兵庫県立美術館では、平成元(1989)年度より「美術の中のかたち―手で見る造形」展を開催してきました。視覚に障がいのある方にも美術館に来ていただきたいという思いから始まったもので、視覚にかたよりがちな美術鑑賞のあり方を問い直すことを目的としています。現在活躍中の美術家に、手で触ることのできる作品を出品していただき、多彩な展示を行ってきました。
26回目となる今年は、手塚愛子(てづか・あいこ)氏の新作を展示します。手塚氏は1976年、東京都に生まれ、武蔵野美術大学・同大学院をへて、2005年に京都市立芸術大学大学院を修了。近年はベルリンを拠点として精力的に活動を続けています。糸を用いた今回のインスタレーションは、「点字」をモチーフとしています。触覚だけでなく、想像力を言語の領域へ広げ、さまざまな鑑賞を促します。
1976年 | 東京都生まれ |
---|---|
1999年 | 武蔵野美術大学 造形学部油絵学科 卒業 |
2001年 | 武蔵野美術大学大学院 造形研究科油絵コース 修了 |
2005年 | 京都市立芸術大学大学院 美術研究科 博士(後期)課程 油画領域 修了 |
2010年 | 五島記念文化賞 新人賞により渡英 |
2011年 | 文化庁新進芸術家海外研修制度により 2年派遣研究員として渡欧 |
現在、ドイツ・ベルリン在住 |
2011年 | プリズム・ラグ―手塚愛子の糸、 モネとシニャックの色 (アサヒビール大山崎山荘美術館) |
---|---|
2013年 | Ghost-Suspended Organs (クンストラーハウス・ベタニエン/ドイツ) Rewoven (Galerie Michael Janssen/ドイツ) |
2014年 | Thin Membrane, Pictures Come Down (Dortmunder Kunstverein/ドイツ) Certainty / Entropy (Mikiko Sato Gallery/ドイツ) Certainty / Entropy(Third Floor Hermès Singapore/シンガポール) |
2015年 | Unraveling, Restoring (アヤラ美術館/フィリピン) Lessons for Restoration(MAGO/ノルウェイ) |
2008年 | タンジェント アーティスト・イン・レジデンス・プログラム2008春(国際芸術センター青森) MOTアニュアル2008 解きほぐすとき (東京都現代美術館) |
---|---|
2009年 | City net Asia(ソウル市立美術館/韓国) ステッチ・バイ・ステッチ 針と糸で描く私(東京都庭園美術館) |
2010年 | 祝祭と祈りのテキスタイル(熊本市現代美術館) |
2013年 | To Open Eyes, Art and Textiles from the Bauhaus to Today (クンストハレ・ビーレフェルト/ドイツ) The Empire of Folds (チューリヒ造形美術館/スイス) |
2014年 | 想像しなおし(福岡市美術館) |
2015年 | TOMROM(Sandefjord kunstforening, Larvik kunstforening/ノルウェイ) |