ほんだ きよじ本田 喜代治
- 明治29年~昭和47年
- ジャンル: 社会学者
- 出身:兵庫県
PROFILE
兵庫県に生まれる。明治29年(1896)兵庫県揖保郡旭陽村(現姫路市)に生まれる。旧制第一神戸中学、第三高等学校をへて大正7年(1918)東京帝国大学文学部文学科(フランス文学専攻)に入学、翌大正8年哲学科(社会学専攻)に転科。この年創刊された長谷川如是閑、大山郁夫らが主宰する言論誌『我等』の編集室に在学中から出入し、卒業後も『我等』グループの人々と親しく交わりながら、論文、評論など寄稿。大正11年(1922)同哲学科卒業。文部省、司法省の嘱託などを経て、大正13年(1924)大阪高等学校教授となるが、昭和8年(1933)反軍国主義的言動を理由に辞職させられる。昭和15年(1940)には当局の言論弾圧の結果、検挙される。釈放後は翻訳以外の文筆活動を禁止され敗戦に至る。第二次大戦後、文筆活動を再開、『理論』『思想』その他に研究論文、社会時評、文芸評論など発表するたかわら平和運動や地域の文化活動にも参加。昭和24年(1949)名古屋大学文学部教授に就任、さらに法政大学、和光大学などで教鞭をとり、唯物論研究会、世界経済調査会、日本学術会議などで活躍。コント研究を中心としたフランス社会学、社会思想史を研究し、晩年はアジア的生産様式の研究にも取り組んだ社会学研究の先駆者として知られている。著書、翻訳書等多数。
《 略年譜 》
年 | 年齢 | 事項 |
---|---|---|
1896 | 0 | 10月15日、兵庫県揖保郡旭陽村高田(現・姫路市)に生まれる。 |
1915 | 19 | 第一神戸中学校を卒業し、第三高等学校に入学する。 |
1918 | 22 | 東京帝国大学文学部文学科に入学。フランス文学を専攻する。 |
1919 | 23 | 東京帝国大学文学部哲学科に転科し、社会学を専攻する。 長谷川如是閑、大山郁夫らが創刊した言論誌『我等』の編集室に出入りする。 |
1922 | 26 | 東京帝国大学文学部哲学科を卒業する。その後も『我等』に論文や評論を寄稿する。 |
1924 | 28 | 文部省・司法省嘱託などをへて、大阪高等学校教授となる。 |
1933 | 37 | 大阪高等学校教授を、反軍国主義的な言動を理由に辞職させられる。 唯物論研究会などに参加しつつ、東大医学部で教鞭を執る。 ルソー『人間不平等起源論』の翻訳書を岩波書店より刊行。 |
1935 | 39 | 『コント研究―その生涯と学説―』、ディドロ『ラモオの甥』の翻訳書をそれぞれ芝書店より刊行。 |
1937 | 41 | 『フランス学派中心哲学及び社会学研究』を泰山房より刊行。 |
1938 | 42 | エーヴ・キュリー『キュリー夫人伝』の翻訳書を川口・河盛・杉共訳で白水社より刊行。 |
1940 | 44 | 当局の言論弾圧により検挙され、釈放後、翻訳以外の文筆活動を禁止される。 ディドロー『ラモーの甥』の翻訳書を岩波書店より刊行。 |
1945 | 49 | 敗戦を迎え、文筆活動を再開し、平和運動や地域の文化活動にも参加する。 |
1946 | 50 | 立教大学講師となる。 |
1948 | 52 | 『フランス革命史』を小石川書房より刊行。 |
1949 | 53 | 『近代フランス社会思想の成立』を日本評論社より刊行。 |
1951 | 55 | 『社会思想史―あるいは思想の社会史―』を培風館より刊行。 |
1953 | 57 | 名古屋大学文学部長を務める。(~1955) |
1958 | 62 | 『社会学入門―史的唯物論による基礎づけ―』を培風館より刊行。 |
1960 | 64 | 名古屋大学を定年退職した後、法政大学教授となる。 |
1962 | 66 | 『社会学史入門―社会史的考察―』を培風館より刊行。 |
1967 | 71 | 法政大学を定年退職、和光大学教授となる。 |
1968 | 72 | 『アジア的生産様式の問題』訳編を岩波書店より刊行。 |
1970 | 74 | 自伝『旃陀羅の子』を法政大学出版局より刊行。 |
1972 | 76 | 10月22日、死去。 |
- 兵庫県との関係
- 生誕(兵庫県)
代表作品
作品名 | 刊行年 | 版元 | 備考 |
---|---|---|---|
[翻訳書]ルソー『人間不平等起源論』(共訳) | 1933 | 岩波書店 | |
コント研究―その生涯と学説― | 1935 | 芝書店 | |
フランス学派中心哲学及び社会学研究 | 1937 | 泰山房 | |
[翻訳書]エーヴ・キュリー『キュリー夫人伝』(共訳) | 1938 | 白水社 | |
[翻訳書]ディドロ『ラモオの甥』(共訳) | 1940 | 芝書店 | |
フランス革命史 | 1948 | 小石川書房 | |
フランス自然主義文学(共著) | 1948 | 小石川書房 | |
近代フランス社会思想の成立 | 1949 | 日本評論社 | |
社会思想史―あるいは思想の社会史― | 1951 | 培風館 | |
社会学入門―史的唯物論による基礎づけ― | 1958 | 倍風館 | |
社会学史入門―社会史的考察― | 1962 | 培風館 | |
[翻訳書]アジア的生産様式の問題(訳編) | 1968 | 岩波書店 | |
フランス社会思想研究(全三巻) | 1968 | 法政大学出版局 | |
旃陀羅の子―ある心の遍歴― | 1970 | 法政大学出版局 | |
科学的認識へのあゆみ―社会学とわたし―(著作集) | 1973 | 新日本出版社 |