県美プレミアム 館外作品を中心とした小企画展

兵庫県立美術館では、平成元(1989)年度より「美術の中のかたち―手で見る造形」展を開催してきました。視覚に障がいのある方にも美術館に来ていただきたいという思いから始まったもので、視覚にかたよりがちな美術鑑賞のあり方を問い直すことを目的としています。現在活躍中の美術家に、手で触ることのできる作品を出品していただき、多彩な展示を行ってきました。
26回目となる今年は、手塚愛子(てづか・あいこ)氏の新作を展示します。手塚氏は1976年、東京都に生まれ、武蔵野美術大学・同大学院をへて、2005年に京都市立芸術大学大学院を修了。近年はベルリンを拠点として精力的に活動を続けています。糸を用いた今回のインスタレーションは、「点字」をモチーフとしています。触覚だけでなく、想像力を言語の領域へ広げ、さまざまな鑑賞を促します。

兵庫県立美術館「美術の中のかたち ―手で見る造形」手塚愛子展 Stardust Letters 星々のふみは、2015年7月18日土曜日から11月8日日曜日までの開催です。障がいのある方とその介護の方1名は無料でご入場いただけます。休館日は、毎週月曜日(ただし7月20日と9月21日と10月12日は開館し、7月21日(火)と9月24日(木)と10月13日(火)は閉館です。)開館時間は、10時から18時(特別展開催中の金・土曜日は20時まで)入場は閉館30分前までです。ご不明な点がございましたら、電話:078-262-0901まで、お気軽にお問い合わせください。

手塚愛子氏《薄い膜、地下の森》2007年等が展示されています。

作家略歴 手塚愛子

1976年 東京都生まれ
1999年 武蔵野美術大学 造形学部油絵学科 卒業
2001年 武蔵野美術大学大学院
造形研究科油絵コース 修了
2005年 京都市立芸術大学大学院
美術研究科 博士(後期)課程
油画領域 修了
2010年 五島記念文化賞 新人賞により渡英
2011年 文化庁新進芸術家海外研修制度により
2年派遣研究員として渡欧
現在、ドイツ・ベルリン在住

主な個展

2011年 プリズム・ラグ―手塚愛子の糸、
モネとシニャックの色 (アサヒビール大山崎山荘美術館)
2013年 Ghost-Suspended Organs (クンストラーハウス・ベタニエン/ドイツ)
Rewoven (Galerie Michael Janssen/ドイツ)
2014年 Thin Membrane, Pictures Come Down (Dortmunder Kunstverein/ドイツ)
Certainty / Entropy (Mikiko Sato Gallery/ドイツ)
Certainty / Entropy(Third Floor Hermès Singapore/シンガポール)
2015年 Unraveling, Restoring (アヤラ美術館/フィリピン)
Lessons for Restoration(MAGO/ノルウェイ)

主なグループ展

2008年 タンジェント アーティスト・イン・レジデンス・プログラム2008春(国際芸術センター青森)
MOTアニュアル2008 解きほぐすとき (東京都現代美術館)
2009年 City net Asia(ソウル市立美術館/韓国)
ステッチ・バイ・ステッチ 針と糸で描く私(東京都庭園美術館)
2010年 祝祭と祈りのテキスタイル(熊本市現代美術館)
2013年 To Open Eyes, Art and Textiles from the Bauhaus to Today
(クンストハレ・ビーレフェルト/ドイツ)
The Empire of Folds (チューリヒ造形美術館/スイス)
2014年 想像しなおし(福岡市美術館)
2015年 TOMROM(Sandefjord kunstforening, Larvik kunstforening/ノルウェイ)