兵庫県立美術館 県美プレミアム 2015年11月21日(土)〜2016年3月6日(日)
会期・観覧料関連イベント
展覧会構成


奇想の版画家 谷中安規展
展示室1・2

谷中安規《少年礼讃》1937〜39年頃
M氏コレクション
昭和初期、戦中から戦後にかけての激動の時代、独自の幻想的ヴィジョンを木版に刻み続けた版画家・谷中安規(1897-1946)。明治末期から昭和初期にかけて隆盛した創作版画運動にあって、とりわけ異彩を放つ作家のひとりです。

本展では、当館の収蔵品のみならず、長年に渡って谷中の研究と収集に情熱を燃やし続けたM氏の珠玉のコレクション、さらには京都国立近代美術館の収蔵品を加えた約170点の作品と資料を一堂に展示します。『白と黒』や『版藝術』といった創作版画誌で発表した作品から、内田百フや佐藤春夫の著書など様々な書籍に提供した挿絵や装丁の仕事まで、比類なき谷中の版画世界を主題と技法・材質の両面から概観します。
谷中安規展ページへ


版画大行進!(ハンガ・オンパレード) [日本編]
展示室3
ここでは、小企画「谷中安規展」に関連し、当館が誇る日本近代の版画コレクションのなかから名品を精選して展示します。

名所絵の伝統を受け継ぐ最後の浮世絵師・小林清親から、自画石版による風景画で知られる織田一磨、浮世絵復興の「新版画」の川瀬巴水、谷中安規と並ぶ「創作版画」の代表的作家である前川千帆や川西英、戦後版画の旗手と呼ぶべき浜田知明、駒井哲郎、池田満寿夫、今日を代表する木口木版画家である柄澤齊にいたるまで、約20人の作家による傑作によって明治から昭和にかけての版画の流れをたどります。

織田一磨《大阪風景 道頓堀》
1917年

前川千帆《花売(大顔)》
     1951年
                                            作品リスト


版画大行進!(ハンガ・オンパレード) [海外編]
展示室4

ジェームズ・アンソール
《人間の群れを狩り出す死》 1896年
ルネサンス以降今日にいたるまで長い版画の伝統を有す西洋では、銅版画、木版画、石版画など様々な技法を発展させてきました。特に近代には、絵画の複製や書籍の挿絵といった従来の役割を超えた、芸術としての自立性を持つ作品が数多く生み出されました。

今回の展示では、ゴヤ、ルドン、クリンガー、アンソール、コルヴィッツ、ルオー、エルンスト、デュビュッフェ、ヘイター、ジャスパー・ジョーンズという10人の巨匠たちの名作をピックアップし、西洋版画の豊穣な世界の一端を紹介します。


版画大行進!(ハンガ・オンパレード) [海外編]
展示室5
当館は、版画とともに彫刻を収集の柱のひとつに据えてきました。展示室5では、ロダンに始まる近現代の彫刻の名作を紹介します。
また、当館の設計者である建築家・安藤忠雄の業績の一部を模型、写真、映像などで紹介するコーナーを展示室東側に併設します。


小磯良平記念室・金山平三記念室
小磯良平記念室・金山平三記念室
神戸生まれの小磯良平(1903-1988)は、近代洋画を代表する巨匠のひとり。確かなデッサン力に裏打ちされた人物像は、現在も私たちを魅了します。小磯の代表作を展示する記念室では、小磯がどのように画面を構成し、理想的な空間を描こうと試みたのか、当館が所蔵する代表作《斉唱》などの人物像を中心に紹介します。

同じ神戸に生まれた金山平三(1883-1964)は日本各地を旅行して描いた風景画で知られています。旅先に逗留し、自らの描きたい風景を追求して描きました。今回の展示では、代表作《大石田の最上川》など、金山が好んで描いた冬の風景画をご覧いただきます。

小磯良平《腰かける婦人》
1938年


近代絵画名品選
展示室6

飯田操朗《風景》
1932年
展示室1・2でご覧いただいた谷中安規は、様々な幻視的イメージを繰り出す一方、既知のモチーフを用いながら異物感に満ちた世界をつくりあげました。ここでは、当館が所蔵する近代の洋画および日本画の中から、谷中のイメージやモチーフを念頭に選出した作品を展示します。

いくつかの作品は、谷中と同じ時代の空気を吸うことで生み出され、またいくつかの作品は、人間の内奥にうごめくものを時代を超えた共通の基盤として生み出されました。これらの作品を、「聖と俗の女性のすがた」「都市の姿と不思議な光景」「こども・動物・神様・仏様」「うごめくものたち」のキーワードをもとに展示します。


県美プレミアム
館外作品を中心とした小企画展:奇想の版画家 谷中安規展 収蔵品によるテーマ展:版画大行進!

会期・観覧料   ← 関連イベント
同時開催の特別展 「ジョルジョ・モランディ展」
同時開催の展覧会 「チャンネル6 国谷隆志展」