本展覧会では、兵庫県と関係の深い物語を主題とした作品がいくつか出品されています。このページでは、そのうちの数点を紹介します。
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兵庫県川西市の多田神社は、源 満仲、頼光、頼信、頼義、義家の五公を祀り、清和源氏の祖廟とされます。多田神社は酒呑童子討伐の際に使用した源頼光の宝刀「鬼切丸」と伝わる刀を所蔵しており、この意味でも源頼光の物語との関係が深いと言えるでしょう。

歌川国芳「源頼光」文政3年(1820)頃
William Sturgis Bigelow Collection

「大江山図鐔(小) 銘 起龍軒美盛(花押)」
明治時代(19世紀)
William Sturgis Bigelow Collection
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源平合戦の逸話の中には現在の兵庫県内を舞台としたものがいくつか見られます。例えば「一の谷合戦」は摂津国須磨から福原(現在の神戸市兵庫区平野付近)で行われており、「箙の梅」「鵯越の逆落とし」などの物語はこの地域を舞台としています。
また、尼崎市大物町の大物主神社には、源頼朝から追討された義経主従が西国へ船出するために同社の東側にあった七軒長屋に逗留したという伝承が存在しています。

歌川国芳「生田森追手源平大合戦」
弘化2~3年(1845~46)頃
個人蔵

歌川国芳「義経之軍兵一ノ谷逆落シ之図」
天保11~12年(1840~41)頃
個人蔵

葛飾北為「摂州大物浦平家怨霊顕る図」
弘化4~嘉永3年(1847~50)頃
William Sturgis Bigelow Collection