展覧会構成

  • 奥田善巳《CO-684》1992 年奥田善巳《CO-684》1992 年

[展示室1]小企画「奥田善巳展」

[展示室 2]人生を愛でる

身近な人々や、住み慣れた土地に魅せられて、愛情を感じたり、心通わせたり。そうしたものを自分の手の中に治めておきたい、再現することで留めたい、永遠のものとしたい。芸術家のみならず、私たちの人生においても、このような欲求を抱く瞬間はしばしば訪れるのではないでしょうか。人にとって自然な感覚とも言えるところから生まれた芸術。それは見る側の私達にとっても、親近感を持つような作品となるのかもしれません。

  • 金山平三《父の像》1924年金山平三《父の像》1924年
  • 神中糸子《揖保川風景》制作年不詳神中糸子《揖保川風景》制作年不詳

[展示室 3北]新たな道を求めて

作品をつくるには、さまざまな方法があります。カンヴァス、絵の具、筆といった従来から使われてきた道具で、いかに自分なりの新たな表現を生み出すのか。または、全く新しい素材や手法を取り入れるのか。創造の行為そのものに魅了され、追求していった芸術家の奮闘の跡とその成果を見てみましょう。

  • 嶋本昭三《作品》1961年嶋本昭三《作品》1961年
  • 斎藤義重《作品3》1960年斎藤義重《作品3》1960年

[展示室 3南]社会の中の芸術家

美術と私たちの日常はどのように結びついているのでしょうか。街で目にするデザイン、公共の場所に設置してある彫刻作品などもその一例でしょう。近頃では、街や地域など広い範囲に作品を設置する都市型芸術祭のような試みも盛んになってきています。ここでは、芸術家が自分自身の方法で社会と関わり、積極的に参加していく例を取り上げ、美術の多様な可能性について考えます。

ヤノベケンジ《FERRIS WHEEL》2007年
ヤノベケンジ《FERRIS WHEEL》2007年
ヤノベケンジ《FERRIS WHEEL》2007年

[展示室4]内なる世界へ

時として芸術家は自分自身の内面へ目を向け、精神の中へと奥深く入り込み、そこから取り出してきた彼らだけの世界をあらわにします。そこには、私たちが見たことも想像したこともないものが現れるかもしれません。未知の領域に踏み込んだとき、私たちはどのように感じるのでしょうか。驚き?疑問?あるいは、心の奥深くをゆさぶるような感覚?自らを曝け出した芸術家と作品を通じて対話する、そんな贅沢で豊かな時をお楽しみください。

  • ジェームズ・アンソール《骸骨としての自画像》1889年ジェームズ・アンソール
    《骸骨としての自画像》1889年
  • ヴォルス銅版画集『ヴォルス』より 1962年出版ヴォルス
    銅版画集『ヴォルス』より 1962年出版

[展示室5]20世紀の彫刻/安藤忠雄コーナー

ジョージ・シーガルやジャン・アルプ、ナウム・ガボなど、20世紀の彫刻10点を展示します。
また、当館の建築設計を担当した安藤忠雄によるさまざまな建築プロジェクトを、模型を中心に紹介しています。

小磯良平記念室

神戸生まれの小磯良平(1903-1988)は、近代洋画を代表する巨匠のひとりです。確かなデッサン力に裏打ちされた気品あふれる婦人像は、現在も高い人気を誇っています。今回は、《肖像》、《斉唱》といった当館が所蔵する代表作に加え、近年新たに寄託を受けた《踊り子》もご覧いただきます。

金山平三記念室

神戸生まれの金山平三(1883-1964)は、風景画の名手として知られる近代洋画の巨匠です。落ち着いた色づかいと巧みな筆さばきによって、信州や東北など日本各地の風景を情感豊かに描き出しました。この記念室では、《大石田の最上川》をはじめとする代表作を選び出し、金山の画業を紹介しています。

  • 本多錦吉郎《羽衣天女》1890年本多錦吉郎《羽衣天女》1890年

[展示室6]日本の近現代絵画

当館が所蔵する近現代の絵画から、代表的な作品を展示します。
文明開化から間もない明治期に描かれた、本多錦吉郎による《羽衣天女》にはじまり、安井曽太郎、小出楢重や林重義らの大正から昭和にかけての名品を出品します。また、戦後の時代からは、抽象絵画のパイオニアであるオノサトトシノブや、具体美術協会の吉原治良、田中敦子らの実験的な絵画をご紹介します。