播磨国風土記
- 巻号:揖保郡
- 作者:未詳
内容
揖保(いひぼ)の里 粒(いひぼ)といふ所以は、この里、粒山に依る。故(かれ)、山に因りて名と為す。粒丘(いひぼをか) 粒丘と号(なづ)くる所以は、天日槍命(あまのひぼこのみこと)、韓国よりわたり来て、宇頭の川底に到りて、宿處(やどり)を葦原志擧乎命(あしはらのしこをのみこと)に乞はししく……主の神、即ち客の神の盛なる行(しわざ)を畏みて、先に国を占めむと欲して、巡り上りて、粒丘に到りて、いひをしたまひき。ここに、口より粒(いひぼ)落ちき。故、粒丘と号く。其の丘の小石、皆能く粒に似たり。
場所
揖保郡 (いいぼのこおり)
現在地
兵庫県揖保郡。