播磨国風土記
- 巻号:印南の郡
- 作者:未詳
内容
一家(あるひと)いへらく、印南(いなみ)と号(なづ)くる所以(ゆゑ)は、穴門(あなと)の豊浦(とよら)の宮に御宇(あめのしたしろ)しめしし天皇(すめらみこと)、皇后(おほきさき)と倶(とも)に、筑紫の久麻曽(くまそ)の国を平(ことむ)けむと欲(おもほ)して、下り行(い)でましし時、御舟(みふね)、印南の浦に宿りましき。此の時、滄海甚(うなばらいた)く平(な)ぎ、波風和(やはら)ぎ静けかりき。故(かれ)、名づけて入浪(いりなみ)の郡(こほり)といふ。
場所
印南郡 (いなみのこおり)
現在地
兵庫県加古郡および加古川市から東方明石市にかけての平野