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平家物語

  • 巻号:巻第九
  • 作者:未詳

内容

おそばにありながら、ちッとまどろみたりけるひまに、北の方やはらふなばたへをきいでゝ、漫々(まんまん)たる海上なれば、いづちを西とはしらね共(ども)、月のいるさの山のはを、そなたの空(そら)とやおもはれけん、しづかに念仏したまへば、沖のしら洲(す)に鳴く千鳥、あまのとわたる梶(かぢ)の音(おと)、折からあはれやまさりけん、しのびごゑに念仏百返(ひやつぺん)ばかりとなへ給ひて、「なむ西方極楽世界教主(さいほうごくらくせかいけうしゆ)、弥陀如来(みだによらい)、本願(ほんぐわん)あやまたず浄土(じやうど)へみちびき給ひつゝ、あかで別れしいもせのなからへ、必ずひとつはちすにむかへたまへ」と、なくなくはるかにかきくどき、なむととなふるこゑ共に、海にぞしづみたまひける。

場所

入佐の山 (いるさのやま)

現在地

兵庫県出石郡出石町神美(かみよし)

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