
田淵安一《五月に─未完の季節 No.3》(部分)1978 年

風景画の草木、静物画の花や果物。人物を大きく描いた絵画でも、植物が画面の重要な位置を占めるものがあります。また、彫刻のモチーフにもなっています。
ひとくちに植物と言っても、作品1点1点を丹念に観察すれば、作家によって異なる表現を見出すことができます。
さまざまな植物をめぐる表現を比べてみることで、その豊かさに気づくでしょう。展示室をめぐりながら、花や果物の色、かたち、さらには木もれびや風が揺らす葉の音といった、自然の息づかいを発見してください。美術館から一歩外に出たとき、目の前の六甲山地や並木、道端の雑草などを見る目も、きっと変わっているはずです。