2022年 コレクション展1 2022年1月22日(土曜日)?7月3日(日曜日)

新井完《御手洗風景》1923年
自由に外に出ていく時間が少ない日々が続きました。
そこで、美術館で「旅」の気分を味わってはどうかと考えました。
旅が日常を離れて、今いるここからどこかへ赴くことであるならば、旅の空間と時間は、美術館の空間とそこで過ごす時間に似ています。
美術館で出会う作品は、わたしたちを遠くへ連れ去るばかりか、ときに身近な何か、知らずに過ぎたあれこれを思い起こさせます。もちろん、描かれた旅の風景や人々を見て(行ったことがあってもなくても)、旅情をかきたてられるということもあります。
美術館で、旅。美術館の、旅。いかがでしょうか? 
ぜひに、ご高覧をお願いいたします。
パート
旅への誘い
【常設展示室1】
作品が内包する空間あるいは時間の中へ入り込み、作品内部への没入感に浸ることが、美術館での体験ならば、それそのものが旅であります。ここでは、空間的・時間的の領域に焦点をあて、その拡がりの中に身をゆだねることで、見る人に旅の感覚を誘発する作品を展示します。
(児玉靖枝、詫摩昭人、林勇気、正木隆ほか)

林勇気《another world -alternative》
2017年 静岡市美術館での展示(撮影:木奥 惠三)

詫摩昭人《逃走の線1》2004年
パート
出発、道中、滞在、遁走
【常設展示室3】
旅のプロセスはさまざまです。決然たる出発があるかと思えば逡巡の中ではじまる旅路があり、必ずしも直線的ではない道中、よりどころを失ったかのような、しかし身軽な滞在があります。ここでは、そうした旅の要素を垣間見ることのできる作品を集めます。
(秋岡美帆、大岩オスカール、中馬泰文、山口啓介ほか)

中馬泰文《エアポートにて》1977年

上永井正《無題》1975年
パート
みんなで行こう-名所の旅
【常設展示室4】
物見遊山の旅ほど楽しいものはありません。誰もが知っている場所へみんなで繰り出そうではありませんか。そんな楽しさ、そして、時にみんなの中での寂しさを疑似体験できる名所を描いた作品を展示します。
(歌川国員、南粋亭芳雪、里の家芳瀧《浪花百景》、井上安治、織田一磨、川瀬巴水、小林清親、横尾忠則《日本原景旅行》より)

歌川国員《浪花百景 三大橋》
頴川コレクション
展示期間:1月22日~2月13日

歌川国員《浪花百景 住吉高とうろう》
頴川コレクション
展示期間:6月14日~7月3日

小林清親《高輪牛町朧月景》1879年
展示期間:3月1日~4月10日

織田一磨《大阪風景 住吉》1918年
展示期間:4月23日~7月3日
パート
作者の旅
【常設展示室4】
古来、芸術家である作者と旅は切っても切り離せない関係にあります。各地の風景を描きに出かける写生旅行から、留学・遊学のための外国滞在、観光誘致のための制作旅行など、作者はさまざまな旅を経験します。ここでは作品の作者と旅の関係に焦点をあてて、作品を読み解きます。
1 彫刻家たちのイタリア【常設展示室4 (部分)】
(吾妻兼治郎、山本正道、小林且典(4月23日より展示予定)ほか)
2 小磯良平の旅【小磯良平記念室 (部分)】
3 金山平三の旅【金山平三記念室】
4 画家たちの旅【常設展示室6】
(新井完、東山魁夷、古家新ほか)

山本正道《帽子をかぶった自画像》1987年

金山平三《一時に新芽ふく》1945-56年

新井完《御手洗風景》1923年
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