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謡曲「松風」

  • 作者:世阿弥

内容

これはなつかし君ここに。須磨の浦わの松の行平。立ち帰りこばわれも木蔭に。いざ立ち寄りて。磯馴松の。なつかしや。
松に吹き来る風も狂じて、須磨の高波烈しき夜すがら。妄執の夢に見ゆるなり。わが跡弔ひて。たび給へ。暇申して。帰る波の音の。須磨の浦かけて吹くや後ろの山おろし。関路の鳥も声々に夢も跡なく夜も明けて村雨と聞きしも今朝見れば松風ばかりや残るらん松風ばかりや残るらん。

場所

須磨 (すま)

現在地

神戸市須磨区

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