後期のみ 7月11日(土曜日)?9月22日(火曜日・祝日)
2020年度 コレクション展1 小企画 美術の中のかたちー手で見る造形 東影智裕

「美術の中のかたち―手でみる造形 東影智裕展」は延期いたします(来年度開催予定)

31回目となる「美術の中のかたち-手で見る造形」展では、兵庫県在住の作家 東影智裕 (ひがしかげ・ともひろ)氏の作品を展示します。1978年高砂市に生まれた東影氏は、美術学校在学中には特に版画を学びましたが、卒業後は、主に立体作品を精力的に制作してきました。動物の頭部のような作品は、皮膚や毛穴や体毛などが極めて精巧に表現されています。一方、その精緻な描写は、時に蝕まれた皮膚やその内部の肉体の表現を伴い、動物たちの漆黒の瞳の表現と相まって、見るものに深い洞察をもたらします。また、古い建物を舞台に展開した作品では、自然界に存在する流木などをこうした立体作品とともに展示してきました。

東影氏は、自身の作品制作は自らの身体的、触覚的な経験の積み重ねであると言います。本展は、ひとりひとりの観者が東影氏のこうしたこだわりや経験の結実としての作品を触れて鑑賞する機会です。作品に直接に触わることで、作家の造形思考や造形行為に触れ、より深い鑑賞体験を創出することを狙いとします。


《視界 cow N-003》2012年 作家蔵
東影智裕(ひがしかげ・ともひろ)
1978年高砂市生まれ、現在姫路市在住。美術学校在学中には特に版画を学ぶ。卒業後は、主に立体作品を精力的に制作してきた。国内外の数々の展覧会にこれまでに参加し、作品を発表。2017年には、五島記念文化財団の助成を得て、海外研修としてボーランドに一年間滞在した。動物の頭部のような作品は、皮膚や毛穴や体毛などが極めて精巧に表現されるだけでなく、瞳の表現やわずかな肉体の質感や動きを伴うことで、我々に熟考を促す力強さを持ち合わせている。また、近年は、古い建物を舞台にしたり、自然界に存在する流木などを組み合わせて展示している。

《視界 deer》2015年 作家蔵
関連事業
1 アーティスト・トーク
出品作家が作品の制作や素材についてお話します。
講師:東影智裕(出品作家)
日時:7月11日(土) 午後2時-午後3時
会場:当館レクチャールームにて(定員100名)
参加費:聴講無料
*兵庫県立美術館「芸術の館友の会」会員優先座席あり
2 こどものイベント
講師:東影智裕(出品作家)
日時:7月26日(日)午後1時―午後3時半(予定)
会場:当館アトリエ2(定員20人)
参加費:500円程度
*詳細は、1ヶ月前に当館ウェブページにて発表。

《侵食 I》(部分)2013年 作家蔵

《視界cow》2013年 作家蔵