おだ まこと小田 実
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昭和7~平成19
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ジャンル:
小説家・評論家
- 出身:大阪市
PROFILE
兵庫県西宮市に在住。兵庫県が舞台の作品に『ベトナムから遠く離れて』と『深い音』がある。昭和7年(1932)、大阪市生まれ。旧制中学時代から同人誌で詩を発表。高校時代に「明後日の手記」を発表。東京大学文学部に入学後、『わが人生の時』を刊行。言語学科にて古代ギリシア文学を専攻したのち修士課程に進学、昭和32年(1957)にフルブライト留学生としてハーバード大学に留学。帰国後、旅行記『何でも見てやろう』や長編『アメリカ』を発表するほか、『日本を考える』、『日本の知識人』など評論活動を開始。ベトナム戦争開始後の昭和40年(1965)、鶴見俊輔・開高健と反戦活動を行う。『現代史』、『ガ島』、『冷え物』、『羽なければ』、『HIROSHIMA』などを発表したのち、昭和59年(1984)には中国に、昭和60年から62年にかけて西ベルリンに滞在。帰国後、長編『ベトナムから遠く離れて』を発表。平成4年(1992)から平成6年(1994)にかけてニューヨーク州立大学ストーニイブルック校に客員教授として教える。『「アボジ」を踏む』で川端康成文学賞受賞。阪神・淡路大震災では兵庫県西宮の自宅で被災、市民団体を結成して「災害被災者等支援法案」を国会提出した。短編集『くだく うめく わらう』(新潮社)、長編『深い音』(新潮社)、『小田実全仕事』全11巻(河出書房新社、1970-78)、『小田実全小説』全12巻(第三書館、1992-)、『小田実評論撰』全4巻(筑摩書房、2000-02)。平成13年(2001)から平成15年(2003)まで慶応義塾大学経済学部特別招聘教授として教える。 平成19年(2007)7月30日死去。
《 略年譜 》
年 | 年齢 | 事項 |
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1932 | 0 | 大阪市福島で生まれる。 |
1939 | 7 | 大阪市立五條小学校入学。 |
1945 | 13 | 姫路市立城巽国民学校卒業。大阪府立(旧制)天王寺中学入学。 |
1952 | 20 | 大阪府立(新制)夕陽丘高校卒業、東京大学教養学部入学。 |
1957 | 25 | 東京大学文学部言語学科卒業、東京大学大学院人文科学研究科西洋古典学専攻修士課程入学。 |
1958 | 26 | 「フルブライト基金」を受け、ハーバード大学大学院留学。 |
1960 | 28 | 帰国。 |
1965 | 33 | 「ベトナムに平和を!」市民連合代表になる。 |
1970 | 38 | 真継伸彦,柴田翔,高橋和巳,開高健と季刊同人誌「人間として」を発刊(~1972)。「週刊アンポ」刊行。 |
1974 | 42 | 「ベトナムに平和を!」市民連合解散集会。「アジア人会議」開催。 |
1979 | 47 | 野間宏,井上光晴,真継伸彦,篠田浩一郎と季刊同人誌「使者」発刊(~1982)。 |
1985 | 53 | 西ベルリンで生活(~1987)。 |
1988 | 56 | アジア・アフリカ作家会議で『HIROSHIMA』がロータス賞受賞。 |
1992 | 60 | ニューヨーク州立大学ストーニイ・ブルック校に単身赴任(~1994)。 |
1995 | 63 | イギリスの「BBC」が『HIROSHIMA』のラジオ・ドラマを8月6日の記念番組として放送。 |
1996 | 64 | 震災被災者に対する公的援助を求める「市民=議員立法運動」を始める。 |
1997 | 65 | 『「アボジ」を踏む』で第24回川端康成文学賞を受賞。 |
1999 | 67 | 『「アボジ」を踏む』の「マダン劇」済州島で初演。 |
2007 | 75 | 7月30日死去 |
- 兵庫県との関係
- 在住 西宮市
代表作品
作品名 | 刊行年 | 版元 | 備考 |
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明後日の手記 | 1951 | 河出書房 | |
わが人生の時 | 1956 | 河出書房 | |
何でも見てやろう | 1961 | 河出書房 | |
アメリカ | 1962 | 河出書房新社 | |
大地と星輝く天の子 | 1963 | 講談社 | |
日本を考える | 1963 | 河出書房新社 | |
日本の知識人 | 1964 | 筑摩書房 | |
戦後を拓く思想 | 1965 | 講談社 | |
泥の世界 | 1965 | 河出書房新社 | |
平和をつくる原理 | 1966 | 講談社 | |
小田実の受験教育 | 1966 | 河出書房新社 | |
人間・ある個人的考察 | 1968 | 筑摩書房 | |
現代史(上・下) | 1968 | 河出書房新社 | |
人間のなかの歴史 | 1969 | 講談社 | |
世直しの倫理と論理(上・下) | 1972 | 岩波書店 | |
ガ島 | 1973 | 講談社 | |
自立する市民 | 1974 | 朝日新聞社 | |
「ベトナム」の影 | 1974 | 中央公論社 | |
羽なければ | 1975 | 河出書房新社 | |
冷え物 | 1975 | 河出書房新社 | |
「殺すな」から | 1976 | 筑摩書房 | |
地図をつくる旅 | 1976 | 文藝春秋 | |
列人列景 | 1977 | 講談社 | |
「民」の論理「軍」の論理 | 1978 | 岩波書店 | |
「共生」への原理 | 1978 | 筑摩書房 | |
二つの戦後を旅する | 1980 | 朝日新聞社 | |
歴史の転換のなかで | 1980 | 岩波書店 | |
HIROSHIMA | 1981 | 講談社 | |
状況と原理 | 1982 | 筑摩書房 | |
小田実の反核読本 | 1983 | 第三書館 | |
「ベトナム以後」を歩く | 1984 | 岩波書店 | |
毛沢東 | 1984 | 岩波書店 | |
D | 1985 | 講談社 | |
ベルリン物語 | 1987 | 中央公論社 | |
ベルリン日録 | 1987 | 講談社 | |
オモニ太平記 | 1990 | 朝日新聞社 | |
ベトナムから遠く離れて | 1991 | 集英社 | |
生きとし生けるものは | 1992 | 朝日新聞社 | |
「殺すな」と「共生」 | 1995 | 岩波書店 | |
玄 | 1996 | 講談社 | |
被災の思想 難死の思想 | 1996 | 朝日新聞社 | |
XYZ | 1997 | 講談社 | |
大阪シンフォニー | 1997 | 中央公論社 | |
これは「人間の国」か | 1998 | 筑摩書房 | |
「アボジ」を踏む | 1998 | 講談社 | |
玉砕 | 1999 | 新潮社 | |
ひとりでもやる、ひとりでもやめる | 2000 | 筑摩書房 | |
私の文学―「文(ロゴス)」の対話 | 2000 | 新潮社 | |
くだく うめく わらう | 2001 | 新潮社 | |
深い音 | 2002 | 新潮社 | |
戦争か、平和か「9月11日」以後の世界を考えるSomo-somo Sosyo | 2002 | 大月書店 | |
子供たちの戦争 | 2003 | 講談社 | |
小田実のアジア紀行 | 2003 | 大月書店 | |
随論・日本人の精神 | 2004 | 筑摩書房 | |
文民の文(ロゴス)思索と発言 | 2005 | 岩波書店 | |
西雷東騒思想と発言 | 2005 | 岩波書店 | |
終わらない旅 | 2006 | 新潮社 | |
9.11と9条 小田実平和論集 | 2006 | 大月書店 | |
中流の復興日本放送出版協会 | 2007 | 生活人新書 | |
生きる術としての哲学小田実最後の講義 | 2007 | 岩波書店 | |
河1ー3 | 2008 | 集英社 | |
「アボジ」を踏む - 小田実短編集(講談社文芸文庫) | 2008 | 講談社 | |
大地と星輝く天の子〈上・下〉(岩波文庫) | 2009 | 岩波書店 | |
オモニ太平記(講談社文芸文庫) | 2009 | 講談社 | |
小田実全集 | 2010 | 講談社 | |
受賞歴
受賞年 | 受賞内容 | 受賞作品 |
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1969 | 第31回「文芸春秋」読者賞 | 「日本について語ろう」(共著) |
1988 | ロータス賞 | 「HIROSHIMA」その他 |
1997 | 第24回川端康成文学賞 | 「『アボジ』を踏む」 |
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