2016年〈平成28年〉 10月15日[土]-11月20日[日]
午前 10 時-午後 6 時(金・土曜日は午後 8 時まで)
休館日  月曜日
会 場   兵庫県立美術館
 ギャラリー棟 1 階 アトリエ 1 、ホワイエ
観覧料  無料



  《益田さんの歩行訓練》 2016年
   HD VIDEO






    《神戸市の路上―電線点検作業》
    2016年 カラー写真
     ※引用資料:人と防災未来センター蔵 



     《芦屋市の公園―求人広告》
     2016年 カラー写真
     ※引用資料:人と防災未来センター蔵




  
  《西宮市の更地―犬と貼紙》
  2016年 カラー写真
  ※引用資料:人と防災未来センター蔵




 
  《神戸市の路上―ポリタンクに水を汲む》
  2016年 カラー写真
  ※引用資料:人と防災未来センター蔵

 
 近年、現代美術の領域では、特定の場や人を取材し、映像や写真、言葉などで表現するというスタイルで、多くの注目すべき作品が生み出されています。京都を拠点に活動する髙橋耕平(1977~ )も、そうした作品を手掛ける美術家の一人です。本展では、21年前に起こった阪神・淡路大震災以降の、都市の経験や記憶をテーマに、神戸・阪神間で撮影した映像や写真等から成るインスタレーションを制作、発表します。
 たとえ同じ街に暮らしていても、それぞれの人の身体は街を違ったふうに経験しています。街のある造りが、ある人には便利な一方で、他の人には障害となることもあります。しかしどのような場合もそこに生きる人は、解決の糸口を求め、自らの身体で街を探り、縫うように歩を進めます。それはまるで、それぞれの身体にあわせ街を更新し続ける仮縫いのようだ、と髙橋はとらえます。
 21年前にさまざまな人がこの街で経験したことの記憶や記録。さらに現在それぞれの人がこの街をどのように経験し、歩み続けているのか。ともすれば「被災地の経験」などとひと言でくくられがちな、しかし決して誰一人同じではない個別性に注意を払いつつ、髙橋はそれらをいったん解き、自身の経験として新たに緩く縫い直し、提示します。
 この展覧会が、直接的な被災経験の有無を越えて、多くの方にとり、自分とは異なる個の経験に想像を巡らせ、街で生き歩み続けることについて考える機会となれば幸いです。


展覧会チラシはこちら
作家インタビュー動画(外部リンク、約4分)

本展には下記のとおり映像作品が含まれるため、鑑賞に時間を要します。ぜひ、お時間に余裕を持ってご来場ください。

[出品内容]
・映像作品3点(約10分ループ1点、約30分ループ2点)
・写真作品約20点
・テキスト(文字)による作品


 注目作家紹介プログラム“チャンネル”とは?

 チャンネル(channel)という単語には「海峡」や「水路」、美術館の前にもある「運河」、テレビやラジオの「チャンネル(局)」、「思考・行動の方向」、さらには何ものかとの「交信」など、様々な意味があります。そこに共通するのは「何かと何かをつなぐこと」。美術館を訪れる人と、同じ時代を生きるアーティストとがつながっていくことを願って、タイトルを“チャンネル”としました。



 関連事業

◆アーティスト・トーク
10月15日[土]15:30―16:50
レクチャールーム(定員100名)、展覧会場にて 聴講無料
※兵庫県立美術館「芸術の館友の会」共催事業
※トーク終了後17:00より、友の会会員限定のスペシャルイベント有。詳しくは友の会事務局(TEL078-262-0916)までお問い合わせください。
友の会HPはこちら
◆対談:村上しほり*×髙橋耕平
(*人と防災未来センター 震災資料専門員/神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 研究員)
11月19日[土]15:30―17:00
レクチャールーム(定員100名)にて 聴講無料
※兵庫県立美術館「芸術の館友の会」支援事業

 作家略歴

髙橋耕平(たかはし・こうへい):1977年京都府生まれ。2002年京都精華大学大学院修士課程 芸術研究科造形専攻修了。近年の主な発表に個展「HARADA?san」(2013年、Gallery PARC/京都)、「作家ドラフト2014 髙橋耕平『史と詩と私と』」(2014年、京都芸術センター ギャラリー南)、「ほんとの うえの ツクリゴト」(2015年、岡崎市旧本多忠次邸)、「社会の芸術フォーラム展『躊躇』」(2015年、HIGURE 17-15 cas他/東京)、「第2回 PATinKyoto 京都版画トリエンナーレ 2016」(2016年、京都市美術館)など。


髙橋耕平ウェブサイト(外部リンク)


主催 : 兵庫県立美術館
後援 : 公益財団法人 伊藤文化財団
助成 : 公益財団法人 朝日新聞文化財団、 公益財団法人 テルモ生命科学芸術財団、
     公益財団法人 中内力コンベンション振興財団、 公益財団法人 野村財団
       
協力 : 阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター
機材協力



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