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この章では明治末から大正期の重要な出来事をとりあげます。
明治40年、政府は、日本の現代美術の総合的な公募展、文部省美術展覧会 (通称「文展」)を始めます。そして展覧会に出品された優れた作品を買上げました。
この買上げ作品は将来の近代美術館のコレクションとなるはずのものでしたが、美術館はなかなかできず、第2次大戦後まで作品はあまり公開されることもありませんでした。
このセクションでは国が最初に集めはじめた近代日本美術の名品を展示します。 |
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同じ頃、武者小路実篤や志賀直哉ら文学者のグループ「白樺派」は、自分たちで美術館を作ろうと運動を起こします。一口一円で寄附を募って作品を買おうとする計画でした。彼らの熱心な働きかけにより、多くの
芸術家や愛好家がこの運動に参加しました。
この白樺派の美術館運動を、ロダン、セザンヌ、有島生馬、岸田劉生、梅原龍三郎らの関連作品や資料で紹介します。 |
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中原實
《ヴィナスの誕生》
1924年 |
前衛画家、中原實(なかはらみのる)は時代を先駆ける美術館構想を大正末に発表しました。ミュゼー・ド・ノワールと題されたその美術館は動く床や空に写す絵など未来的な趣向に満ちたものでした。
この美術館構想もCG映像と模型を制作して紹介します(幻の美術館視覚化プロジェクト2)。 |
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