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兵庫ゆかりの作家

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おにつら鬼貫

  • 寛文元~元文3
  • ジャンル: 俳人
  • 出身:伊丹

PROFILE

【兵庫県との関係】
摂津国伊丹の酒造業油屋の3男に生まれる。
 伊丹資本を背景として乞われて各地の藩政改革に赴く。貞享2年(1685)に学問修行のために大坂に出て以降、一時の帰郷を別にして故郷に住んだのは、元禄8年(1695)~16年の間で、後は大坂・京に住むことが多かった。
【略歴】
若くして俳諧に嗜み、維舟に点を受け、伊丹に来住した維舟門宗旦に教えを受け、宗因にも心を寄せる。
 貞享2年に大坂に出、翌々年の三池藩出仕に始まって郡山・越前大野に仕えるが、仕官の話が出ても藩内の反対で仕官のならなかったこともしばしばだった。
 元禄元年~3年の間に「まことの他に俳諧なし」と「大悟」したという。このころから芭蕉に親近感を持って、後に、蕉門と交わるようになる。
 口語調の俳諧に特徴がある。享保3年(1718)3月、京都で有賀長伯に古今集誹諧歌の伝授を受ける。
 町人の出だが、生涯、武士としての矜持を保ち、俳諧は余技と考えていた。自伝に『藤原宗邇伝(ふじわらむねちかでん)』、俳業の記録に『仏兄七久留万(さとえしちくるま)』がある。
 大坂の鳳林寺に葬られたが、間もなく伊丹の墨染寺に幼なくして亡くなった長男と合葬の形で故郷塚が建てられた。

――そよりともせいで秋立つことかいの――(『とてしも』)

逝去地
大坂
兵庫県との関係
生誕 伊丹
もっと詳しく知るために
鬼貫全集 増補版 岡田利兵衛編 1971 昭和46年 角川書店
元禄名家句集 荻野清編 1954 昭和29年 創元社
伊丹の俳人上嶋鬼貫 櫻井武次郎 1983 昭和58年 新典社
上島鬼貫 坪内稔典 2001 平成13年 神戸新聞総合出版センター

代表作品

作品名刊行年版元備考
犬居士(句日記)1690収録:『鬼貫全集』
大悟物狂(俳諧撰集)1690収録:『元禄俳諧集』(新日本古典文学大系71)
仏の兄(俳諧撰集)1699収録:『鬼貫全集』
独ごと(俳論書)1718収録:『鬼貫の『独ごと』全訳注』(復本一郎著 講談社学術文庫)
仏兄七久留万(発句集。写本)収録:『鬼貫全集』
藤原宗迩伝(自伝。自筆本)収録:『鬼貫全集増補版』

文学碑

場所 碑文
伊丹市伊丹1丁目JR伊丹駅南荒村寺 古城や茨くろなる蟋蟀     鬼貫
伊丹市伊丹2丁目JR伊丹駅前 (前書略) 月花を我物顔の枕かな     おにつら
伊丹市昆陽池3丁目昆陽池公園中央分離帯南樹林内 月なくて昼は霞むやこやの池     おにつら
伊丹市昆陽池3丁目昆陽池公園北部樹林帯の蓮池南 世を泥と見る目も白き蓮かな     鬼貫
伊丹市鈴原町7丁目遍照寺 骸骨のうへを粧て花見哉     鬼貫  観る心花七日より哀なり     曲阜
伊丹市中央3丁目5住友銀行前 月はなし雨にて萩はしほれたり     おにつら
伊丹市中央3丁目住友銀行伊丹支店 によっぽりと秋の空なる富士の山     鬼貫
伊丹市中央6丁目墨染寺 秋は物の月夜鳥はいつも鳴        おにつら  わらふなようかれからすも月の友     照顔斎
伊丹市東野2丁目瑞ヶ池バス停前 咲からに見るからに花のちるからに     おにつら
伊丹市船原1丁目1伊丹小学校庭南 行水のすてところなき虫の声     おにつら
伊丹市緑ヶ丘1丁目緑が丘公園遊園地横 おもしろさ急には見えぬすゝき哉     鬼貫
伊丹市宮の前3丁目猪名野神社 鳥は末口もほどけず初桜     鬼貫

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