古今著聞集
- 巻号:釈教第二 行基菩薩昆陽寺を建立の事
- 作者:橘成季(たちばなのなりすえ)編
内容
その時仏の告げてのたまはく、「我はこれ温泉行者也。上人の慈悲を試みんがために、仮に病者の身に現じつるなり」とて、忽然としてかくれ給ひぬ。その時上人願を発して、堂舎を建立して、薬師如来を安置せんと願し、其跡を崇めんと思ふ。必勝地をしめせとて、東に向て木葉を投げ給ふ。即ち其木葉の落る所を其所と定めて、今の昆陽寺は建て給まへるなり。
場所
昆陽寺 (こやでら)
現在地
兵庫県伊丹市。寺本堂山にある。