《Spaceless Spaces(2011)》 2011年 息、ガラス、ネオン、アルゴン、変圧器、コード


 国谷隆志(くにたに・たかし)は、鏡や紙幣、砂時計、羽毛などをモチーフにして、ものの固有性を詩的に増幅させるような作品をつくってきました。なかでも独自に加工したネオン管を、場を取り込んで展示する作品は、彼の興味をよく物語っています。
 国谷はまず、ネオン管を熱して息を吹き入れ、連続した膨らみをつくります。そしてそれに配置するにあたり、本来は表に出ない変圧器やコードもあえて一緒に見せます。こうすることによって、構造をあらわにしたネオン管が、サインとしてでも照明としてでもないままで、連なった球状の光をゆらゆらと浮遊させる不思議な空間を生むのです。
 本展覧会のタイトル“Deep Projection(深い突起)”は、一見すると逆説的で意味を捉えがたいのですが、実は、展示室の高さと奥行きに国谷がどのように働きかけるかに深く関係しています。会場でぜひ、その意味について考えてみてください。
 また、当館所蔵のアルベルト・ジャコメッティ作品に呼応する形で、国谷が継続して制作しているネオン管によるシリーズ《Untitled》の新作も展示します。

《Spaceless Spaces (October)》
 2012年 息、ガラス、アルゴン、変圧器



《Sand Piece(35°0′ 31.7″ N 135°45′ 58.74″ E)》 
2013年 ガラス、砂、ステンレススティール

 注目作家紹介プログラム”チャンネル”とは
 チャンネル(channel)という単語には「海峡」や「水路」、美術館の前にもある「運河」、テレビやラジオの「チャンネル(局)」、「思考・行動の方向」、さらには何ものかとの「交信」など、様々な意味があります。そこに共通するのは「何かと何かをつなぐこと」。美術館を訪れる人と、同じ時代を生きるアーティストとがつながっていくことを願って、タイトルを“チャンネル”としました。


 会期等 
会 期 2015年10月29日(木)~11月29日(日)
休館日 月曜日 (ただし、11月23日(月・祝)は開館)、11月24日
開館時間 午前10時~午後6時
金・土曜日は午後8時まで (ただし、11月27日・28日は午後6時まで)
会 場 兵庫県立美術館ギャラリー棟1階 アトリエ1、エレベーターホール
観覧料 無料
主 催 兵庫県立美術館
後 援 公益財団法人伊藤文化財団、公益財団法人中内力コンベンション振興財団


 関連事業 
アーティスト・トーク
2015年11月1日(日) 午後2時~3時30分
レクチャールームにて  聴講無料(定員100名) 
※ 兵庫県立美術館「芸術の館 友の会」共催事業


 作家 略歴 
 国谷 隆志(くにたに たかし)
    1974年京都生まれ、1997年成安造形大学立体造形クラス卒業、現在京都を拠点に活動
    国谷さんのホームページ http://takashikunitani.com/?lang=ja

 
 個 展
2014 Momentary Shape (アートスペース虹/京都)
Lighter Colour(space_inframince/大阪)
2013 35°0'31.7”N 135°45'58.74”E (Gallery PARC/京都)
SEIAN ARTS ATTENTION VOL.5 35°6' 29.15”N 135°54' 9.63”E(成安造形大学ライトギャラリー/滋賀)
2012 make a mistake in choosing (Gallery PARC/京都)
two passages、Nuit Blanche Kyoto 2012 (京都芸術センター/京都)
2011 Mars (Gallery PARC/京都)
2008 Untitled Series(Contemporary Art and Spirits CAS/大阪)
2007 The Vertical Horizon(大阪府立現代美術センター/大阪)
2005 OMOTE-NASHI『国谷隆志』展(Contemporary Art and Spirits CAS/大阪)
a piece of work : KUNITANI Takashi Exhibition(a piece of space APS/東京)
2004 Between Ground And Sky(YAEMON/京都)
What you have known for some time(ギャラリーココ/京都)
2003 YOUR PRIVATE SURROUNDINGS(YAEMON/京都)
クリテリオム54(水戸芸術館/茨城)
SPARKLE(ギャラリーココ/京都)
2002 Nothing Like Object(ギャラリーそわか/京都)
Complete your space(ギャラリーSEN/大阪)
2001 Complete your space(ギャラリーココ/京都)

 グループ展
2015 RESONANCEⅢ(ギャラリー揺/京都)
2014 twisted parallel code(Gallery PARC/京都)
COVER3 (Contemporary Art and Spirits CAS/大阪)
2013 Pavilion 0 (Signum Foundation Palazzo Donà/ヴェネチア)
2012 アブストラと12人の芸術家 (大同倉庫/京都)
2011 モトコーART train (神戸元町高架下通商店街/神戸)
2010 NEW WORKS「接続熱源」(ギャラリーほそかわ/大阪)
2009 MASSIVE PROGRESSION(GALLERY ARTISLONG/京都)
2008 LOCUS(神戸アートビレッジセンター/神戸)
Art Court Frontier 2008 #6(アートコートギャラリー/大阪)
第11回 岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)(川崎市岡本太郎美術館/川崎市)
2007 Curator's Eye 2007(ギャラリーマロニエ/京都)
2006 Look-in vol. 1(CUBIC GALLERY/大阪)
2005 OMOTE-NASHI(YAEMON/京都)
City_net Asia 2005(ソウル市立美術館/韓国)
2004 Premonition -S-(ギャラリーそわか/京都)
2003 TAMA VIVANT 2003 とらえられたかたち(多摩美術大学/東京)
NEW GENERATION 03(海岸通ギャラリー・CASO/大阪)
2002 NEW TOWN ART TOWN(山陽団地/岡山)
2001 京都府美術工芸新鋭選抜展 〜2001新しい波〜(京都文化博物館/京都)


 

 
  上:《Handout (Solaris)》 2013年 本のページ
  下:《Untitled (For Robert Ryman)》 2014年 ネオン管、
     変圧器、ガラス、スティール
 
   《Mirror Site(5000) No.1-5》 2013年 引っ掻き傷を 
   付けたステンレススティール、アクリル絵の具、パネル
    All photos by: Takateru Kusaki


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