きんようわかしゅう金葉集(正式には「金葉和歌集」)
- 勅撰和歌集
概要
【作者】
白河上皇の院宣により、源俊頼が撰進した。
【成立年】
天治元年(1124)に撰集を終えて奏覧したが、上皇の意にそまず返却された。これが初度本である。翌2年に二度本を奏覧したが、これも上皇の意にそまず返却。さらに翌大治元年(1126)に三奏本を奏覧して受納されたが、三奏本は上皇に奏覧した本の系統しか残らなかったので、一般には二度本が用いられている。
【備考】
従来の勅撰和歌集が全二十巻の形態であったのに対して、これは藤原公任撰の『拾遺抄』にならった全十巻の形態をとっている。自由で明快な表現が特色となっている。
兵庫県との関係
秋に「明石の瀬戸」「明石の浦」「明石の浦風」が、冬に「猪名(いな)の伏原」「昆陽(こや)の池水」が、冬に「としまが崎」「淡路島」「須磨の関守」が、恋上に「須磨の浦」「須磨の浦」「入佐の山」が、恋下に「飾磨(しかま)」が、雑上に「布引の滝」がよまれている。
もっとくわしく知るために
『金葉和歌集の研究』 笠間書院 平沢五郎
テキスト
新日本古典文学大系『金葉和歌集・詞花和歌集』 岩波書店
和泉古典叢書『金葉和歌集』 和泉書院