兵庫県立美術館
《Vostok, 2013》(部分) 2013年 撮影:市川靖史(参考図版)

 当館では、2010 年より毎年「注目作家紹介プログラム チャンネル」を開催し、学芸員が注目の作家を紹介しています。
 将来をになう注目すべき作家の展覧会を美術館で開催することで、新たな表現と出会う機会を広く社会に提供することを目的としています。
 5回目となる今年度の「チャンネル」展は、木藤純子(きどうじゅんこ/ 1976 年‐ )の個展を開催します。関西を拠点に制作を続ける木藤は、主にインスタレーション*を表現手段とする作家です。彼女は光や風といった自然の要素、会場となる空間のつくりなど、あらかじめ存在するものに極めて抑制された表現を加えることで、特別な場を創りだしてきました。そのささやかな表現は我々の感覚を研ぎ澄まし、流れゆく時のうつろいに寄り添うことを促します。
 今回の展覧会は、満月に初日を迎え、新月の夜にその会期を終えます。人が区切った時間を超えて、太古の昔より静かに刻まれてきた時を想う。そのような仕掛けもまた、木藤の作品の一部と考えてよいでしょう。会期中はメイン会場のアトリエ1 の他、館内の各所に作品を展開します。また、12 月22 日(休館日)の新月の日には、屋外から見える1日限りの特別な作品を展示します。軽やかな仕掛けで場の裏側に潜む気配に目を向けるような作品をお楽しみいただければ幸いです。

* 空間全体を作品として提示する手法
 
《Vostok, 2013》 2013年 撮影:市川靖史(参考図版)

《三月の明倫茶会》(待合)2014年 撮影:市川靖史(参考図版)

 注目作家紹介プログラム”チャンネル”とは
 チャンネル(channel)という単語には"海峡#や"水路#、美術館の前にもある"運河#、テレビやラジオの"チャンネル(局)#、"思考・行動の方向#、さらには何ものかとの"交信#など、様々な意味があります。そこに共通するのは"何かと何かをつなぐこと#。美術館を訪れる人と、同じ時代を生きるアーティストとがつながっていくことを願って、タイトルを“チャンネル”としました。


会期等 
会 期 2014年12月6日(土)〜12月21日(日)
休館日 月曜日 ※12月22日(月・休館日)には屋外から見える特別展示
(時間:午前10時〜午後6時)を行います。
開館時間 午前10時〜午後6時  金・土曜日は午後8時まで (入場は閉館の30分前まで)
会 場 ギャラリー棟1階アトリエ1、展示棟エントランス、大ひさし下ほか
観覧料 無料
主 催 兵庫県立美術館
後 援 公益財団法人伊藤文化財団、公益財団法人中内力コンベンション振興財団
協 力 兵庫県立美術館「芸術の館友の会」


関連イベント 
アーティスト・トーク
2014年12月6日(土) 16時〜 16時30分〜に変更になりました。ご注意ください。(約40分)
北入口 曲面大型ディスプレイに集合  参加無料 

本展出品作家の木藤純子さんが、展覧会初日に会場でトークを行います。
みなさまお誘いあわせの上、ご参加いただきますようお願いいたします。


作家 略歴 
 木藤 純子  KIDO Junko
1976 富山県生まれ
1999 成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラス 卒業
現在京都府在住
 

 主な個展
2014 木藤純子展−ひるとよる(GALLERY CAPTION / 岐阜)
2009 Calling(みのかも文化の森 美濃加茂市民ミュージアム / 岐阜)
2008 Vostok(GALLERY CAPTION / 岐阜)
2004 ライト light/right(muzz program space / 京都)

 主なグループ展
2013 NOW●JAPAN(KAdE/オランダ)
2012 岡崎アート&ジャズ2012(岡崎市内各所[木藤氏の会場は旧本多忠次邸])
自然学|SHIZENGAKU 〜来るべき美学のために〜(滋賀県立近代美術館)
2011 世界制作の方法(国立国際美術館 / 大阪)
MOTアニュアル2011 Nearest Faraway 世界の深さのはかり方(東京都現代美術館)
2010 panorama−すべてを見ながら、見えていない私たちへ(京都芸術センター)
とやま現代作家シリーズ メッセージ アート新時代から(富山県立近代美術館)
2009 After School・放課後の展覧会(元・立誠小学校/京都)
2008 Exhibition as media 2008 "LOCUS"(神戸アートビレッジセンター)
2002 変身願望。−いま、表現とは?(福井市美術館)


 
《Sound of Silence》(部分) 2011年 撮影:新良太(参考図版)


《Skypot》2008年 撮影:福永一夫(参考図版)


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