VS ヴァーサス 展のトップページへ2015年7月18日土曜日から11月8日日曜日まで開催




第一室

「colorful?─色に思いをめぐらせてみる」

白髪一雄 《黄帝》 1963年 山村コレクション
昭和61年度収蔵

わたしたちがよく口にし耳にする「色彩豊か」といったことばは、はたして何に由来するのでしょうか?色の数でしょうか?それとも隣り合わせの色の差なのでしょうか?
この展示室ではそうした「色彩豊か=colorful」ということについて、思いをめぐらせていただく現代作品を展示します。
それぞれ同じ技法で描かれているにもかかわらず、そこに用いられた色彩によって多様な表現が見られる白髪一雄(1924-2008)、奥田善巳(1931-2011)、田中敦子(1932-2005)らの諸作品を中心にご鑑賞ください。




第二室

「メビウスの環 ─あいまいな境界のはざまを行き来してみる」

奥田善巳 《ネガへの挑発》 1967年 平成26年度収蔵

一本のテープをひとひねりし、その両端をつなぎ合わせて一つの環にしたとき、そこには "オモテ"と"ウラ"が消えてなくなる「メビウスの環」。本来対決するはずのふたつの要素が、そこではいつのまにかその違いがあいまいとなり、またその違いが消滅してしまいます。ここではそうしたふたつの間柄をひとひねりすることで、危うく、ややこしく、あいまいになり、それによって新たな表現がめざされた作品を展示します。
描かれないものがかえってその存在をあらわにする奥田善巳、自作の立体作品を捉えた写真作品を通じて立体作品の不在を示した小林且典(1961- )などの新収蔵品を中心にお楽しみください。




第三室

「タテvsヨコ ─”人”と”水”の場合」

森口宏一 《横たわる青》 1995年 平成26年度収蔵

美術作品を鑑賞するとき、垂直や水平といった構図や構成を意識することがあります。作品を作り出すうえで決定的な要因ともなる「垂直=タテ」や「水平=ヨコ」の要素について、"人"と"水"をモチーフとした作品からひもときます。
舟越保武(1912-2002)や横尾忠則(1936- )らによる垂直表現と、アレキサンダー・アーキペンコ(1887-1964)や森口宏一(1930-2011)らによる水平表現との対比など、絵画、彫刻、写真といったさまざまな技法による多様な表現をご堪能ください。




第五室

「IN MY ROOM/ON THE ROAD─彫刻、そっと目をとじて」

ヴィルヘルム・レームブルック 《女性のトルソ》 1910-14年 平成元年度収蔵

前回に引き続き、ブロンズや木、鉄などのさまざまな素材で制作された彫刻作品を展示します。人の姿のいくつかの彫刻作品は、かたちや面を目でとらえる楽しみ以上に、わたしたちを内省に向かわせます。




小磯良平記念室・金山平三記念室

「後にいる者が先になり、先にいる者が後になる。」

金山平三 《雨のプラス・ピガール》 1915年 昭和45年度収蔵

神戸生まれの小磯良平(1903-1988)は、近代洋画を代表する巨匠のひとりです。確かなデッサン力に裏打ちされた人物像、とりわけ気品あふれる女性像は、現在も高い人気を誇っています。一方の金山平三(1883-1964)は同じく神戸生まれ、早いうちに官展で実力を認められましたが後に画壇と距離を置き、日本各地を旅行して描いた風景画で有名となります。当館を代表する作家であるこの小磯良平、金山平三作品については、それぞれ記念室を設けて常時その画業を鑑賞できるようにしています。
今回は「後にいる者が先になり、先にいる者が後になる。」という共通テーマのもとに、両記念室でそれぞれ当館の収蔵順に作品を展示し、コレクションが形成された流れを追っていきます。




第六室

「コレクション新旧対決」

左から
新井完 ≪鹿の本生譚≫ 1927年 昭和45年度収蔵
ヴィクトール・パリモフ《作品(労働者らは工場から帰る)》1920年頃 平成22年度収蔵 

1970(昭和45)年開館の県立近代美術館からのコレクションと、当館の開館以降昨年度までに収蔵された洋画や日本画を、作家ごとにまとめて展示します。なお日本画は会期中展示替えをします。(前期:9月6日まで/後期:9月8日から)


県美プレミアム・収蔵品によるテーマ展 VS(ヴァーサス)