スタジオジブリ制作のアニメーション映画「借りぐらしのアリエッティ」(2010年7月公開)で描かれた小人の世界が、巨大なセットとして兵庫県立美術館の展示室に出現します。セットを制作するのは今最も注目されている映画美術監督・種田陽平。彼は、「キル・ビルVol.1」、「THE
有頂天ホテル」、「フラガール」など、数々の話題作を手がけ、国内外で高い評価を受けている美術監督です。
暮らしに必要なものを人間の家から借りてくる「借りぐらし」を営む小人の少女アリエッティとその両親。映画「借りぐらしのアリエッティ」では、人間に見つからないように用心深く慎ましく、でも豊かに生きる彼らの生活と、アリエッティと人間の少年・翔との心の交流が鮮やかに描き出されました。
本展では、種田陽平が実写映画の技を惜しみなく注ぎ込みセットとして創り出したアリエッティの家の中に入り、その世界を体感していただくというものです。さらに、スタジオジブリの手による映画のイメージボードや背景画といった貴重な制作資料も原画で展示します。
また展覧会の後半では、映画全体の世界観を決定する上で重要な役割を担う「映画美術」に焦点を当て、美術監督・種田陽平がこれまでに手掛けた実写映画美術の多岐にわたる仕事を、場面写真やセットの模型などの資料でご紹介します。種田陽平の優れた創造力と芸術性が遺憾なく発揮されたこれらの展示を通して、映画の世界観と魅力を存分に味わっていただけることでしょう。 |