校入学。直後に喀血、療養生活を送る。
  • 中村 憲吉 18歳 文学上の友として堀内卓造、橋田東聲、岩谷莫哀らとの交流がはじまる。堀内卓造の誘いにより「万葉集」、正岡子規、伊藤左千夫の歌風を知り、作歌をはじめる。
  • 山本 周五郎 4歳 山津波により祖父母、叔父母を喪う。母に伴われ、東京府下王子町に上京中の父の許に合流。
  • 吉井 勇 21歳 4月、早稲田大学文学部高等予科に入学。8月、与謝野寛、北原白秋、木下杢太郎、平野萬里とともに九州に旅行。この年の春より森鴎外の観潮楼歌会に出席、佐佐木信綱、伊藤佐千夫、斎藤茂吉らと知り合う。年末、白秋らとともに新詩社を脱退。
  • 森田 たま 13歳 庁立札幌高等女学校入学。
  • 河井 酔茗 33歳 「文庫」から独立して詩草社を設立。「詩人」を創刊した。
  • 藤枝 静男 0歳 静岡県藤枝町(現・藤枝市)に生まれる。
  • 三木 露風 18歳 5月、早稲田大学高等予科文科に入学(~9月)。
  • 田山 花袋 36歳 小説「蒲団」を「新小説」に発表。大きな反響を得る。

時代背景

  • 神戸・新開地に相生座開館
1908
【主な作品】
  • 泉 鏡花
    『高野聖』
  • 泉 鏡花
    『婦系図』
  • 高浜 虚子
    『鶏頭』
  • 井上 靖 1歳 父の任地変更で伊豆湯ケ島に戻り、後各地を転々とする。
  • 佐多 稲子 4歳 7月、実の両親の結婚により、田島正文・ユキの養女として入籍。
  • 白鳥 省吾 18歳 病気のため受験断念、上京。本郷区根津藍染町に下宿。
  • 高浜 虚子 34歳 国民新聞の文芸部長就任。『俳諧師』『続俳諧師』『朝鮮』などの執筆に明暮れる。「ホトトギス」の漱石の連載終了とともに経営難におちいる。
  • 竹中 郁 4歳 神戸市立兵庫幼稚園入園。
  • 富田 砕花 18歳 1月、与謝野寛・晶子の「新詩社」に加わり、同郷の石川啄木とともに歌会に出席。「新声」4月号に処女作詩編『奏楽堂』が児玉花外選で載る。6月、与謝野晶子編、合著歌集『白光』(新潮社)に短歌2首収録される。「明星」に短歌掲載。前田夕暮、尾山篤二郎等と「月曜会」を結成。
  • 宮本 百合子 9歳 父精一郎は文部省技師をやめて工学博士曽禰達蔵と「曽禰・中條建築事務所」を創立。
  • 三好 達治 8歳 神経哀弱となり休学。一時大阪の実家に婦るが、間もなく再び三田町の祖父母の家へ妹の常とともに戻り、4年余りを妹とおもにこの町で育てられた。
  • 山口 誓子 7歳 錦林小学校入学。
  • 湯川 秀樹 1歳 父が京都大学文学部教授になったので一家は京都に移る。
  • 横光 利一 10歳 9月、父の仕事の関係で三重県阿山郡上野町の丸之内尋常小学校に転校。上野町に移り住む。
  • 吉屋 信子 12歳 栃木高女(現栃木女子高校)入学。学校の講演に来た新渡戸稲造の、旧来の良妻賢母主義よりも1人の人間としての完成を説いたのに感銘を受ける。
  • 和辻 哲郎 19歳 1月末より文芸部委員となる。論説「精神を失ひたる校風」。
  • 菊田 一夫 0歳 3月1日、神奈川県横浜市に生まれる。
  • 木下 利玄 22歳 3月26日、東京を発ち、志賀直哉、里見?と二週間に亙って奈良、京都、滋賀、和歌山に旅行に出かける。7月、志賀、武者小路、正親町と回覧雑誌「望野」(のちの「白樺」の基礎となる)を始める。
  • 西東 三鬼 8歳 4月、津山男子尋常高等小学校尋常科に入学。
  • 上司 小剣 34歳 第一創作集『灰燼』刊行。
  • 賀川 豊彦 20歳 神戸葺合区で伝道活動。
  • 中村 憲吉 19歳 日本新聞の伊藤左千夫選歌、課題「竹」に応募して数首が採用される。作歌の一部12首が「アララギ」第1巻第3号に掲載される。
  • 谷崎 潤一郎 22歳 東京帝国大学国文科入学。放浪生活、強度の神経衰弱。
  • 吉井 勇 22歳 12月、木下杢太郎、北原白秋、長田秀雄らとともに第1回「パンの会」を開催。
  • 三木 露風 19歳 3月、早稲田大学予科文科に再入学(~翌年2月)。
  • 田山 花袋 37歳 「生」を「読売新聞」に連載。「妻」を新聞「日本」に連載。
  • 河東 碧梧桐 35歳 「俳句界の新傾向」発表し、新傾向俳句論高まる。
  • 鷲尾 三郎 0歳 大阪府大阪市に生まれる。
  • 永井 荷風 29歳 帰国。

時代背景

1909
【主な作品】
  • 高浜 虚子
    『続俳諧師』
  • 高浜 虚子
    『俳諧師』
  • 河東 碧梧桐
    『俳画法』
  • 泉 鏡花 36歳 帰京し麹町土手三番町に居を構える。
  • 宇野 浩二 18歳 天王寺中学卒業、代用教員として中河内郡の小学校に赴任したが脚気のため辞し奈良県高市郡へ。
  • 大岡 昇平 0歳 3月6日、東京牛込区に生まれる。父・大岡貞三郎、母・つる。
  • 梶井 基次郎 8歳 父の転勤(安田商事合名会社東京本店)で上京。
  • 獅子 文六 16歳 岩田商店を廃業する。一家は横浜を離れ、東京へ転居。この頃、投稿を始める。
  • 白鳥 省吾 19歳 三木露風を訪ねる。早稲田大学英文科入学。ホイットマンの作品を知る。
  • 三木 清 12歳 兵庫県立龍野中学入学。
  • 森 はな 0歳 4月16日、兵庫県但馬の養父郡和田山町に、特定郵便局・酒類販売業の父・信之助、母・とりの7人兄弟の真ん中、次女として生まれる。
  • 山口 誓子 8歳 嘉一に伴い、東京に移り、本郷の真砂小学校に転校。
  • 横光 利一 11歳 5月、父の仕事により大津市鹿関町に移り住む。大津市西尋常小学校に転校。
  • 和辻 哲郎 20歳 7月、第一高等学校を卒業。9月、東京帝国大学文科大学哲学科に入学。哲学・哲学史専攻。在学中は、大塚保治教授の「最近欧州文芸史」、岡倉天心講師の「秦東巧芸史」を聴講、感銘を受ける。谷崎潤一郎、小山内薫らと交流。文学・文芸に積極的にかかわる。
  • 有本 芳水 23歳 7月、早稲田大学高等師範部国語漢文科卒業。
  • 木下 利玄 23歳 「白樺」発刊の準備が進められる。
  • 津村 信夫 0歳 1月5日、神戸市葺合区熊内通に父秀松、母久子の次男として生まれる。
  • 菊池 幽芳 39歳 1月からヨーロッパ旅行。翌年(1910)パリに滞在し、翌々年(1911)4月帰国。
  • 稲垣 足穂 10歳 4月、浪華尋常小学校に入学。8月に明石に移り、明石第一尋常小学校に転校。
  • 野溝 七生子 12歳 香川県立丸亀高女に入学。
  • 中村 憲吉 20歳 上京し、伊藤左千夫を訪ねて入門。斎藤茂吉、古泉千樫との交流がはじまる。
  • 吉井 勇 23歳 1月、森鴎外監修のもと、石川啄木、平野萬里とともに「スバル」を創刊。3月、戯曲処女作「午後三時」を「スバル」に発表。
  • 森田 たま 15歳 病床に伏し、札幌高等女学校を中退。
  • 三木 露風 20歳 9月、詩集『廃園』(光華書房)刊。
  • 阪本 勝 10歳 父とともに母の実家大阪に引きあげる。滝川小学校4年生に転入。
  • 田山 花袋 38歳 『妻』を今古堂から、『田舎教師』を左久良書房から刊行。
  • 河東 碧梧桐 36歳 第2次全国旅行(~1907)。
  • 里見 ? 21歳 東京帝大英文科中退。
  • 丸山 義二 6歳 4月、誉田尋常小学校に入学。

時代背景

  • 神戸市庁舎新築完成
  • 初めてのマラソンが神戸で行われ大マラソンブームに
1910
【主な作品】
  • 河井 酔茗
    『霧』
  • 河東 碧梧桐
    『三千里』
  • 泉 鏡花 37歳 麹町下六番町に転居。終生の住処になる。
  • 井上 靖 3歳 両親と離れ、湯ケ島で戸籍上の祖母・かのに育てられる。
  • 宇野 浩二 19歳 上京、早稲田大学英文科予科入学。
  • 大佛 次郎 13歳 東京市白金尋常小学校卒業。東京府立第一中学校入学。
  • 梶井 基次郎 9歳 私立頌栄尋常小学校に転入。
  • 獅子 文六 17歳 文学に興味を持つようになり、回覧雑誌を作り始める。10月、姉・米子が結婚する。
  • 島崎 藤村 38歳 産褥で妻が急死。子の面倒をみてもらうため、姪二人との生活を始める。
  • 白鳥 省吾 20歳 「劇と詩」を中心に詩の発表を始める。
  • 竹中 郁 6歳 神戸市立入江尋常小学校に入学。
  • 富田 砕花 20歳 3月、若山牧水の歌誌「創作」に同人参加。6月、徴兵検査のため盛岡に10数年ぶりに帰郷、地元の歌誌「コスモス」の菊池知勇(野菊)らの歓迎を受けた。徴兵検査は近眼のため不合格になり、砕花は知勇に2首の歌を残して盛岡を離れた。
  • 林 芙美子 7歳 実父が家に芸者を入れたため母とともに長崎に移る。長崎市勝山尋常小学校入学、後、佐世保市八幡尋常小学校に転校。他、転校を続ける。
  • 横光 利一 12歳 3月、小学校卒業。滋賀県立第二中学校を受験するが失敗、大津尋常高等小学校高等科1年に入学。
  • 吉川 英治 18歳 勤めていた横浜ドックでの事故で九死に一生を得たのを機に、その年の暮れに上京、蒔絵師の徒弟となる。
  • 吉屋 信子 14歳 14歳女学校3年の時、「少女界」の懸賞に応募した「鳴らずの太鼓」が図らずも1等に当選、賞金10円をもらった。信子は喜んだ。
  • 石上 玄一郎 0歳 3月7日、北海道札幌市に生まれる。
  • 有本 芳水 24歳 2月、友人服部嘉香の紹介、恩師島村抱月の推薦で実業之日本社に入社。「婦人世界」の担当となり、4月には「日本少年」記者も兼ねる。
  • 木山 捷平 6歳 4月、新山尋常高等小学校尋常科に入学。
  • 木下 利玄 24歳 4月、有島武郎、有島生馬、志賀直哉、武者小路実篤、正親町公和、里見?、柳宗悦、児島喜久雄、郡虎彦らと共に雑誌「白樺」を創刊。
  • 内海 信之 26歳 肺結核を患い、相生海岸に転地療養する。詩集『淡影』刊行。
  • 上司 小剣 36歳 小剣にとって初めての新聞小説「木像」を「読売新聞」に連載。
  • 十一谷 義三郎 13歳 兵庫県立第一神戸中学校入学。前年に父が死去したため酒蔵家高嶋家の家僕となり、苦学して学校に通いながら和漢洋の書籍を濫読する。
  • 今 日出海 7歳 4月、神戸市中宮中学校に入学。
  • 喜志 邦三 12歳 大阪府堺市立尋常小学校卒業。この頃から詩作を始める。
  • 阿波野 青畝 11歳 母・かね死去。
  • 中村 憲吉 21歳 7月、第七高等学校造士館を卒業。9月、東京帝国大学法科大学経済科に入学。子規九周忌歌会に出席して石原純、土屋文明、山宮允らと相知る。10月、盟友・堀内卓造急逝。
  • 谷崎 潤一郎 24歳 小山内薫、和辻哲郎らと第二次「新思潮」を創刊。
  • 山本 周五郎 7歳 豊島の豊川小学校に入学。同年秋から翌年春の間に、横浜市久保町の西戸部小学校へ転校。
  • 吉井 勇 24歳 9月、第一歌集『酒ほがひ』(昴発行所)刊行。
  • 神西 清 7歳 東京麹町の番町小学校に入学。
  • 三木 露風 21歳 9月、慶応義塾大学予科に入学(~翌年5月)。10月、『廃園』再版(博報堂)刊。11月、詩集『寂しき曙』(博報堂)刊。
  • 田山 花袋 39歳 「縁」を「毎日電報」に連載。
  • 白洲 正子 0歳 父・樺山愛輔、母・常子の次女として、東京都麹町区永田町に生まれる。父方の祖父・樺山資紀は薩摩出身の軍人・政治家で、父・愛輔は貴族院議員や枢密顧問官を務め、実業界でも活躍。さらに日米協会、国際文化会館の設立など文化事業にも尽力した。
  • 里見 ? 22歳 雑誌「白樺」の創刊に参加。
  • 永井 荷風 31歳 上田敏・森鴎外の推薦で慶応義塾教授就任、「三田文学」を主宰。

時代背景

  • 兵庫電軌開業
  • 神戸電気鉄道開業
1911
【主な作品】
  • 谷崎 潤一郎
    『刺青』
  • 梶井 基次郎 10歳 鳥羽尋常小学校5年生に転入。
  • 梶井 基次郎 10歳 父の転勤(安田系の鳥羽造船所)で三重県志摩郡鳥羽町社宅へ。
  • 佐多 稲子 7歳 4月、長崎市勝山尋常小学校に入学。8月、母・ユキ(22歳)肺結核で死去。
  • 椎名 麟三 0歳 10月1日、兵庫県飾磨郡曾佐村で生まれ、すぐに母親の自殺未遂があったため大阪の父のもとへ。
  • 獅子 文六 18歳 普通部を卒業し、4月に理財科部予科に進学するが、翌々年には文科部予科に転部する。
  • 富田 砕花 21歳 「コスモス」1,3,5,6月号に寄稿。9月、「創作」は出版社と牧水の意見が合わず休刊し、発表は4月に創刊された前田夕暮の「詩歌」に移った。7月3日、啄木宅を訪れ、「握りしめたる拳に卓をたたく者ここにあり」と夜11時まで「時代閉塞の現状」を論じる。
  • 富田 砕花 21歳 啄木の枕元から借りたクロポトキンの『一革命家の思ひ出』(英文)を持ち帰り越前、越後の旅に出て越前岬鷹巣で歌集の編集に着手。
  • 宮本 百合子 12歳 東京市本郷区の誠之尋常小学校を卒業、お茶の水高等女学校に入学。
  • 三好 達治 11歳 4月、大阪の実家に帰り、西区靱(うつぼ)尋常小学校5年に転入。
  • 横光 利一 13歳 4月、三重県立第三中学校に入学。一家で上野町萬町に移り住む。
  • 吉川 英治 19歳 「大正川柳」の同人に迎えられ、“雉子郎”の号で川柳家として名を成す。
  • 吉屋 信子 15歳 「文章世界」や「新潮」に投書を始める。
  • 和辻 哲郎 22歳 秋、木村壮太にさそわれて浅草新片町に初めて島崎藤村を訪ねる。
  • 坂本 遼 7歳 上東条小学校尋常科入学。
  • 薄田 泣菫 34歳 3月、大阪の帝国新聞社文芸部長に就任、半年ほどで辞職。
  • 十一谷 義三郎 14歳 兄が家出。
  • 五十嵐 播水 12歳 4月、姫路中学校入学。剣道部に所属。
  • 中村 憲吉 22歳 「アララギ」諸同人との交流が深まり、作歌にも熱心になる。
  • 山本 周五郎 8歳 学区の編成替えで、西前小学校へ転入。
  • 吉井 勇 25歳 7月、戯曲集『午後三時』(東京堂書店)刊行。
  • 森田 たま 17歳 雑誌「少女世界」に投書した文章が認められ、「少女世界」に小説を書くことになり、上京。
1912
【主な作品】
  • 泉 鏡花
    『歌行燈』
  • 富田 砕花
    『悲しき愛』
  • 阿部 知二 9歳 父の姫路中学への転任で姫路市坊主町に移る。
  • 石川 達三 7歳 4月、秋田市築山小学校入学。6月、東京大井町に転居。9月、岡山県上房郡高粱町(現高粱市)に転居。
  • 今 東光 14歳 関西学院中学部入学。
  • 白鳥 省吾 22歳 「劇と詩」同人加盟。
  • 高浜 虚子 38歳 雑詠欄を復活させ、俳句雑誌としての復活を目指し、 徐々に発行部数も取り戻す。
  • 富田 砕花 22歳 4月、石川啄木死去。渋谷で寄宿を共にしていた吉井勇と弔問。5月、啄木の死を悼み、盛岡の歌誌「曠野」「詩歌」にエッセイを発表。
  • 深尾 須磨子 24歳 京都帝国大学工学部在学中の深尾贇之丞と結婚。
  • 山口 誓子 11歳 前年樺太日日新聞社長として樺太に渡った嘉一のもとへ移る。庁立豊原尋常高等小学校に。
  • 横光 利一 14歳 4月、姉しずこが中村嘉市と結婚し滋賀県に移住。
  • 吉屋 信子 16歳 栃木高女(4年制)卒業。父が上都賀郡長に転じ、一家は鹿沼に移った。
  • 和辻 哲郎 23歳 6月、高瀬照と結婚、大森に新家庭を営む。7月、東京帝国大学文科大学卒業。
  • 薄田 泣菫 35歳 8月、大阪毎日新聞社に入社。
  • 有本 芳水 26歳 1月、本格的に「日本少年」の担当となり、少年詩を書き続ける。
  • 木下 利玄 26歳 6月、「白樺」に利玄の短歌を賞賛した有島生馬の短文が掲載される。これを一つのきっかけとして以降は短歌に専念。8月、長男利公が生まれたが生後5日で死亡した。9月、目白中学の国文講師に就任。
  • 内海 信之 28歳 政治家犬養毅に私淑し、憲政擁護運動に参加。詩を書きつづけながら政治活動に参加する(雅号に「青潮」を用いる)。「雄弁」等に政論や人物評を書き始めた。
  • 今 日出海 9歳 4月、神戸市諏訪山尋常高等小学校に編入。
  • 賀川 豊彦 24歳 第1著作『友情』刊行。
  • 野溝 七生子 15歳 大分県立大分高女に転校。
  • 谷崎 潤一郎 26歳 神経衰弱再発、放浪生活再開。
  • 吉井 勇 26歳 10月、歌物語集『水荘記』(東雲堂書店)刊行。11月、戯曲集『夜』(春陽堂)刊行。
  • 神西 清 9歳 父の転勤に伴い、台湾台北に移る。祖母を失い、父も死去した。
  • 永田 耕衣 12歳 尾上尋常小学校高等科入学。国語作文を好んだ。
  • 三木 露風 23歳 白秋との合著詩集『勿忘草』刊。
  • 阪本 勝 13歳 3月、滝川小学校卒業、卒業式で卒業生代表として答辞を読む。4月、大阪府立北野中学校(現・北野高校)に入学。
  • 田山 花袋 41歳 博文館を退社する。
  • 三宅 周太郎 20歳 慶応義塾大学文科入学。

時代背景

  • 第1次護憲運動はじまる(1913年大正政変)
  • 山陰線香住―浜坂間開通し,出雲まで全通

【兵庫の時代背景と見る】兵庫文学史年表

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