県美プレミアム 2016年11月19日[土]―2017年3月19日[日]

館外作品を中心とした小企画展:ハナヤ勘兵衛の時代デェ!! 戦前から戦後にかけて兵庫県芦屋を中心に活躍した写真家、ハナヤ勘兵衛の回顧展。戦前にプリントしたものと考えられる、現存数の限られたヴィンテージ・プリントを中心に、戦中から戦後にかけて、大阪を中心に当時の世相を色濃く映し出した作品や、晩年に紀伊半島をモチーフに制作した連作などを出品。あわせて同時代に芦屋カメラクラブで活躍した紅谷吉之助、高麗清治、松原重三らの作品も。ハナヤ勘兵衛《ナンデェ!!》1937 年


《船 B》1931年


《フォトモンタージュ(今日も楽しい)》1933年


《フォトモンタージュ(女とグラス)A》1933年

 ハナヤ勘兵衛(本名・桑田和雄、1903-1991)は、戦前から戦後にわたって兵庫県芦屋を中心に長く活躍した写真家です。

 大阪市西区に生まれた桑田は、1920(大正9)年、17歳の時に父にカメラを買い与えられたことがきっかけで写真家になる決意をし、同年に大阪の写真機材商の見習いとなります。その後上海に渡り同地でも写真術を修行し、1929(昭和4)年に芦屋に写真材料店を開業し、また自らの号を「ハナヤ勘兵衛」とします。翌年、芦屋を中心に活躍していた写真家の中山岩太(1895-1949)をはじめ、紅谷吉之助(1898-1946)や高麗清治(1897-1962)らと「芦屋カメラクラブ」を結成し、当時世界的に勃興しつつあった新興写真運動の一翼を担うこととなります。その後関西の写真界を代表するひとりとして、戦後にわたって精力的に活躍しました。一方で写真機材開発として、後年「ミノルタ16」となる小型カメラ「コーナン16」展示室6の開発なども手がけました。

 当館ではハナヤのご遺族から、戦前の日本を代表する写真作品のひとつである《ナンデェ!!》(1937年)を含むヴィンテージ・プリントのほか、戦後に手がけた関西各地の景勝地を撮影した風景写真パネル等の寄託を受けており、それら寄託品の中には、「芦屋カメラクラブ」で一緒に活躍した紅谷や高麗、松原重三(1900-1962)らの作品も含まれています。

本展は、関西を代表するハナヤの写真家としての功績を、近隣の美術館の協力を得て開催するものです。近年では1995(平成7)年に芦屋市立美術博物館で展覧会が開催されましたが、本展はそれに続いての久々の回顧展となります。

協力: 株式会社ハナヤ勘兵衛、芦屋市立美術博物館

作品リストList of works

《船 C》1930年


《光 A》1930年


文化庁 平成28年度 文化庁文化芸術による地域活性化国際発信推進事業

関連イベント

◆特別解説会
講師:山本淳夫(横尾忠則現代美術館学芸課長)
(ききて:相良周作(当館学芸員))
2017年1月22日[日]15:00〜16:30(14:30より開場)
レクチャールーム、定員100名、聴講無料

◆「関西文化の日」関連 学芸員によるギャラリートーク
11月20日[日]15:30〜16:30
常設展示室6(ハナヤ勘兵衛展会場)
参加無料(当日は「関西文化の日」により常設展示室は無料)
◆ミュージアム・ボランティアによるガイドツアー
会期中の金・土・日(12月30日を除く)13:00〜13:45
集合場所:1階エントランス
※要観覧券(11月19日・20日は不要)・定員なし
くわしく

◆こどものイベント
「写真の謎に迫る!カメラ・オブスキュラをつくろう」
11月19日[土]、11月20日[日]
11:00〜12:30、13:15〜15:00
申込み不要・要参加費(詳しくは当館HPにて)
対象:こども優先
問合先:こどものイベント係tel.078-262-0908
県美プレミアム
館外作品を中心とした小企画展:ハナヤ勘兵衛の時代デェ!! / 収蔵品によるテーマ展:彫刻大集合

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→ 同時開催の特別展 「日伊国交樹立 150 周年記念 世界遺産 ポンペイの壁画展2016年10月15日[土]-12月25日[日]
→ 同時開催の展覧会 注目作家紹介プログラム チャンネル 7 「煖エ耕平-街の仮縫い、個と歩み」2016年10月15日[土]-11月20日[日]