兵庫県立美術館
兵庫県立美術館

ピエール=オーギュスト・ルノワール《シュザンヌ・アダン嬢の肖像》(部分)1887年
作品はいずれも 吉野石膏コレクション
概要

 石膏ボードを中心とした建築資材で知られる吉野石膏株式会社は、社内の創造的環境づくりを目的に、1970年代から日本近代絵画、1980年代後半からはフランス近代絵画の収集を開始しました。1991年、創業の地、山形県の山形美術館に作品を寄託し、モネ、ピサロ、ルノワール、シャガールらの作品を公開すると、市民の大きな反響を呼びました。2008年には、美術活動へのさらなる貢献を目的に、吉野石膏美術振興財団を設立、若手芸術家の育成や美術における国際交流の支援などにも力を注いでいます。収集の歴史は比較的新しいものの、今や日本ならびに西洋近代美術の名品を多数所蔵し、質量ともに充実した国内有数のコレクションとなっています。

 本展では、19世紀半ばのバルビゾン派にはじまり、印象派を経て、キュビスムから抽象絵画へと至るモダン・アートの展開を軸に、エコール・ド・パリの多様性にも着目しつつ、大きく揺れ動く近代美術の歴史を72点の作品によってご紹介します。


本展 PR動画(15秒・音声あり)
コレクションの中核をなすのは、モネ、ルノワール、ピサロ、シスレーといった印象派の作品ですが、その充実した内容は、この運動が果たした歴史的な重要性をあらためて私たちに教えてくれます。本展では、「印象派からその先へ」と題し、印象派の挑戦とその後の美術の歴史の多様な展開を、吉野石膏コレクションの名品の数々でご覧いただきます。

開催情報

会期

2019年6月1日[土]-7月21日[日]

休館日

月曜日 (ただし7月15日〔月・祝〕は開館、 翌7月16日〔火〕は休館)

開館時間

午前10時-午後6時(金・土曜日は午後8時まで) 入場は閉館30分前まで


観覧料

  当日券 前売
(5/31まで)
団体
(20名以上)
一般 1,300円 1,100円
大学生 900円 700円
70歳以上 650円 550円
高校生以下 無料
障がい者 一般 300円 250円
大学生 200円 150円
※障がいのある方1名につき介護の方1名は無料。
※割引を受けられる方は、証明できるものをご持参のうえ、会期中に美術館窓口で入場券をお買い求めください。
※常設展示室の観覧には別途観覧料が必要です(本展とあわせて観覧される場合は割引あり)。

主なチケット販売場所

前売券のみ取扱い:兵庫県立美術館ミュージアムショップ
前売券・当日券取扱い:チケットぴあ(Pコード:769-611)、ローソンチケット(Lコード:51797)、セブンチケット、イープラス、CNプレイガイド、阪神プレイガイド(阪神プレイガイド)ほか京阪神のプレイガイド ※詳細はこちら

最新情報
関連イベント
記念講演会「印象派が提起したもの」
6月30日〔日〕14時から(約90分)
講師:六人部 昭典氏(実践女子大学文学部教授)
会場:ミュージアムホール(定員250名/友の会優先席あり)
聴講無料(ただし要観覧券)
学芸員による解説会
6月8日〔土〕、22日〔土〕、7月6日〔土〕、20日〔土〕いずれも16時から(約60分)
場所:いずれも当館レクチャールーム(定員100名) 聴講無料(ただし要観覧券)
おやこ解説会
7月6日〔土〕 10時30分から12時30分
場所:当館レクチャールーム
対象:小学生以上(高校生以下)とその保護者
   ※小学校2年生以下は保護者同伴が必要
参加費:50円
定員:20組
※要事前申込み 6月6日(木)10:00から電話受付開始・先着順
こどものイベント係 TEL: 078-262-0908
くわしくはこちら
ミュージアム・ボランティアによる解説会
会期中の毎週日曜日11時から(約15分)/ 場所:当館レクチャールーム(定員100名) 参加無料
展覧会構成

1章:印象派、誕生 ~革新へと向かう絵画~

 19世紀前半までの絵画は、いかに写実的に描くかに価値が置かれ、官主導の展覧会「サロン」での評価が重要視されていました。しかし19世紀後半のフランスでは、アトリエから離れ屋外での制作を行ったバルビゾン派や、それまで積極的に扱われなかった卑近な主題を取り上げたクールベのような画家たちが登場します。同じ頃、首都パリが近代都市へと変貌を遂げ、新しい都市の姿を鮮烈に描き出したマネがやがて出現します。

 そうした中、サロン以外の発表の場を求め、1874年にいわゆる第1回印象派展が開催されました。この展覧会の出品作品は、パリとその近郊を主題に、明るい色彩と素早い筆づかいで表現され、それまでの絵画からすれば未完成に近い出来に思われました。しかし光と眼の感覚に基づいて描かれたそれら革新的な絵画は、やがて人々の支持を集めるようになっていき、今では「印象派」の絵画として人々を魅了し続けています。

 本章では、モネ、シスレー、ルノワール、ドガ、カサット、ピサロ、セザンヌといった画家たちを紹介し、印象派が受け入れられるようになってからもそれに飽き足らず、やがて独自の道を歩んでいく彼らの行程を振り返り、さらにはファン・ゴッホら次世代の画家たちが印象派の表現を吸収し、新たな挑戦へと向かっていく流れをも追っていきます。

出品作家
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(1796-1875)、ジャン=フランソワ・ミレー(1814-1875)、ギュスターヴ・クールベ(1819-1877)、エドゥアール・マネ(1832-1883)、ウジェーヌ=ルイ・ブーダン(1824-1898)、クロード・モネ(1840-1926)、アルフレッド・シスレー (1839-1899)、ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841-1919)、エドガー・ドガ(1834-1917)、メアリー・カサット(1844-1926)、カミーユ・ピサロ(1830-1903)、ポール・セザンヌ(1839-1906)、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)

クロード・モネ《睡蓮》1906年

ピエール=オーギュスト・ルノワール《庭で犬を膝にのせて読書する少女》1874年

2章:フォーヴから抽象へ ~モダン・アートの諸相~

 印象派が切り開いた新しい絵画の歴史は、20世紀を迎えると一気にその変化の速度を上げていきました。カンヴァス上で展開される色彩と筆づかいが自律的な存在感を示すフォーヴィスムや、モティーフを単純な形体に還元し、それらをカンヴァス上に再構成することで三次元の事物を二次元の表現に置き換えたキュビスムの出現によって、絵画は単なる事物の再現から解き放たれ、さらには現実世界の再現によらず、色彩と形態それ自体が自律する存在をもたらした抽象絵画へと突き進みました。一方で人間の無意識の視覚化を試みたシュルレアリスムが出現するなど、19世紀までの絵画のあり方を脱却するかのようなこれら一連のさまざまな流れを、本章では「モダン・アート」と称し、同時代の画家が手がけた前衛的な作品によって紹介します。

出品作家
ジョルジュ・ルオー(1871-1958)、ピエール・ボナール(1867-1947)、アンリ・マティス(1869-1954)、アルベール・マルケ(1875-1947)、モーリス・ド・ヴラマンク(1876-1958)、アンリ・ルソー(1844-1910)、ジョルジュ・ブラック(1882-1963)、ジョアン・ミロ(1893-1983)、パブロ・ピカソ(1881-1973)、ワシリー・カンディンスキー(1866-1944)

アンリ・ルソー《工場のある町》1905年

3章:エコール・ド・パリ ~前衛と伝統のはざまで~

 前章で紹介したモダン・アートと並行して、フランスの首都パリにはさまざまな国出身の画家たちが活躍していました。「エコール・ド・パリ」の画家と総称される彼らは、同時代に展開されたモダン・アートの影響を受けながらも、写実から離れることなく、それぞれの画家独自の作風を確立しました。本章ではエコール・ド・パリに属するこうした個性的な画家たちの作品を取り上げ、20世紀美術の豊かな実りを紹介します。

出品作家
モーリス・ユトリロ(1883-1955)、マリー・ローランサン(1883-1956)、キース・ヴァン・ドンゲン(1877-1968)、モイーズ・キスリング(1891-1953)、マルク・シャガール(1887-1985)
図録販売

価格 2,160円(税込)

図録販売のご案内

「印象派からその先へ-世界に誇る吉野石膏コレクション」展 開催期間中、当館ミュージアムショップ(1階)及び3階特設ショップにおいて、図録を販売しています。
なお、当館ミュージアムショップ(1階)では、図録の通信販売も行っております。
くわしくはこちら
ホテルプラン

ホテルプランのご案内

「印象派からその先へ-世界に誇る吉野石膏コレクション」展 開催期間中、下記のホテルでお得なプランがあります。詳しくはロゴをクリックして詳細プランページをご覧ください。
  • ホテル北野プラザ六甲荘
音声ガイド

当日貸出価格 一台 520円(税込)
ガイド制作:(株)アコースティガイド・ジャパン

梅原裕一郎
アーツビジョン所属、静岡県出身
主な出演作品は「銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅」ジークフリード・キルヒアイス役、「ゴブリンスレイヤー」ゴブリンスレイヤー役、「機動戦士ガンダムNT」ゾルタン・アッカネン役など
音声ガイドの収録をされた声優の梅原裕一郎さんからコメントをいただきました
収録を終えたご感想は?
カタカナが多く少し苦労しましたが、印象派は自分でも好きな題材なので、そのガイド音声を当てられるというのはとても嬉しかったです。絵画だけでなく、クラシック音楽も当時のフランスの印象派であるドビュッシーやラベルが好きです。 今回の展示の中ではマティスも好きで、ちょうどつい先日、展覧会で一目惚れして購入したポスターを家に飾ったところでした。収録は作品の画像を見ながらできたので、イメージしやすかったです。
収録で心掛けてくださったことは?
主役は皆さんが見ている絵なので、邪魔をしないよう、音声によって気が散らないようにあまり出しゃばらないようにしようというのは、意識しました。
気になった作品は? どんなところがお好きですか?
今回、シャガールの亡き奥さんを描いた作品というのがありまして、シャガールは詳しくなかったのですが、この作品に感情移入してしまいました。ガイドの中にもあったように、奥さんを亡くして、筆が執れなくなってからの復帰というところに、すごく苦悩があったんだろうなと思います。音楽などでも明るい作品よりは暗い作品の方が好きなので、そういう背景を知って、シャガールにとても興味が湧きました。
展覧会への期待は?
素晴らしい絵画がたくさんありますので、何も知らずに見てもきっと何か受け取るものがあると思いますが、せっかくの機会ですのでこういったガイド音声を聞いて、時代背景や画家たちの生きざまを知ったうえで見ると、さらに感じ方が変わると思います。たとえば、最初はガイドを聞かずに見て、2周目ではガイドを聞いてみながら…と、いろいろ楽しんでいただけたらと思います。