女の顔(星神) 1931(昭和6)年頃 木版・紙 当館蔵
(前期展示: 1月17日まで 後期展示: 1月19日から)
激動の昭和初期、独自の幻想的ヴィジョンを木版に刻み続けた鬼才・谷中安規(1897-1946)。
本展では、長年に渡って安規の研究と収集に情熱を燃やし続けたM氏の珠玉のコレクションを蔵出し初公開!
当館と京都国立近代美術館の収蔵品を加えた約170点を一堂に展示、
比類なき谷中の版画世界を概観します。
昭和初期、戦中から戦後にかけての激動の時代にあって、独自の幻想的ヴィジョンを木版に刻み続けた版画家・谷中安規(たになか・やすのり 1897 - 1946)。
明治末期から昭和初期にかけて数多くの個性的な版画家を輩出した創作版画運動(※)にあって、とりわけ異彩を放つ作家のひとりです。
生前、同業の仲間や一部の文学者たちから高い評価を受けつつも、世俗的な名声とは無縁なままに世を去りましたが、1970年頃から彼の名は徐々に一般にも知られるようになります。とくに近年は、各地で開催された展覧会などによって、その人気はさらに高まりを迎えました。
こうした谷中安規の再評価において不可欠な役割を演じたのが長年に渡って谷中の研究と収集に情熱を燃やし続けたM氏のコレクションです。
本展では、珠玉のM氏コレクションを中心に、当館と京都国立近代美術館の収蔵品を合わせた約170点の作品と資料を前後期に分けて展示します。
『白と黒』や『版藝術』といった創作版画誌などで発表した作品から、内田百フや佐藤春夫の著書をはじめとする様々な書籍に提供した挿絵や装丁の仕事まで、谷中の版画世界を主題と技法・材質の両面から概観し、2016年に没後70年を迎える谷中の画業を顕彰します。
※版画運動: 明治末期に山本鼎や石井柏亭らによって提唱され、大正から昭和初期にかけて隆盛した版画運動。日本の伝統的な版画が絵師・彫師・摺師の分業で制作されたのに対し、ひとりの版画家がすべての工程を単独でおこなう「自画・自刻・自摺」を旨とした。
→ 会期・観覧料 → 展覧会構成 → 関連イベント
奇想の版画家 谷中安規展
→ 谷中安規 略歴 → 作品リスト
→ 版画大行進! → 作品リスト
→ 同時開催の特別展 「ジョルジョ・モランディ展」
→ 同時開催の展覧会 「チャンネル6 国谷隆志展」
ムッテル・ショウス(ムッター・ハウス) 1933(昭和8)年
木版、手彩色・紙 M氏コレクション
鍵 1933(昭和8)年 木版・紙 M氏コレクション
少年礼讃 1937-39(昭和12-14)年
木版・紙 M氏コレクション
新月(天使と裸婦) 1936-39(昭和11-14)年
木版・紙 M氏コレクション