もり　はな森　はな

明治42～平成1
ジャンル：詩人・児童文学作家
出身：兵庫県養父郡（現、朝来町）和田山町

PROFILE

兵庫県養父郡に生まれ、兵庫県加古川市に居住。兵庫県が舞台の作品に『じろはったん』がある。明治42年（1909）、兵庫県但馬・和田山に生まれる。昭和11年（1936）から加古川市加古川町に住む。
教師を退任後昭和36年、52才で日本児童文学者協会会員となり、昭和48年（1973）、『じろはったん』（梶山俊夫・絵）を刊行した。翌年、64歳で、第14回日本児童文学者協会新人賞を受賞。課題図書にもなった。後、芸術祭ラジオ部門大賞ともなる。その後、亡くなるまでふるさと但馬を舞台にした心温まる作品を世に出すとともに、森はな学校で、児童文学・絵本の研究会を開き、多くの人を指導する。平成9年（1997）12月に発行された『森はな・人と文学―ふるさとの語り部』では、作品論を中心に作品から派生した英訳や歌などに触れ、さらに森はな自身のつづった「わが心の自叙伝」を収録し、作家の原風景が描かれている。

《略年譜》

年	年齢	事項
1909	0	4月16日、兵庫県但馬の養父郡和田山町に、特定郵便局･酒類販売業の父･信之助、母･とりの7人兄弟の真ん中、次女として生まれる。
1916	7	養父郡大蔵小学校に入学。
1924	15	明石女子師範学校に入学。
1925	16	父が死去。
1928	19	明石女子師範学校を卒業。養父郡南谷小学校に赴任。後の夫となる森種樹と出会う。
1929	20	養父郡養父小学校に転任。
1932	23	養父郡大蔵小学校に転任。種樹と結婚。結婚までの3年間、毎日のようにラブレターを書き、この間の種樹と交わしたラブレターは千通を越す。
1934	25	長女･初枝誕生。
1936	27	高砂市･荒井小学校に転任。高砂市に転居。長男･秀樹誕生。
1940	31	次女･紀美代誕生。
1943	34	次男･俊樹誕生。
1948	39	三女･協子誕生。母が他界。
1952	43	高砂市･伊保小学校に転任。創作劇『お祭りに来た兄弟』でNHK主催第1回近畿学校劇コンクールにて最優秀賞を受賞。夫・種樹の生家（加古川市）に転居。
1953	44	創作劇『峠のお祭り』で再び最優秀賞を受賞。この頃、放送開始のテレビに出演。
1960	51	伊保小学校を退職し、32年間の教師生活を終える。神戸児童文学｢あす｣の会に入会し、同人誌「あす」に児童文学を発表し始める。神戸新聞社の青少年相談員になる。
1973	64	『じろはったん』(絵･梶山俊夫)を牧書店より初めて刊行。翌年、同書で第14回日本児童文学者協会新人賞を受賞。<遅咲きの新人>と評判になる。
1974	65	夫･種樹が病没する。｢じろはったん｣が課題図書に選定される。自宅を開放し、「子供の本を読む会」を始める。
1981	72	『もどってくるもどってこん』が野間児童文芸賞の最終選考に残る。
1982	73	『こんこんさまにさしあげそうろう』が課題図書に選定され、第5回絵本にっぽん大賞を受賞する。
1983	74	紙芝居『じろはったん』を加古川･高砂市内の小学校や幼稚園にアシスタントとともにまわる。
1985	76	日航機事故により長男･秀雄を亡くす。特別養護老人ホームで月1回の読み聞かせに通いはじめる。
1987	78	骨粗しょう症で入院。
1988	79	4月、県立加古川病院入院、胃切除手術。翌年4月、再入院。
1989	80	6月14日、永眠。81歳。

逝去地: 兵庫県加古川市加古川町寺家町

兵庫県との関係: 生誕（和田山）　居住　高砂・加古川

代表作品

作品名	刊行年	版元
じろはったん	1973	牧書店
わたしトシエです	1977	アリス館牧新社
ひいちゃんとタチアオイの花	1978	PHP研究所
キツネの花よめいしょう	1980	PHP研究所
もどってくるもどってこん	1980	PHP研究所
おばあちゃんは落語屋さん	1981	学校図書
こんこんさまにさしあげそうろう	1982	PHP研究所
おさよつばき	1984	PHP研究所
わたしはめんどりコッコです	1985	金の星社
一二とうげ	1986	PHP研究所
お葉つきいちょう	1987	サンリード
こはる先生だいすき	1987	ポプラ社
キツネとじゅんぺいじいさん	1988	教育画劇
土の笛	1996	PHP研究所

場所	説明	内容
兵庫県朝来郡和田山町大蔵小学校		森はな出身校で「じろはったん」の舞台でもある。
和田山町の法泉寺境内	句碑	「蟹追いて　授業中なるに　帰り来ず」

受賞歴

受賞年	受賞内容	受賞作品
1974	第７回日本児童文学者協会新人賞	「じろはったん」
1982	第５回日本の絵本賞　絵本にっぽん大賞	「こんこんさまにさしあげそうろう」（梶山俊夫絵）