《高原》1952年 中央大学蔵

《高原》1952年 中央大学蔵

画業八十年。堀文子の挑戦は終わらない。2015年4月18日(土)〜6月7日(日)堀 文子【一所不在・旅】展

今なお新しい創作に打ち込み続ける 日本画家・堀文子(1918(大正7)年東京生まれ)の展覧会を開催します。

女性も自立すべきだという母親の影響で自由を求めた堀文子は、父親の反対を押し切り、1936(昭和11)年、女子美術専門学校(現/女子美術大学)日本画部に入学。在学中の1939(昭和14)年、新美術人協会展に《原始祭》を出品、初入選を果たし、同会に入ります。その後も、創造美術から創画会に続く革新的なグループの中で、新しい日本画の道を探り、受賞を重ねました。美術に自由を求めた堀は、官展からは距離を置き、権威におもねらない姿勢を貫いたため、近現代の美術史の流れに位置づけられることはあまりありませんでしたが、その生き方や言葉は、作品の魅力とともに、多くの女性たちの憧れを集めています。
作家の画業において、変わらないのは自然へのまなざしです。ごく初期の作品から、自然への畏敬、生命の不思議への感動が、従来の日本画にはない独自の表現方法で描きこまれています。自然の形象を抽象的に構成して描いた作品や、初めて西洋を旅して最後に訪れたメキシコをテーマに新しい技法を駆使したシリーズなど、堀は次々と新しい挑戦をつづけました。1967(昭和42)年、都会を離れて生きることを決意して神奈川県大磯に転居すると、画風は一変し、日本の四季や風景を澄んだ色調で描きます。さらなる自然を求めて軽井沢やイタリアのアレッツォ郊外にアトリエを構え、それぞれの土地で体感した自然を表情豊かに描きだしました。2001(平成13)年に病に倒れた堀文子は奇跡的に回復し、その後微生物や身近な昆虫といった新しい画題、切り絵や貼り絵など新しい技法を試み、未知なる感動へと前進を続けています。
本展は、堀自身の言葉「一所不住・旅」をテーマとし、飽くなき好奇心と探求心で歩んできた足跡に沿いながら、画家の80年に及ぶ画業を回顧します。初期の作品から最新作までおよそ130点を展示し、堀文子の芸術そして、人間像に迫ります。

開催概要

2015(平成27)年4月18日〔土〕〜 6月7日〔日〕

休館日:月曜日(ただし5月4日(月・祝)開館、5月7日(木)休館)
開館時間:午前10時〜午後6時
※(金・土曜日は午後8時まで)入場は閉館30分前まで

会  場: 兵庫県立美術館 企画展示室
主  催: 兵庫県立美術館/朝日新聞社
後  援: 兵庫県/兵庫県教育委員会/神戸市/神戸市教育委員会
協  賛: 日本写真印刷
協  力: ナカジマアート

観覧料金

  当日 前売 団体割引
(20名以上)
一 般 1,300円 1,100円
大学生 900円 700円
高校生・65歳以上 650円 前売なし 550円
中学生以下 無料

※障がいのある方とその介護の方1名は各当日料金の半額。(65歳以上を除く)
※割引を受けられる方は、証明できるものをご持参のうえ、会期中に美術館窓口で入場券をお買い求めください。
※県美プレミアム展の観覧には別途観覧料金が必要です。(本展とあわせて観覧される場合は割引あり)
※前売券の販売は2月18日(水)から4月17日(金)まで。
※4月26日 記念講演会「極上の流転 堀文子への旅」の聴講には、堀文子展の観覧とセットになった講演セット券(2000円)が必要です。(完売しました)

当日券発売場所

※主なチケット販売場所:チケットぴあ(Pコード766-635)ローソン(Lコード54978)ファミリーマートセブンイレブンサークルKサンクスイープラスCNプレイガイドほか。
※4月26日の村松友視氏による記念講演会セット券は完売しました。


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