2020年度 コレクション展1 小企画 美術の中のかたちー手で見る造形 東影智裕

31回目となる「美術の中のかたち-手で見る造形」展では、兵庫県在住の作家 東影智裕(ひがしかげ・ともひろ)氏の作品を展示します。1978年高砂市に生まれた東影氏は、美術学校在学中には特に版画を学びましたが、卒業後は、主に立体作品を精力的に制作してきました。動物の頭部のような作品は、皮膚や毛穴や体毛などが極めて精巧に表現されています。一方、その精緻な描写は、時に蝕まれた皮膚やその内部の肉体の表現を伴い、動物たちの漆黒の瞳の表現と相まって、鑑賞者に深い洞察をもたらします。
東影氏は、自身の作品制作は自らの身体的、触覚的な経験の積み重ねであると言います。本展では、東影氏のこだわりや経験の結実である作品に直接触れていただくことで、作家の造形思考や造形行為にまで想像を巡らせていただければ幸いです。
なお、本展は令和2年に開催予定でしたが、コロナウイルス流行の影響により、約1年間延期して開催します。


《視界 cow N-003》2012年 作家蔵
東影智裕(ひがしかげ・ともひろ)
1978年高砂市生まれ、現在姫路市在住。美術学校在学中には特に版画を学ぶ。卒業後は、主に立体作品を精力的に制作してきた。国内外の数々の展覧会にこれまでに参加し、作品を発表。2017年には、五島記念文化財団の助成を得て、海外研修としてボーランドに一年間滞在した。動物の頭部のような作品は、皮膚や毛穴や体毛などが極めて精巧に表現されるだけでなく、瞳の表現やわずかな肉体の質感や動きを伴うことで、我々に熟考を促す力強さを持ち合わせている。また、近年は、古い建物を舞台にしたり、自然界に存在する流木などを組み合わせて展示している。

《視界 deer》2015年 作家蔵
関連事業
1 アーティスト・トーク「私の作品について」
7月31日(土)
午後2時―午後3時(開場午後1時30分)
※終了しました。
レクチャールームにて 定員40名
聴講無料・先着順・「2021年コレクション展Ⅱ」の展覧会観覧券が必要
※兵庫県立美術館「芸術の館 友の会」会員優先席あり

《侵食 I》(部分)2013年 作家蔵

《視界cow》2013年 作家蔵
※新型コロナウイルス感染拡大防止等のため、予定を変更する場合があります。