いよいよ9月1日より、東京(三菱一号館美術館)で好評を博した「バーン=ジョーンズ展-英国19世紀末に咲いた華-」が当兵庫県立美術館にて開催されます。
現在、展示作業の真っ只中。締め切られた展示室内では、何が起こっているのでしょうか。ちょっとのぞいて見ました。
皆さんのお部屋の壁には何か掛かっていますか?
写真・絵画・ポスターなど、お気に入りのものを飾ってみると部屋の雰囲気が変わったりしますよね。
そのとき、額縁が傾いてかかっているとどうでしょう、落ち着かない感じがしませんか。
今回、美術館では最新の機器を使用することができました。
写真のように一直線に(主に作品の中心が)並ぶようにレーザーで展示位置を示し、金具をつけるポイントを探ります。糸を張って高さを調整して行う方法より、正確で早く作業が進んだようです。
壁に金具をつけて、2人でゆっくり持ち上げ展示します。
(掛けられた作品は、《エドワード・バーン=ジョーンズの肖像》画です。自画像ではなく、本展唯一のバーン=ジョーンズ以外の出品作家、ジョージ・フレデリック・ワッツ(1817-1904)の作品です。)
また、本展では、絵画作品以外のタペストリや装丁本などが展示されます。
このような作品はどのように展示されているのか、少しご紹介します。

この作品は、上部裏10センチほどの幅のマジックテープで展示しています。
展示作業員が大勢で丁寧に持ち上げ脚立を何台も使い、作品の外側だけでなく内側にも入り込み、巻き上げたタペストリを丁寧に下ろしていきます。
マジックテープの部分を少し押さえて・・・。カーテンのようにドレープを描くことなく、フラットに展示されました。
さて、次は貴重本です。
古い本ですので神経を遣います。ゆっくりと開梱し、輸送に問題がなかったか確認します。
普通に大きく開いたままでは圧力がかかり、「のど」(本を閉じている部分。開いたときの真ん中)が割れたりすることがあります。
このような台を使用し、ある程度の角度で支えることで、本を傷めることなく、来館者の方にも見やすく展示します。
最後は当館ならではのお楽しみです。
同じ展覧会でも、展示会場によって作品の見え方は違います。
この写真は、壁の一部です。作品に併せた背景色はこのほかに茶色や緑、紺などもあります。
様々な工夫を凝らし、作品をどのように引き立てているのか。
どんな仕掛けがあるのかは、会場でご覧下さい。どうぞお楽しみに。