Permanent Collection Gallery 1,4
〈常設展示室1、4〉
美術に何ができるのか―阪神・淡路大震災による甚大な被害を前に、美術に携わる人々は作家、美術館職員も含め皆そのような思いをもったことでしょう。惨状を記録した絵画、版画、写真、震災前の記憶を呼び起こさせる作品、支援のために寄せられた作品、震災を忘れない表象となる作品等々、震災直後そして時の経過とともにさまざまな作品がさまざまな思いを抱く人々により制作され、震災から救い出された作品も含め、それらの一部が縁あって1995年以降当館のコレクションに加わりました。
第一部では、震災後に当館収蔵となった作品を展示するほか、特別展「1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち」に出品する束芋の作品を、特別展と連動するかたちで展示します。加えて震災で損傷しその後修復された彫刻作品を、その修復過程とともに紹介します。

福田美蘭
《淡路島北淡町のハクモクレン》 2004年

ジョルジュ・ルース
《神戸》 1995年

棚田康司
《たちのぼる―少年の場合》 2012年

西田眞人
《瓦礫の街》 1996
Revitalized Works: Restoring Sculpture
Permanent Collection Gallery 5
1995年の阪神・淡路大震災では多くの彫刻作品が損傷しました。当時展示中の58点のうち30点が落下転倒し、展示室以外のところにあった22点が損傷したという記録があります。それらはただちに状態調査が行われ、専門家による修復が行われました。ここでは震災で被害を受け、修復された作品をその修復過程とともに紹介します。修復で蘇った作品をとおして、修復家による入念な準備と慎重な作業、後世に継承するために作品に注がれた情熱と技術について考えます。

ジャン・アルプ
《陽気なトルソ》1965年

北村正信
《つぼみ》 1932年