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兵庫ゆかりの作家

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しせん士川

  • ジャンル: 俳人
  • 出身:灘

PROFILE

【兵庫県との関係・略歴】
士川宛の蕪村の書簡に「御酒いつまでも相待ち罷りあり候」(天明3年(1783)2月4日付)と酒を無心する旨の文面が見える。士川は灘大石の酒造家の当主、松岡甚右衛門。屋号は松屋。一族のうちには、士川とともに俳諧をたしなむ士喬、士巧という弟たちがいた。
蕪村はこの裕福な一族を頼りにすることが多かったようで、大魯や月居など、多少問題のある自分の弟子たちの面倒をみてもらっている。これも蕪村の弟子の一人、月渓を紹介するにあたって「なかなか大魯・月居がごときの無頼者にては御座なく … 勿論画は当時無双の妙手にて候」(天明3年9月14日付)と添え状のごとき文面を送っている。士川らにしても、やっかいなことと思いながらも蕪村の頼みを聞き入れるのは、大家の人の鷹揚な人柄にもよるのであろうが、やはり蕪村その人への信頼の証しでもあろう。
蕪村の夜半亭を継いだ几董の『新雑談集』は、「士川は摂灘のあひだに、さうなき俳諧の好人也」と士川を称えている。その几董は、伊丹にある士川の別荘で生涯を終えた。士川らは最後まで夜半亭一門の後ろ盾であった。

――里や春梅の夕べとなりにけり――       士川
――篝(かがり)してくらき鵜飼がうしろかな――  士喬
       蕪村翁追悼
――千金の宵の明星かくれけり――         士巧

逝去地
兵庫県との関係
生誕・居住
もっと詳しく知るために
摂西兵庫俳諧史 坂井華渓 1959 昭和34年 みるめ書房

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