内容

同（おなじき）六月九日、新都の事はじめあるべしとて、上卿（しやうけい）徳大寺左大将実定（しつてい）の卿、土御門の宰相中将通親の卿、奉行の弁には蔵人左少弁行隆、官人共めしぐして、和田の松原の西の野を点じて、九城（きうじやう）の地をわられけるに、一条よりしも五条までは其所あつて、五条よりしもはなかりけり。行事官かへりまいつてこのよしを奏聞す。さらば播磨のいなみ野か、なを摂津国の児屋野かなんどいふ公卿僉議（せんぎ）ありしかども、事ゆくべしともみえざりけり。

場所

印南野 (いなみの)

現在地

兵庫県加古郡および加古川市から東方明石市にかけての平野

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