ばしょう芭蕉
- 正保元~元禄7
- ジャンル: 俳人
- 出身:伊賀上野
PROFILE
【兵庫県との関係】
『笈の小文』の旅の途中、貞享5年(1688)4月19日に大坂を発足、尼崎から海路、兵庫に至り、20日に陸路で明石まで足を伸ばして須磨に1泊(ここまでが『笈の小文』に記される)、その後、布引の瀧に上った後、乙女塚などを見て山崎街道を京に向かった。
【略歴】
別号を桃青。伊賀国上野(現・三重県上野市)に生まれ、藤堂藩侍大将の藤堂新七郎家に仕える。
俳諧師として身を立てようと延宝3年(1675)ごろ江戸に下り、やがて宗匠となるが同8年冬に深川に隠棲。貞享元年(1684)の『野ざらし紀行』の旅から最晩年に至るまで庵と旅の生活を繰り返し、大坂で客死。近江の義仲寺に葬る。処女撰集の『貝おほひ』を除いて生前に自己の名による出版はなかった。
芭蕉と一門の「蕉風俳諧」は、俳諧を文学の域に高めたと評価され、後世に大きな影響を与えた。
――須磨寺や吹かぬ笛きく木下闇(こしたやみ)――(『笈の小文』)
- 逝去地
- 大坂
- 兵庫県との関係
- 訪問 須磨・明石
- もっと詳しく知るために
-
校本芭蕉全集 全10巻 1987?1991 昭和62年?平成3年 富士見書房
新編芭蕉大成 尾形仂他編 1999 平成11年 三省堂
芭蕉全図譜 大谷篤蔵監修 1993 平成5年 岩波書店
芭蕉年譜集成 今 栄蔵著 1994 平成6年 角川書店
芭蕉(増補国語国文学研究史大成12) 1977 昭和52年 三省堂
代表作品
作品名 | 刊行年 | 版元 | 備考 |
---|---|---|---|
貝おほひ(俳諧発句合) | 1672 | 収録:『校本芭蕉全集』 | |
泊船集(俳諧句集) | 1698 | 収録:『俳諧叢書7』 | |
おくのほそ道(俳諧紀行文) | 1702 | 収録:『おくのほそ道』(角川文庫) | |
笈の小文(俳諧紀行文) | 1709 | 収録:『校本芭蕉全集』 | |
笈の小文 | 「笈の小文」とは、文字どおり、旅中の「笈」の中の「小記」の意味で、芭蕉は自身や門人の秀作を書き記した「笈の小文」を作って持ち歩いていたという。内容は、芭蕉の旅行観などを記した文章や紀行の句文など一貫したものではなく、草稿的性格が見られる。 |
文学碑
場所 | 碑文 |
---|---|
尼崎市寺町長遠寺 | はつ時雨さるも小簑をほしけ也 はせを |
尼崎市南城内 桜井神社 | 秋深き 隣は 何をする人ぞ 芭蕉 |
宍粟市山崎町船元船元墓地 | 此の道や行く人なしに秋のくれ 二夜庵年■謹書 芭蕉翁 |
三木市口吉川町桃坂天満神社 | 花の陰謡に似たる旅寝哉 芭蕉 |
篠山市草ノ上左近神社 | 結ぶよりはや歯にひびく清水かな すっしさの外なし神に匂ふ時 嵐更 |
伊丹市北伊丹5丁目19番地先 | 芭蕉碑(芭翁蕉あゆみの地) |
洲本市寺町遍照院 | もの言へば唇寒し秋の風 はせを |
南あわじ市西淡町松帆檪田願海寺 | ひらひらと揚る扇子や雲の峰 はせを |
たつの市揖保川町馬場高西王典氏邸 | 芭蕉翁 枝ぶりの日に日にかはる芙蓉かな |
洲本市本町4丁目厳島神社 | 雲折々人を休むる月見哉 はせを |
南あわじ市賀集賀集八幡宮手洗舎 | 梅が香にのつと日の出る山路かな はせを |
たつの市御津町室津寂静寺 | 芭蕉翁 |
高砂市伊保町竜山加茂神社 | 花咲いて七日鶴見るふもとかな 翁 梅室謹書 |
南あわじ市沼島蓬光寺(乗船場左丘) | うめが香にのっと日の出る山路哉 はせを |
たつの市新宮町下野田興聖寺(こうしょうじ) | 名月に麓の霧や田のくもり 芭蕉翁 |
明石市人丸山展望台 | 影たのめ此涼しさの柿の本 千尋 |
南あわじ市中条広田(国道中山バス停東)奈良氏邸 | 名月にふもとの霧や田のくもり はせを |
小野市浄谷町浄土寺 | すゞしさは飛騨の匠の指図哉 芭蕉 |
たつの市龍野町日山浄心院 | 三尺の山もあらしの木の葉かな 芭蕉翁之吟 |
南あわじ市上幡多二宮拝殿(向かって左脇) | 花ざかり山はひごろのあさぼらけ はせを |
加東市東条町新定安国寺 | 芭蕉碑 ふる池の流に遊ぶ蛙哉 |
たつの市龍野町日山粒坐天照神社 | 何の樹の花とはしらずにほひ哉 |
豊岡市出石町馬場称名寺 | 先たのむ椎の木もあり夏木立 |
加東市社町平木清水寺 | 芭蕉翁発句塚(芭蕉) 名月やどの山見ても皆低き 八十六翁 古谷 |
淡路市淡路町岩屋恵美須神社 | 子規きえゆくかたや嶋ひとつ はせを 素芯(梅室)拝書 |
豊岡市城崎町城崎温泉月見橋 | くもおり□人をやすめる月み哉 (□はくの字点) |
相生市古池本町古池公園(長池畔) | 古池や蛙とびこむ水の音(芭蕉) おぼろに錆し石ぶみの月(津田布蝉) |
神戸市須磨区一の谷町須磨浦公園 | 蝸牛角ふりわけよ須磨明石 芭蕉翁 |
淡路市一宮町郡家志智佳文氏邸 | 春もやゝけしきとゝのふ月と梅 翁 |
豊岡市木内瑞峰寺 | 山陰や身を養んふりばたけ(芭蕉) 時鳥声ゆくかたの闇ふかし(野牛) |
明石市中崎1丁目明石市民会館前 | かたつぶり角ふりわけよすまあかし |
神戸市須磨区須磨寺町1現光寺 | 見渡せばながむれば見れば須磨の秋 |
洲本市五色町鮎原栢野地蔵寺 | 花の陰うたひにゝたる旅寝かな はせを |
丹波市青垣町桧倉高源寺 | 何木の花ともしれぬ匂かな |
明石市人丸町2-6明石天文科学館 | ほとゝぎすきえ行かたや島ひとつ 芭蕉翁 |
神戸市須磨区須磨寺町4須磨寺 | 須磨寺やふかぬ笛きく木下闇 はせを |
洲本市五色町鳥飼中鳥飼八幡宮参道 | 翁 しばらくは花の上なる月夜哉 応需並山書 |
丹波市春日町野村観音堂 | 粟稗に貧しくもあらず草の庵(芭蕉) 朝よさは独流るゝ清水哉(感山) |
明石市人丸町柿本神社 | 蛸壷やはかなき夢を夏の月 はせを |
神戸市須磨区禅昌寺町禅昌寺 | 友まつと見えず紅葉に一人かな |
西宮市社家前1-17西宮神社 | 春もやゝけしきとゝのふ月と梅 はせを によっぽりと秋の空なる富士の山 おにつら |
丹波市山南町和田法性寺 | 梅が香にのっと日の出る山路哉 |
赤穂市尾崎宮山如来寺 | 早苗塚 惟然 寒瓜 |
神戸市中央区楠町7廣巌寺 | 鉄肝石心此 人之情 はせを なでしこにかゝる涙や楠の露 |
西宮市社家前1-17西宮神社 | 扇にて酒くむかげやちる桜 芭蕉 |
丹波市氷上町常楽高山寺 | 名月に麓のきりや田の曇り(芭蕉) 靄のくるみちは何處ぞ秋の空(由儀) |
赤穂市塩屋寺田乙彦氏邸 | 百年のけしきを庭の落葉かな はせを |
神戸市兵庫区門口町福厳寺 | 百年塚 |
姫路市継458-1 | はつしぐれ猿も小簑をほしげなり |
美方郡新温泉町湯村薬師堂 | けふばかり人も年よれはつしぐれ |
赤穂市塩屋東阿弥陀堂 | 柴の戸の月やそのまゝあみだ坊 はせを翁 |
佐用町三日月町茶屋福仙寺 | 三日月や地は朧なる蕎麦畠 芭蕉吟 |
姫路市白国3丁目随願寺(新風羅堂跡) | 簑塚(芭蕉扇、惟然、千山) |
養父市養父町養父神社参道入口 | 花見んとさすふね遅し柳原(芭蕉) 見るうちや花にこたゆる斧の音(鳳兮) 菊の名を問しまふたりわすれたり(蘆丸) 側面 子規卯月八日の壹聲□ 至峰 凪の雲起るや雪の夕山邊 馬並 |
尼崎市寺町長遠寺 | はつ時雨さるも小簑をほしけ也 はせを |
宍粟市山崎町段観音堂 | 木の下は汁も膾もさくらかな 芭蕉翁 |
姫路市林田町林谷薬師寺 | 降らずとも竹植ゆる日は簑と笠 はせを |
篠山市王地山まけきらい稲荷 | しばらくは花の上なる月夜かな |