コレクション展2 小企画 「美術の中のかたち−手で見る造形」 藤本由紀夫 shadow-exhibition obscura- 2009年7月25日(土)〜2009年11月29日(日)

平成元(1989)年度より開催している「美術の中のかたち−手で見る造形」展は、従来視覚のみに偏っていた美術鑑賞の機会を、視覚に障害のある方々にも提供し、あわせて作品に手で触れることで、すべての方々にさえできる感覚器官を通じて美術鑑賞の在り方を探ってもらおうという試みで、今年で20回目を迎えます。今回は「きく・みる・さわる」をテーマに、私たちがいつも美術に接する時とは少し異なった視点、感覚を呼び起こそうとすることを目的とし、鑑賞者自身の五感で美術を体験していく中で、美術の楽しさを味わってもらう試みです。彫刻に触ったり、薄暗い明かりの中で木版画をみたり、音を体験する作品など、一味違う美術鑑賞を提案します。
今回の展示は、サウンドアーティスト、藤本由紀夫氏(1950年〜)の作品に、当館の所蔵品を加え、展示室全体を「体験する展覧会」として企画構成したものです。この展覧会は、企画者(プランニング)、案内役(ナビゲーター)として藤本由紀夫氏を招き、当館との共同作業(コラボレーション)によって開催されます。
※Obscuraは、カメラの原型となった装置、camera obscura(カメラ・オブスクラ)に由来し、ラテン語で「暗い」という意味です。
  

展示の試み
きく  藤本由紀夫氏は、サウンドアーティストとして活躍しています。その作品は、普通私たちが聞き慣れた音楽や音ではなく、聞き取りにくい音や、複雑に絡む音など意識的に聞き取ろうとすることによって、聞こえてくる音の世界を表現しています。

みる  美術作品を見ることが即理解することにつながるとはいえません。あえて視覚的に暗い空間で美術作品を見ることによって、これまでに見えなかった新たな発見や作品のもつ意味が見えてきます。薄明かりの展示室、そして版画作品を裏側からの光で照らすなど今までにない照明方法を試みます。

さわる  例年の『美術の中のかたち』の内容と同じく、彫刻作品を「さわる」ことを通じての鑑賞を試みます。「きく」「みる」とあわせて五感を刺激することで、美術作品との距離をより近くします。

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