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義経記

  • 巻号:巻第四
  • 作者:未詳

内容

比(ころ)は十一月上旬の事なれば、霰交(あられまじ)りて降りければ、東西の磯も見え分かず。麓には風烈しく、摂津国武庫山颪(おろし)、日の暮るゝに随ひて、いとゞ烈しくなりにけり。判官楫取(かんどり)水手に仰せられけるは、「風の強きに帆を気長に引けよ。」と仰せられければ、帆を下さんとすれ共、雨に濡れて蝉本(せみもと)つまりて下らず。弁慶片岡に申しけるは、「西国の合戦の時度々大風に会(あ)ひしぞかし。綱手を下げて引かせよ。苫(とま)を捲(ま)きて附(つ)けよ。」と下知しければ、綱を下げ、苫を附けれども、少しも効(しるし)なし。

場所

武庫山 (むこやま)

現在地

神戸市灘区・東灘区の背後にある武庫山(六甲山)のこと

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