美術館の夢


美術館の夢
2002年4月6日(土)〜6月23日(日)

展示構成
I 「美術館」の誕生
美術館の黎明期。日本最初の美術館に展示された明治初期の作品や資料を展示。洋画の先駆者高橋由一の美術館構想を映像や模型で紹介。
II 国が集める美術と在野の「美術館」
明治末から大正期。文展で買上げとなった近代美術の名作。白樺派の美術館構想を岸田劉生や梅原龍三郎の関連作品とともに紹介。前衛画家中原實の美術館構想を映像化。
III 西洋美術への情熱
大正から昭和初期に美術館建設を企てた西洋美術の大コレクター、松方幸次郎と大原孫三郎を両コレクションのミレー、モネ、ルノワール、ピカソ、マティスらの名品で紹介。
IV 現代美術と美術館
戦後の画期的な現代美術展アンデパンダン展を代表的な作品で再現。幻の美術館、長岡現代美術館のコレクション、山村コレクションの特色ある作例などを紹介。



III 西洋美術への情熱



幻の松方コレクション

エドゥワール・マネ
《ビールジョッキをもつ女》
1978-79年
オルセー美術館蔵
Photo RMN
(旧 松方コレクション)
この章では、大正から昭和初期に西洋美術の優れたコレクションを作り、美術館の建設を企てた2人の実業家、松方幸次郎と大原孫三郎をとりあげます。
川崎造船の初代社長、松方幸次郎は、大正期にヨーロッパ近代絵画を中心とする世界有数の大コレクションを作り上げました。
しかし、不況のため会社が経営危機におちいり、コレクションは散逸して、このコレクションは幻のコレクションと言われています。
本展では、現在オルセー美術館をはじめフランスや日本各地に所蔵されている、もと松方が持っていたクールベ、コロー、マネ、モネ、ドガ、トゥールーズ=ロートレック、ピカソなど西洋近代絵画の名作を集め、このコレクションの一部を再構成します。


幻の美術館「共楽美術館」を映像化
松方幸次郎は日本人に西洋美術の傑作を見せたいと、日本に巨大な美術館を建ててコレクションを公開しようとしていました。共楽美術館と名づけられたこの美術館は、設計図もできていながら実現しませんでした。
今回、この共楽美術館の外観や内部の各展示室を再現したコンピュータ・グラフィックスによる映像を制作し、会場内のミニシアターで上映します。


大原美術館の名品をまとめて展示
この章で紹介するもう一人の偉大なコレクターは大原孫三郎です。倉敷紡績社長の 大原は親友の画家、児島虎次郎に依頼して西洋絵画の優れたコレクションを作りました。
そのコレクションは現在倉敷の大原美術館に展示されています。
今回、大原美術館の特別の協力により、ミレー、シャヴァンヌ、ルノワール、ボナール 、マティスなど同館が所蔵する西洋近代絵画の名品9点を展示します。同美術館がこれだけ の代表作を他の美術館の展覧会に出品するのは異例のことです。


ピエール・オーギュスト・ルノワール
《泉による女》
1914年
財団法人 大原美術館蔵



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